第2話 パートナーは〇〇入学生?
帰路の途中俺はとてつもない疑問が浮かび上がっていた。
「(こいつ、親にどう話すつもりだ?仮に納得してもらっても、俺の親にどう説明しよう。)」
おそらく、俺のあの恋愛関連に関しての思考処理速度カンストの母親なら「あら、彼女?」
とか聞くに違いない。
……しかし、仮にこいつが制服着てなかったら誘拐はn……ロリコn……とりあえずま
ともな考えじゃなかっただろう。うん。
そんなことは、後に考えるとして先にこいつの親について考えよう。
「あのさ、願。お前、親にはどう説明する気だ?さすがに男と同居することになった。と
か言ったら大変なことになるだろ。」
幼女は少し口を尖らし不満そうに答えた。
「親とは高校の位置の関係で今日から別居だからバレないし問題ないよ。なんなら、私が
今日から住むはずだったマンションで同居する?wあ!動物OKだよ。あと、願じゃなく
カ・ナ・エ!今日からパートナーなんだからかたくしないの!」
「……なら、願の親のことは気にしなくていいな。マンションもありがたく使わせてもら
おう。あとは、俺の親だな。」
相変わらず、幼女は不満そうな顔だ。
「むむむぅ~勇輝くんはなかなかおかたいんだね。カナエと呼んでくれることを楽しみに
してる。」
さて、この面倒な幼女を相手している間に俺の家についた。
「ただいま、母さん。今日から別居することになった。」
実に簡潔だ。自分でも語彙力の無さを痛いくらい理解される。うん。
「おかえり、ゆうくん。別居?なんで?あら、隣の可愛い子は彼女?」
うん。予想通りの返答ありがとう。
「今日から、パートナーになった願 叶と申します。お母様、私は少し武器としてのステ
ータスが劣っているため勇輝くんが食管理をし、ステータス向上を提案してくださったの
です。」
「(おい、あの簡潔な文でよく目的がわかったな。猫かぶりは予想していたがえげつない
な!)」
「て、わけで、別居する。場所はある。いいか?」
「お母さんが、我が子の将来を壊すわけにはいかないでしょ。それに、こんな行儀の正し
く可愛い子を彼女にしたなんて、母さん嬉しい。」
おい、最後!いいこと言っていたのがめちゃくちゃだぞ。
「否定するのが面倒。とりあえず、仕送りは頼む。父さんの店の具材の残りでいいから。
じゃあ、準備出来次第行くわ。あんがと。」
そう別れの発言し、俺は自分の部屋から必要最低限のものと現パートナーを連れてき願
の新居?へと、向かった。
願の新居は、新居らしくダンボールが大量に積み重ねられていた。
あと、広すぎる。
4LDKとか、こいつの親金持ちか。それとも、俺が来るのがわかってこの大きさにした
のか?いや、後者は絶対ないなw
さて、俺に部屋は割り当ててくれた願に感謝しつつ俺色に部屋を染めていく。
片付ける途中に俺はとんでもないことを聞き忘れていることに気づいた。
あいつ、武器種なに?
BN-Rにより変化できる武器種は10種類の近接武器の中からランダムだ。
太刀,大剣,鎌,レイピア,双剣,薙刀,片手剣,斧,居合刀,拳のどれかになる。
そして、武器の種類によってステータスの伸び方が変わる。
例えば、双剣は属性値が乗せやすい代わりにリーチが乗りにくい。のように、短所と長
所が存在する。
ちなみに、猫のクロは太刀になるためリーチ,会心率,火力値を主に育てている。
犬のケンは大剣なのでリーチ,重量,属性(麻痺)を主に育てている。
属性には、3種類ある。毒,麻痺,体力吸収(武器になれる時間に限りがあるためそれ
を引き伸ばせる)
[豆知識1]
BN-Rによる武器の姿を保てる時間は平均1時間だとされている。
おっと、語りすぎた。……誰にやねん。
さて、本題に戻ろう。願の武器種はなんだろな。この時は、相変わらず緊張感が走る。
一応、全種使いこなせるが現パートナー達に被ってないだろうか。
こう考え続けても意味をなさないので、思い切って聞きに願の部屋に向かった。
「願、片付け中すまないがお前の武器種はなんだ?」
願は、自分の武器種が恥ずかしいのか恥じらいながら答えた。
「……薙刀」
「すまない、少し実物になってもらえるか?」
「う、うん……。」
すると、願は目を開け続けることができないくらい輝きを放ち、艶のある柄が特徴的な
薙刀へと変化した。
そして、俺は迷いもなく薙刀にしては明らかに短い願(薙刀)を持ち上げた。
「(……うん?)」
「なぁ、願。お前、本当に合格したんだよな?」
「しっ、失礼な!合格したよ!」
金持ち……。あぁ、なるほど。
「聞き方を変える。正規に合格したか?」
幼女(薙刀)は沈黙した。
「あのなぁ、願。黙っていても俺は、武器を持ったらステータス繊細に分析できるし、武
器ではない状態の情報もわかるんだけど……。何なら、体重と3サイズ言おうか?」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!やめてぇぇぇ!!わかった!わかったから!正直
に話すから乙女の大切な情報を晒さないで!」
と、高速で人の姿に戻った願が、土下座状態でお願いしてきた。
「(……なんか、罪悪感に包まれるな。この絵。)」
「実は、合格基準に全く足していないの!だいたい1000くらい!」
「じゃあ、どうやって合格した?」
「ワ・イ・ロだから、主席の五十嵐くんに組んでもらわないと困るの!」
「それで高校の一部の人間以外にバレないよう、俺と組んだと?そりゃ、あまりにも実技
で悪い点が見つかったら武器は再検査、狩人は再試験だけどさ……。てか、なんで、俺が
首席で入学したこと知っているんだ。」
「そんなの封筒にこんにゃく2個(200万)渡したら教えてくれたよ。まぁ、学長にバレ
たら大変だけど。」
この幼女、金の使い方が荒い上に、慣れておられる……。
「はぁ、これは本気で食管理しないとどうにもならんな……。お前は、片付け続けていろ。
晩飯作る。ちなみに、一番嫌いなものは?それだけは、今日限り省いてやろう。」
「……ピーマン。」
やっぱ、見た目通り幼女か!
