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02 研究施設「刑事と超ひも理論」

「警部、間違いないですね。居なくなった巡査達の物です」

 施設の入り口前、私と警部は2本の木を見上げた。

「しかし、服だけがあるとはな。それも木が着ている、ときた」

「これもいたずら?」

「もしそうなら警察に喧嘩売ってるんだろうよ。それに服の中身は何処にいったんだか」

「さっきの白衣、それにここの制服・・・関連はあるはずです。あとで回収してもらうように言っておきます。それよりも中に入りましょう。手掛かりが見つかるといいのですが・・・」

 しかし、中には報告と同じように、岩と木があっただけだった。

 2本の木がある部屋の中、先輩は手袋を付け始める。

「とりあえず、ここの研究資料を見てみるか、頼りにしてるぞ」

「そのための私ですしね・・・、でもあまり期待はしないでくださいよ。わからなかったら即専門家の方へ回しますから」

 そう言うと、私は机の上のある紙を見る。

 研究の企画書だろうか、紙の上には白い小さな破片や粉が乗っている。

 上を見ると、そこには木が天井を突き破った際にできたであろうヒビがあった。

 紙にこのようなものが乗っていると云う事は、最近になってヒビができたと考えるべきだろう。研究室の中、こんな木を育てる意味はない。ましてや部屋を壊す事はマイナスでしかないのは明白。

 あの道中の木といい、ここの木といい、急速に成長したと考えたほうが辻褄が合った。

 私は紙を取るとその内容を読む。



 加速器の小型改良案、と云う非常に目的がわかりやすい題名。

 加速器とは粒子を加速させ、高いエネルギーを与えるものだ。そしてエネルギーを与えられた粒子をぶつけることで、その粒子のより微小なものを見ることができるというもの。

 医療の分野でも役に立っているらしいが、私はそこまで学んでいるわけではなく詳しくはないが・・・。

 だが、この企画書の内容を見ると、小型化による利便性を追求しようとしたのだろうか。

「ふむ・・・」

 私は辺りを見回すとある物を見つけた。

 それは円の形をするもの。

 まさか―――

「お〜い、職員の名簿を見付けたぞ」

 警部が私の肩を叩いた。

 振り返ると、警部の手には数枚の紙、名簿であろう。

 もう少し、考えていたかったが、しかたない。とりあえず見てみよう。

 名簿に記載された名前、聞いたとおり7名の名前があった。


研究主任


 美津・孝彦 男性 53歳


研究員

 

 三城・長政 男性 43歳

 上月・光  女性 35歳

 広野・大樹 男性 32歳

 多紀・陽光 男性 30歳

 井上・実  女性 30歳

 伊藤・忠明 男性 25歳


「若い人が少ないですね・・・」

「まぁ、人数も少ない。でかい研究ではなかった、と云う事だろうよ」

 私はその言葉が引っかかった。

「いや、それはおかしいですよ。警部」

 私はさっきまで手に取っていた研究の企画書を差し出した。

「俺にはよくわからんと言ってるだろうに・・・、説明してくれ」

 面倒臭そうな顔で顎を私に振ってくる。

「加速器については―――知らないですよね」

 私は加速器についての簡単な説明をし、最後にそして、と言葉を付け加え話を続ける。

「加速器は与えるエネルギーの高さに比例して形を大きくなります。さっき微小なものを見ることができると言いましたが、物質とは微小なものほどエネルギーが高い」

「つまり、小さいものを見るならでかいのが必要になるって事だろ」

「その通りです。例えば、超ひも理論というものがあります。物質を小さく分けていくと、最終的には小さな『ひも』になる、と云う内容なのですが」

「だったら、俺もお前も『ひも』の塊だっていうのか?それにこの周りにあるもの全ても『ひも』だと、なんか気色が悪いな」

「本当に微小ですから肉眼で見ることはできませんけどね・・・。逆に見えてしまったらそれこそホラーです」

「あ〜、B級もので見たことあるぞ。ミミズの妖怪の集団で人型になって、人を襲う内容だったが。こう時々ぴちぴちって肌の表面でミミズが跳ねてるのがまた――」

「嫌なこと言わないでください。それにこの超ひも理論はまだ完全な理論ではありませんよ。まぁ、この事について問題があるんですよ」

 私は会話に一息入れる。

 飲み物が欲しいが・・・、まぁここは我慢しておこう。

「『ひも』はとても小さい。数字に出しても実感しにくい位にです。その小さいものを見るために現在必要な加速器の大きさ。どれくらいだと思いますか?――かなり大きなもので考えなければいけませんよ」

「って、俺に質問かよ」

「質問に答えさせたほうが、理解を促しやすいのですよ。一応教員免許とってますし」

「お前の経歴はどうでもいいが・・・、そうだな、でかいもの―――地球くらいか?」

「残念ながら違いますよ。実際には―――」

 と私が答えを言おうとした時、警部が話を止めた。

「待て、こんなところでずっと俺達は話さなくちゃならないのか?」

「・・・・・・・・・・」

 ここの研究施設の中。静まり返った場所に2人の男とはまた寂しい。

「とりあえず、目に付く資料は持ち帰るとして山を降りよう。それに俺も気になったことが1つあるんでな。車内で話すぞ」

「そうですか」

 それに、と警部は付け加える。

「喉が渇いた。飲み物が欲しい」

 

曲解部分もある内容です。つっこみどころ満載です。

そして変な部分で章を切ってます。

ですが、『ひも』を見るにはどれくらいの大きさが必要か・・・ちょっと考えてみて下さい。


GUT/大統一理論での考えなので、根気がある人は検索してみるのもいいのではないでしょうか?


コレを読んで少しでも興味が沸いた人は、超ひも理論について読んでみるのもまた一興。簡単に書いている本はたくさんあります。

因みに私はこの分野専門の者ではありません。


短い長編小説なのでどぞうぞもう少しお付き合いを・・・


ここで書きたいことは山ほどありますが、とりあえず後に残しておきます。

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