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出会い

喰種


人間と容姿や知能は変わりない。驚異的な身体能力と再生能力を持つ。

戦闘時は背中から翼や四肢のようなもの(以下、嚇子)を生やし、戦闘能力は非常に高い。


そして人肉しか食べられない


長い間、人間と喰種は戦いあってきたが和解に至り今では共存している




そんな世界のある学校の一幕———————





「ねぇねぇ、優くん。準備室から椅子を三脚持ってきてくれない?」


部屋の隅で一人楽器をチューニングしてた僕に女子が話しかけてくる。


僕は少し気合を入れて自分のできる精一杯の笑顔を向け、「いいよ」と答える。


女子はありがとうと固い笑顔で言うと、また彼女の友達グループに戻っておしゃべりを続ける。

僕はため息一つして楽器を置き、準備室に椅子を取りに行く。


よそよそしい空気は今までもあったしこれからも続くだろう。だって僕は喰種で相手は人間なんだから。同じ生徒とわかってても彼女は僕が怖いんだ。だけどそれをみんな口にしない。もし口にしたらこの薄っぺらな平和が崩れるから。

この世界は食う側と食われる側お互いの譲歩と我慢で成り立っていた。


僕は危険度Aの喰種。共存が進んだ今では人喰の能力は段々退化し、嚇子かぐねが出なくなったり、人肉以外を食べれる人喰が増えてきている。だが僕は生まれつき喰種の能力が濃くてそのせいで目は真っ黒だった。

この目は僕が喰種であるという証明で呪いだ。


廊下の隅を足元に集中して歩く。


準備室に到着。鍵を差し込もうとするともう空いてる。誰か来ているのか


「失礼しまーす、、、」


恐る恐る中を覗くとすぐ目の前にダンボール箱。僕のおでことぶつかる。


「きゃっ。」


声の主がダンボールを落としそうになる。

僕は慌てて段ボールを支える。


「ごめんなさい、怪我はないですか?」


僕は慌てて謝る。こういう時に責められるのは喰種の僕。


「いきなり入ってきて危ないじゃない!」


ダンボール箱の横からひょいと顔を出してきた女の子。かなり小柄なのにこんな大きな荷物を運ぼうとしてたのか。


「すいません。注意不足でした、気をつけます。」


彼女は僕の弱腰は姿勢を見て利用できると思ったのだろう。

僕の顔をまっすぐ見て、いや睨みつけるように言った。


「あんた荷物持っていってよ。それでチャラにしてあげる。」


僕は初めての怯えのない顔に面食らったついでに


「はい、、、」


と返事をしてしまった。


これが彼女との初の出会い

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