さて、幼女の晩御飯を作ろう。どれだけお嬢様であろうと好き嫌いは知らん!俺と組ん
だのが末路だ。さて、薙刀か。リーチと会心を主に重量とあと火力に期待できないから属
性(体力吸収)を少しが理想か。
つまり、無機質とタンパク質か多く炭水化物とビタミンが少し。しかも、属性(体力吸
収)にはピーマンとかの緑野菜必須じゃねぇか。
[豆知識2]
見た目が黒(紫)ぽい野菜,果物は毒の属性値を上げ、赤ぽい野菜,果物は麻痺値を上
げ、緑ぽい(以下略)は体力吸収値を上げる。
まぁ、今日は約束したからピーマン抜きだな。
じゃあ、今日はカルボナーラだな。
メインのカルボナーラはソースをクリーミー感ゴリゴリにして噛む回数を上げ消化をは
やめるために少し推奨茹で時間より早くあげた麺と軽めに炒めたベーコンをさっき作った
ソースを混ぜて、温玉のっけてバジルとブラックペッパーをかけて完成。
副菜に一口大にちぎったレタスと甘エビをあえて赤パプリカをちらばせ、フレンチソー
スかけて完成。
あと、キャベツとハート型の人参(幼女いじり)をメインにしたコンソメスープ作って、
適当な皿に盛り付けて終わり!
うん。考えながら作るの、いと楽しい。あっと言う間にキッチンいっぱいに食欲をそそ
る香りが充満していた。
後ろから聞こえてくる、おそらく片付けを後回しにした幼女の「まだぁ~?」を数回聞
いていると、保護者になった気分だ。
でもまぁ、料理を楽しみにしてくれているのは素直に嬉しい。
「「いただきます。」」
さすが、お嬢様。食べ方が綺麗でいらっしゃる。
「そういや、願。ワイロって、どのくらい出したんだ?」
口の中で、モゴモゴとリスのようにしていた幼女は、口の中のものを飲み込み答えた。
「足りない分のステータス×10000倍の金額(1000万)」
この幼女おそろしいよ(確信)。
「そこまでして、なんで武器に?なんか深刻なことでもあったのか?」
まぁ、仮にあったとしても今言って欲しくない。口の周りがカルボナーラのソースに侵
食されて深刻なことが、伝わらないから。
そんな、重いこととは真逆なことをキョトンとした顔で幼女は答えた。
「いや別に。みんなにすごいと思って欲しいから夢にしただけ。いくらお金があっても将
来の夢は買えないからね。」
「ワイロのせいで説得力がないな。全く教員は何やってんだよ……んっ?!」
試験当日にて
『教員が直々に公平に審査する。』
伏線はこれかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
狩人志望は公平に審査するが武器志望は金さえ出せば教員は目をつぶるのか!
「どうかしたの?」
幼女は俺がどんなことを考えているかわからないだろう。まぁ、いいけど。
「いや、何にも……。」
こうして、俺たちは食事を終わらせ、俺は食器の片付け等をした。
そして、入浴を済ませ(幼女の後に入ったせいで、罪悪感に少し包まれたのは黙ってお
く。)
自室に戻る前に、一つ確認しよう。
「なぁ、願。寝る前にもう一度武器になってくれ。ステータスの変動を確かめたい。」
まぁ、大して変わらないのは理解しているけれども。
「うっ、うん……。」
そして、薙刀へと変化した願を持ち上げた。
「……。」
明らかにおかしい。
「どうかしたの?」
薙刀のまま、俺が無言になったのが気になったのか願は心配そうに聞いてきた。
「……いや、なんでもない。計画通りで安心しただけだ。OK!ありがとう!願。俺は寝るよ。
おやすみ。」
と、聞いた願は元の姿に戻り「おやすみぃ」と眠たそうに言い、自室へと戻った。
俺は、ベッドに横になり、さっきの疑問を自問していた。
さっき、明らかに願のステータスの上昇値がおかしい。俺の予想していたステータス値
より全て高いのだ。しかも、正確に5だけ。これから考えるに、俺の計算ミスではないだ
ろう。
まぁ、深く考えても仕方ないな。きっと、成長期なんだろ(迷案)。明日から、授業が始
まるし今日はもう寝よう。
こうして、俺は眠りについた。




