表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

03 車内「警部と机上の空論」

「太陽系ですよ」

 ぷしゅり、とペットボトルを開けながら私は言った。

 場所を移し、車内へと。

 警部は山を降りる際、玄関前の2本の木と道中にあった1本の木をもう一度確認していた。

 気になるらしい。

「何がだ?」

「加速器の大きさです。ひもみたいに小さなものを見るにはどこくらいの加速器がいるか、と云う事の―――その答えは太陽系よりも大きいのです。冥王星って云うのは知っていますよね」

「あぁ、一時期騒がれていたな」

「その冥王星の軌道よりも大きな加速器が必要になるのですよ。いや・・・だったというべきなのでしょうが」

「何だ、煮えきらんな」

「えぇ、まぁ・・・。でも、ここまで大きな加速器を用意する技術は世界にはありません。警部が先におっしゃった地球と云う大きささえ実現は不可能と見ていいでしょうし。これが『超ひも理論』を説明する際に厄介な事でもあります」

「机上の空論・・・ねぇ」

「ですが、それを仮定と置くことで証明できることもありますのでそれだけで笑い飛ばすには行かない理論です」

「そんなもんか。・・・煙草吸うか?」

「結構です」

 そうか、と警部は自分だけ煙草を吸い始める。

 そして一息すると、

「まぁ、机上の空論なら俺の考えのほうがそれっぽいのだがな。―――実はあの研究施設にあった木の樹齢をざっと見てみた」

「樹齢ですか」

「そうだ。まず道中であったものが30歳、そして入り口前にあった2本―――あれがどちらも20歳の後半。施設内あった2本は50歳と40歳だった。俺は、名簿見たときに引っかかったんだよ。どうも偶然には思えねぇ」

 私は職員名簿を取り出す。


研究主任

 美津・孝彦 男性 53歳

研究員

 三城・長政 男性 43歳

 上月・光  女性 35歳

 広野・大樹 男性 32歳

 多紀・陽光 男性 30歳

 井上・実  女性 30歳

 伊藤・忠明 男性 25歳


「妙に年齢が合うだろ?そりゃ、4,50台だけだが――数が合う。それにあの巡査の服を着た木だが、もしかしたら年齢が合致するんじゃないのか?」

「今は巡査達の資料は手元にありませんからなんともいえませんが、キャリア組ではない限り若い人が派出所に勤務することはあることです」

「それにあの岩だが、もしあれの歳もわかるのなら―――と、まぁなんとも非現実な話だ。とりあえず俺は知り合いの伝手でちょっと調べてもらう。どうも引っかかる。それに――」

 まぁ、今考えても仕方ない。

 どうも考えすぎている気がする。

 しかし、

「机上の空論、ですか・・・。でも、『超ひも理論』はもしかしたら確立されたかもしれませんよ」

 私は携帯電話を取り出した。

 研究施設から立ち去る際、一枚の写真を撮っておいたのだ。

「これなのですが、何かわかりますか?」

「ん?なんだこれ?」

 写真に写るのは、円筒形の機材だ。私としては教科書などで何回か見たことのあるもの。

「加速器です。しかも大体直径1mくらいのものですよ」

 こんな大きさのもの見たことがなかった。

 小さすぎるのだ。

 警部にはどういう意味かは理解できないと思う。

「もし、これが完成していたらどうでしょうか?私が知る限りこのことを成した人はいません。まさにノーベル賞ものでしょう。事件に対して個人の深読みは褒められたものではありませんが、もし特許絡みであれば、これを欲しい人はいるでしょうね」

「つまり利益目的の事件、と言いたい訳だ」

「ただ私の個人の考えですし、裏づけも不十分。それに、行方不明者の多さも謎」

 実際、ここに来て新しく分かった事など、名簿と研究内容だけだろうか。

 収穫は少なかった。

「事件は確かに起きているが、犯罪と決まったわけでもない。糸口がないな」

「捜査本部が立ち上がってからの情報待ちでしょうか」

「いいや、情報は仕入れるもの。まずは足だ。職員の家族について洗ってみるか・・・」

う〜む、語り形式で書けば5部くらいで終わったかもしれない。

10部までには完結予定。5月の中旬には終わるかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