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世界が平和に戻るなら。  作者: 柏木 慶永
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第7話 狩人祭 準備その1

俺が、願を幼女と呼ばなくなってからはや一週間がたった。

 この一週間で変わったことといえば、BTの育成が全員終了した(成長期間は動物の年

齢ではなく、人間年齢加算。)という理由と、流石にこの家に5匹飼うには無理があるため、

猫と鳥以外を母さんに預けた。鳥は放し飼いをし、いつでも俺の上に飛んでいてくれてい

る。猫は、癒やし要素として家にいてもらっている。

 あと、重大なことかも知れないが、願がツインテを卒業した。

 本人に、理由を聞くと、どっかの誰かさんに幼女として見られないようにするためらし

い。

 少し背伸びをして大人っぽさをつけようとした、幼女にしか見えないため、以前より幼

さを増したと思うのは黙っている。

 そして、今まさにもう慣れた教室で、毎朝お馴染みのホームルームが始まろうとしてい

た。

「おはよっ!今日も、ホームルーム始めんぞ!今日は、狩人祭について話したいと思う。」

 狩人祭というものは、普通の高校で言う文化祭と体育祭をあわせたようなものだ。

 全学年各クラスで、模擬店を行い5日間でお客さんの好評が一番多かったクラスが優勝

の模擬店の部。ちなみに、売上はクラス内で割り勘。費用は自己負担。ケチだよなこの学

校。

 各クラスから2組の代表が全学年混合対人制トーナメント戦に参加し、優勝した一組が、

日本昨年実績最高の狩人と対人戦。

つまり、昨年度日本最強の狩人と一騎打ち。勝利した暁には、卒業後即戦力の狩人にな

れる。

 そして、日本最強に目に止まった狩人がいたら、その狩人は日本最強と対人戦をする事

ができる。こちらも同様に、勝てば卒業後即戦力になれる。狩人の部。

 俺はこの3年間の中で日本最強に勝つことが目標。というより、必須事項だ。

 聖路との約束を一刻でも早く成し遂げるためには……

「みんな知っての通り、狩人祭まで残り数日だ!このクラスは、どっちも優勝するぞ!」

 狩人祭はゴールデンウィークに行われるため、本当に数日だ……そして確か、一年が模

擬店の部で優勝するのは不可能と言われていたのでは……。

 その理由が一年の模擬店の前に狩人祭1~3日目限定で1つ星料理人が出店をするから

らしい。

 この料理人が他人なら良かったのだが、残念ながら父さんなんだよな。

 これは、俺がこの不可能を可能にしなくてはという使命感が出てくるのは仕方無いと思

う。

「で!言うまでもないが狩人の部はこのクラスの1位と2位の五十嵐&願ペアと佐々木&

芽城ペアで異論はないな!」

 全員、異論はなかった。

 俺は、嬉しいに尽きる。

「で、模擬店の部は全員でやるんだがリーダーが必要だ!これなんだが、このクラスの女

子を差し置き、料理に定評のある五十嵐でいいか?」

 これも、好都合だ。一年でも優勝が狙えることを証明したいから。

 そのうえ、反対もなくリーダーなることができた。

「問題ないことが確認できて、次に食料調達だ。誰か、親が農家とかはないか?あれば、

少しは模擬店に出す商品の経費が削減できるんだが……。」

 すると、刹那が立ち上がり相変わらずの冷静かつ単調な発言を始めた。

「私の親。うなぎを専門の漁しています。今年は余っているくらいです。」

「それは、つまり譲ってもらえるのか?」

 すると、刹那は携帯を取り出し電話を手短に済ませた。

「いいらしいです。むしろ、嬉しそうした。」

 うなぎって、そんな簡単に手に入れれていいのか?

 うなぎ……あっ!

「先生。祖父が田んぼを所持していまして、米を貰えるかもしれません。少し、電話で交

渉してもよろしいでしょうか?」

「米は心強い!頼んだ!」

 すると、俺も刹那同様に携帯を取り出し、祖父に電話をかけ始めた。

「トゥルルル……ガチャッ!もしもし?じいちゃん?ひさしぶり!」

「おぉ!勇輝か!ひさしぶりやな!どうしたんや?」

「えっとな。5月に狩人祭てやつで、模擬店せなあかんねん。やから、お米余ってへん?」

「おぉ!奇跡やな!ちょうど、めちゃくちゃ余っとる米をどないしようか困っててんよ!

勇輝がいるんやったら、やるでぇ。」

「ほんま!ありがとう!ほんじゃ、家に届けてくれへんか?」

「わかった!大事につこうてくれよ。ほな、送っとくわな!じゃな!」

「ありがとう!」

 こうして、携帯を切ると、先生以外は目を大きく開け、俺を見ていた。

 そりゃそうか。俺の祖父が関西にいるなんて、予想できないもんな。

 はっきりいって関西弁に慣れすぎて無意識にも使っていたのだが……そんなに、細かく

は見ないか。

「先生。どうやら、譲ってもらえるそうです。あと、レシピも決まりました。蒲焼きでい

きます。」

「先生も、関西出身だからさっきの方言は懐かしく感じたなぁ……。じゃなくて、蒲焼き

だな!いいと思うぞ!」

「そして、このクラスは女子が多いので、客引きを女子にしてもらいたいと思います。」

 その言葉を聞いた女子の半数以上は安心していた。

 おそらく、料理ができないのだろう。

「そして、佐々木には会計を、芽城にはご飯を装ってもらいます。タレと蒲焼きはおまか

せください。」

 家に帰って特性のタレを作れば蒲焼きはなんとかなるだろう。

 手間がかかるのは模擬店の中の配置だ。

「よし!今日のホームルームですることは終わりだ!今日の授業。というより、今日から

狩人祭当日まで、全員にはゼロとの訓練ではなく対人戦の練習を兼ねて、極稀に狩人の足

を引っ張るらしい、狩人キラー。つまり、狩人に働いてもらっては困る存在の対処の仕方

を学ぶぞ!体育館集合な!」

 こうして、クラス全員は体育館に向かった。

HappyNewYear

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