プロローグ 〜こうして、僕らは全てを失った〜
その日、僕は全てを失った―――。
王国の外れにあり、帝国領と隣接していた僕の村は…突然の宣戦布告と共に進行してきた帝国軍に蹂躙され、跡形も無く燃え去った。
親友と二人で、村外れにある洞窟『秘密基地』へと遊びに来ていた僕は、親友共々難を逃れ眠れぬ夜が明ける。
翌朝、静まり返った村へ戻り…僕達は愕然とする。
村に一つだけの、皆で通った学校。
帰り道に寄って立ち読みをし、顔馴染みになった店主に叱られた古本屋。
そして―――僕達の家族が住んでいた家。
その全てを踏み荒らし、焼き尽くされ…辺りに立ち込める肉が焼けた臭い。
虚無感と無力感に襲われ、その場で立ち尽くすしか出来なかった僕達。
この物語は、それから数年経った王国首都『ブランシュブルグ』から始まる。
此処まで御拝読下さり、誠にありがとう御座います。
あらゆる面で平均的、飛び抜けた能力一切無し。全てにおいて広く浅くしかこなせない主人公が繰り広げる物語…此処に開幕致します!
皆様の興味を惹ける内容になるよう、精一杯描かせて頂きます。
どうか、宜しくお願い致します。
追伸
感想等頂ければ、大変嬉しく思います。
どの様なものでも喜んで拝読させて頂きますので、どしどしお送り下さればありがたく。