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つまり末永く養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
学園じゃないラブコメ編
50/57

ゴミ屑の中の光

前回のあらすじ


政府との交渉、アニキの復習、同時進行でスタート。

ニート「おいおい、血が出てるけど大丈夫かよ」


犯罪者「そんなに心配するな。かすり傷だ」


犯罪者は足から血を流しながらそう言った。


犯罪者「それよりも、途中で携帯を落としちまった。もう交渉も始まってるっていうのに…」


ニート「いまはそれどころじゃねえだろ。あいつは一体なんなんだよ?いきなり拳銃なんかぶっ放してきて…」


交渉が始まる直前、拳銃を持った男に突然襲われたニート達はなんとかその場を逃げ出すことが出来たが、犯罪者が足を怪我した今、追いつかれるのは時間の問題であった。


犯罪者「あいつは俺が組長を殺した暴力団の幹部の一人だ。…よりにもよってこんなときに嗅ぎつけやがって」


ニート「おいおい、暴力団の組長を殺すなんて自殺行為だろ?」


犯罪者「まぁ、殺される覚悟はあったさ。だが…まさかこんなときにそのしっぺ返しが来るとはな…」


ニート「それで、どうするんだよ?」


犯罪者「どうするもこうするも…相手は手練れでしかも拳銃まで持ってやがる。少なくとも俺たち二人でどうにかなるような相手じゃねえ」


ニート「じゃあみんなに協力してもらって…」


犯罪者「それダメだ。いまは大事な交渉の最中だ。変に心配させるよりも、交渉に集中してもらいたい」


ニート「じゃあ、他に助けを…」


犯罪者「今日は日曜日だ。校舎にいる人間は少ない。それに素人に拳銃を持ったやつを相手にさせるわけにはいかないだろ。…ニート、お前もそろそろここを離れて交渉に戻れ。奴の狙いは俺だ。お前にまでこんなことに付き合わせるわけにはいかないだろ」


