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不思議の国のアリス

もう、どこへ向かうのかしら?

あぁ、でもダメ!早くウサギさんを追いかけなきゃ!!

鳥が木に留まって悠々と朝の歌を歌っている。


さっきからずっと走り続けるウサギさん。懐中時計を確認しては走る速さを速くする。

一体どこに向かっているのかしら?


森の木々の間を簡単に通ってくウサギさんに比べて私は全然追いつけない。

どんどん奥へ進んでだんだん暗くなっている。


あれ?居なくなってる…?


乱れる息を整えて、ゆっくり歩く。

暗いのが盲点だった。

突然下に引き込まれるーー正確には穴に落ちてしまった。



「きゃあ!!」


最初は怖かったけれど、だんだん慣れてくる。

恐らく、絵や写真が穴の壁に貼られている。

そのうち、カップ…お皿など、色んなものがふわふわ浮いているところにまで落ちている。


どこまでもどこまでも落ちていく。

全然底につけないな…



するといきなり、

ドンッ!


「きゃ!…いてて…」



底についたようだ。

周りを見回しても、誰もいない。


ここはどこかしら。


「やあ。お嬢ちゃん。どこから?」


目をギョロギョロさせて、紫とピンク色とっても大きい猫が聞く。尻尾で器用に丸いリンゴを掴み、ボリボリと食べていた。


「穴の上から来たわ。ここはどこなの?」


「さあね。僕にも分からないよ。」

にたりと笑って木から降りる。高さは結構あるはずなのに、身体は大きくても、そこは猫と同じなようだ。


「いきなり客人をいじめないでくれるかい?シャム。」


「ああ、悪いなマッド。そうだそうだ。ここをリンゴを持ったおねえさんが通ったぜ。気をつけな。じゃあまた、お嬢ちゃん。」


さっきまでいたはずの猫は瞬きの間で消えてしまって、残ったのは猫が食べていたリンゴと、ピエロみたいな化粧をした背の高い男の人だった。


「あなたは?」


「ボクはマッドハッター。さあ案内しよう。ついておいで。」


「私、ウサギさんをさがしているの。どこにいらっしゃるか知ってる?」


「あぁ、白うさぎの事かい?そうだね。この時間なら、お城にいるんじゃないか?」


「お城?」


「そう。ほら、あそこに見えるのがお城さ。」


マッドが指す方を見ると、確かに先がとんがったお城が見える。


「あそこでお茶会さ。今日はなんの料理やら。」


鼻歌を歌いながらマッドは進む。

置いていかれないようについていく。

視界にちらと入った赤いものは何だったんだろう?


不思議な人とあったり、場所に行ったり。もうクタクタ。少し休ませてもらおうかしら。


「マッド。」


「何だい?お嬢ちゃん。」


「疲れちゃったわ。どうしましょう?」


「そうだね、少し休もうか。ふふふ…」


何で笑ったのかは分からない。でも目覚めたらここにはもういない…?


眠気に勝てず、眠ってしまった。

そして…

起きたのは小さな小さなベッドの上。

ここは…どこ?

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