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序章 紅月夜
あなたは、お母さんを知っていますか?
あなたは、お父さんを知っていますか?
兄弟や親戚がいるかどうか、知っていますか?
私は、知りません。
私は、私以外の生き物を知りません。
少し古びた洋館の一室で、少女は日記を書いていた。時折、窓の外を眺める。しかし少女の瞳には、夜空と紅い月しか映らない。それでも少女は、飽きずに窓の外を眺めていた。
永遠に星月夜を過ごす少女は、朝も、昼も、晴れも雨も知らない。
大きな洋館の中に、少女は独りだった。何年も、何十年も。
もしもそんな少女の目の前に、急に猫が現れたら。一体どんな事を思うのだろうか。驚くかな。怖がるかな。それとも、知りたいという欲に、飲まれるのかな。
「楽しみだなぁ。」
と、僕はそう呟いたのだった。
読んでいただきありがとうございました。
好評であれば、僕がとても喜びます。
続きが欲しいという要望が強ければ、僕が書きたいと思う限り続く可能性が高くなります。
この作品はフィクションです。