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世界が平和に戻るなら。  作者: 柏木 慶永
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第8話 狩人祭 準備その2

「まずは、五十嵐グループの注意点!お前は、命の使い方が軽すぎる。鳩とは言え、ゼロ

に突進など、死へ行くようなものだぞ!」

 最もだ。俺も最近思っていたが、願の武器の問題上、脳筋が如く刺すしか無いんだよな。

「その上、お前と願の気線がかなりギリギリ合っているが、見ていて不安でしか無い。」

 気線とは、狩人と武器の二人の間にできる意思表現をするために心に現れるの糸のよう

なものだ。

 この気線は、攻撃と防御などの単純な行動を先に相方に伝えれるものだ。逆に、伝えら

れていない場合武器の威力などが致命的に下がる。

 そのことを知らなかった幼き五十嵐少年はなぜ鳩にゼロを討伐させないのかと随時思っ

ていた。この気線がなければ、今頃ゼロが絶滅できていたのだろう。

 ちなみに、気線がわかりにくいと思う人は劣化トランシーバーといえば伝わるらしい。

 実際、薙刀の少女はわかった。

「次に、佐々木グループ!………………」

 その後、各グループの注意点を指摘されてから、先生と対人戦をし始めた。

 最初は、俺と願ペアから先生と対人戦を始めた。

 先生は、舐めているのか木刀を右手に添えている。

 先生自身も知っていると思うが、木刀でBN-R武器の攻撃を防ごうとすると、木刀は攻

撃を防ぐどころか、木刀が折れるか砕けてしまう。

 つまり、先生は防御を捨てても俺達と同等。または、それ以上と言うことになる。

 舐められたものだ。

 先生に言えたことではないが、フザケているのかと言う怒りがこみ上げてくる。

 俺の目が先生への敬いの目が無くなっていった。

「先生。舐められたものですね。例え、先生が怪我をする可能性があっても知りませんよ?」

「まずは、俺に当ててから言え!五十嵐!」

 この大人数の目撃者がいるため、誤殺してもなんとかなるだろう。

「では、対戦お願いします。」

 いくら、俺を舐めかかっている先生でも寸止めで薙刀を突きつければ反省し、舐めるこ

ともやめてくれるのだろう。

 そして、俺は光速が如く先生の顔面をめがけて薙刀を突きつけた。

 なんとか、殺さず先生を無力化出来た。……と、思っていたのだが、先生はしなやかか

つ華麗に薙刀の隣に立ちすんでいた。

 そして、先生は右手の木刀を軽く俺の肩に当てた。

「はい!五十嵐の負け!やっぱり、お前は考えが浅い!仮に、躱されたらその後どうする。

とかの、その行動を取った場合何が起こるかという先読みの制度が劣っている。それさえ

出来れば、日本最強にも勝る可能性だってあるぞ!

 この人は、1週間の間に俺の弱点を見抜き木刀のみではなく木刀と観察眼で俺に勝った

のだ。しかも、挑発に乗り冷静さすら無くなっていた。

 ……これは、情けない。

 その後、他のペアも木刀使いの先生に勝てるものなく今日の授業は終わってしまった。

 帰宅

 そして、俺はここ数日の中で一番の疑問を願に問う。

「願。もう一生その髪型なのか?」

「そりゃ、そうだよ!誰かとはあえて言わないけど、どっかの誰かさんに幼女呼ばわりさ

れたからね!」

 そこを付かれると返答に困るが……余計幼さが増している事はこいつの為思うなら言う

べきか?

「何か言いたそうな顔をしているね。はっきり言えばいいじゃない!」

 ほう、言ったぞ。もう俺は責められる義理はなくなったぞ。

「今の髪型になってから、その……幼さが増した。」

「やっと、指摘してくれた。私は、髪型変えてから今までず~と思ってた。」

 だったら、なぜ変えなかったと言う疑問が浮かんだ。

「じゃあ、なんで戻さなかったの?て思っている顔だね。」

 そして、いつから願はなぜ俺の考えが読める?

「それは、ツインテールとこの髪型以外絶望的に似合わなかったから……勇輝くんはどっ

ちがいいかな?」

 ここで、どっちでもいいorどうでもいいなどと答えると殺されかねないので真面目に考

えよう。

 実際、ツインテの場合感情は読みやすいが、ぴょこぴょこ動くのは授業付近では気が散

る。

 今の髪型。ストレートとか言ったっけ?(髪型の名前は微塵も興味のない系男子)は、

ツインテよりも幼さが増すが気が散らなくて済む。

 この結論からまとめるに、授業中はストレート。それ以外はツインテとかでいいんじゃ

ないか?うん、失礼さ,殺される要素は無いな。

「授業以外ではツインテ。授業中は今の髪型(不安なので濁している)。で、いいんじゃな

いか?」

「それだと、勇輝くんの好みがわからないじゃない。(ボソッ)」

「?なんか言ったか?」

「何でもない。あと使い分けるのが面倒だから常時ツインテね!異論は認めな!」

 うん、そう言うとは薄々感づいていた。

 こうして、願はツインテに戻った。

 狩人祭が始まるまでの残り数日を先読みとリスクを、最重要課題として授業に励んだ。

 そして、狩人祭まであと1日となった。

 今日は、模擬店の準備になっている。

「先生!明日の服について指定は無いのでしょうか?」

 流石に、この制服で5月にうなぎを焼くとなると暑さとの戦いになる。

「あぁ。指定は一切ないぞ。なんせ数年前にコスプレ喫茶チックなものをしていたクラス

がいたからな。」

 なら、父さんが誕生日にくれたエプロン……というよりも店の制服使うか。

 親子対決!とかで盛り上がる。つまり、売上につながるだろう。

 しかもエプロンなぜか3年連続でもらったからちょうど、佐々木と芽城にも着せれて統

一感がでるだろう。

 そんなことを考えている間に模擬店の準備が全て整った。

 そして、俺達は解散し学校をあとにした。

「ただいま。」

 この家に帰ってくるのも1週間ぶりか。

「あら勇輝。おかえりなさい。なに?もう振られて帰ってきたの?かわいそうに。」

 頼むから何もかもを恋愛に回すのをやめてくれ。というか、やめてください。

「あ、うん。父さんに貰ったエプロンを取りに来た。」

「あぁ、なんだ。そんなこと。」

 そして、なぜに安心しているんだ母親よ。

「母さんも明日行くかも!久々に勇輝のご飯食べたいし!」

 ぼったくろう!と、考えが出る自分が恐ろしいと思った。

「勝手にしなよ。」

 まあ、どうでもいいや。母さんは、人前では迷惑をかけるタイプでは、無いから。

 俺は、さっさと自分の部屋に向いエプロンを3枚押入れから取り出した。

「じゃあ、また明日?な」

「うん、勇輝の料理楽しみにしている。」

 期待されるのは、悪い気分ではない。うん。

 家を出ると、待ってもらっていたため当然なんだが願がいた。

「なんか、お母様の中では勇輝くん振られたことになっていたね。」

 願は、幸せそうだった。

 普段、いじっている相手が逆にいじられていたからだろう。

「あぁ、そうだな。でも、ロリコン扱いになる可能性がなくなると考えると振られる?こ

とも、メリットになるな。」

「幼女の次はロリなの!もう、勇輝くんには女の子を大切にする心がほしいよ。」

「(そういや、願は女だったな。と、今思ったことは、黙っておこう。)」

 そういや、父さんと合うのも誕生日以来だな。

 また、俺の料理を褒めてくれるかな。

 そんなことを、思いながら前日を過ごした。


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