ニート「…なにが『こんなことだ』よ?仲間がピンチなのにそれを『こんなこと』扱いできるわけないだろ?」


犯罪者「いいから行け!こんなのは俺一人で十分だ!もっと大事なことが他にあるだろ!」


ニート「…オーケー、そこまで言うならわかったよ。そうだよな、他にもっと大事なことがあるもんな」


犯罪者「ああ、わかったらさっさと行け」


ニート「いや、そのもっと大事なことには犯罪者が行ってくれ。交渉を成功させることに関しては俺がいても仕方がねえ。だから俺じゃなくて犯罪者が行くべきだ」


犯罪者「…なに言ってんだ?」


ニート「あのヤクザの方は俺に任せろ。こんなことは俺一人で十分だからな」


そう言うとニートはその場から立ち上がり、アニキがいるであろう方向に走って行った。


犯罪者も行かせまいと立ち上がろうとするが、足が痛んでろくに立ち上がることが出来なかった。


犯罪者「あのバカ野郎…本当に一人で行きやがって…」









一方、教室では残ったメンバー達による交渉が始まっていた。


ボス「果たして、私はあと何回あなたと対面しなければいけないんでしょうかね、エンジェル」


ショタ「それは…そっちの答え次第かな」


ボス「よろしい、私もあまり時間がありませんし…早速本題に移りましょう。話はなんでしょうか?」


係長「田中さんが残したCBKSの研究ノートと引き換えに、イケメンの身の安全を保障してほしい」


ボス「田中さんの研究ノート?。見当たらないと思っていたら、あなた方が持っていたのですか」


ショタ「僕が施設から脱出するときについでに持って来たんだよ」


ボス「やれやれ、本当に煩わしい天使だこと…」


カグヤ「田中さん曰く、このノートにはCBKSの治療法が確立されているらしい」


ボス「…なに?すでにCBKSの研究は終わっていたのですか?」


アパレル「そうよ。でも、ノートの中の字が汚すぎて私達じゃ解読できないのよね…」


ボス「なるほど…つまり、あなた方はCBKSの治療法を私たちに渡す代わりに、テイラーDの身柄を保障して欲しいということですね?」


係長「そういうことだね」


イケメン「………」


ビッチ「あんな島でのデスゲームまでさせてまで欲しがった治療法だし、さすがにオッケーしてくれるでしょ?」


ボス「そうですね…たった一人の安全を保障するだけでその治療法が手に入るんですからね…交渉はうまく行くと考えるのが妥当でしょう」


係長「よかった…これでデスゲームが終わ…」


ボス「いえ、残念ながらそう簡単にはいかないんですよ」


腐女子「…は?」


ボス「結論から述べますと…交渉は決裂です」











ニート「よう、インテリヤクザくん」


アニキ「…おや?あなたは先ほど鬼塚ケイと一緒にいた…」


犯罪者を置いてきたニートはアニキと対面していた。


ニート「俺は萩山レンジ。栄光たるニートにしてニートの中のニートだ」


アニキ「…ニート?。まぁ、なんでも構いません。鬼塚ケイの場所に案内していただけませんか?」

冷えた笑顔を浮かべながらアニキはニートに銃口を向けた。


ニート「一応聞くけど、案内したらどうする気だ?」


アニキ「もうお分かりだと思いますが…もちろん、この手で撃ち殺す気ですよ?」


ニート「復讐のためか?…くだらねえな」


アニキ「ええ、蔑んでくれても構いませんよ。どうせ真っ当に生きてる人間にはわからない世界です」


ニート「残念ながら、俺も真っ当な人生を歩んでる人間じゃないんだよなぁ…。とにかく、復讐なんてしたって誰も得しないぞ?」


アニキ「ふふふ、果たしてそうでしょうか?」


ニート「どういうことだ?」


アニキ「私たちの世界では面子というもの大切なものです。舐められればヤクザなんてやってられません。私たちにとって面子は、時に命よりも重い存在です」


ニート「…よく分からないけど、それがどうした?」


アニキ「ヤクザの組長が殺されて他にも関わらず、その犯人は今ものんのんと生きてるという話を聞いたら、あなたはどう思いますか?」


ニート「ん…まぁ…ヤクザも大したことないなって思うわ」


アニキ「その通り。それでは面子も丸潰れです。先ほども言った通り、面子が無ければヤクザなんてやってられません。要するに組の存続のために、その犯人は必ず誰かが殺さなきゃいけません」


ニート「………」


アニキ「私は先代組長には大変お世話になった身でしてね…そんな先代組長が残した組を守るのは私なりの恩返しなのです。それこそが私の悲願なのです」


ニート「…つまり、組の面子のために鬼塚ケイは殺さなきゃいけないってことか…」


アニキ「ええ。例え私が捕まっても、殺されることになっても、この身を全て捧げてでも…これは成し遂げなければならない使命なのです」


ニート「………」


アニキ「鬼塚ケイを殺すことは先代組長の安らかな眠りのための最高の手向け…先代組長へ捧げる鎮魂歌なのです。鬼塚ケイを殺すことで、先代組長の葬式はようやく終わることが出来るのですよ」


ニート「………」


アニキ「さぁ、私の覚悟はこれで分かっていただけたでしょうか?。生半可な説得は私には通じません。体に風穴開けられたくないのでしたら…おとなしく案内していただけませんか?」


ニートの眉間に冷たい金筒が突きつけられる。おそらく、アニキにとってニートを殺すことなど躊躇いも、造作もなく出来ることである。後の人生にどう影響しようが、先代組長の復讐は成し遂げなければならないこと。なぜならば、それこそが組の…先代組長の面子を立てる唯一の方法なのだから…。


そんな殺意の込められた銃口を目の前にニートは静かに、そして茶化すように…


ニート「…小せえな」


嘲笑って見せた。


アニキ「…はい?」


ニート「小せえ…本当に小せえな。たった一人の男を殺すなんてことに全てを賭けるなんて…本当に小せえな。小せえ、小せえ、お前も…その先代組長も…」


アニキ「…なんだと?」


先代組長を馬鹿にされたことが琴線に触れたのか、アニキの冷ややかな笑顔に表情に曇りが見えた。


ニート「だから小せえって言ってんだよ!!。たった一人の男の命を奪うためなんかに全てを投げたお前も!!そんなことで満足させられる先代組長もな!!」


アニキ「貴様ごときが…組長を馬鹿にするんじゃねえよ」


ニート「勘違いするなよ!?。組長を馬鹿にしてるのは俺じゃねえ!!たった一人の男の命で組長の面子を立てられると思ってるお前自身だ!!」


アニキ「なんだと!?」


ニート「俺はその先代組長ってやつがどんなやつかは知らない!!。だがな、たった一人の男を殺すっていう程度で面子を立てられる程度のやつっていうのはお前を見ていれば分かるんだよ!!その程度の器の大きさだって、お前自身が証明してるんだよ!!鬼塚ケイを殺す程度のことを最高の手向けにしてしまってるお前自身が、その組長の偉大さを否定してるんだよ!!」


アニキ「ぐっ……」


ニートの言葉を否定できないアニキは歯を食いしばって黙っていた。


ニート「もし、お前が大切な人の面子を立てたいって言うんなら!!大切な人の想いに応えたいって思うなら!!一人の命なんて小さい花を手向けるんじゃねえよ!!。考えられる以上の最上の花を飾ってやれよ!!。…少なくとも、俺はそのつもりだぜ?」


アニキ「…一体、何をしようと言うんだ?」


ニート「もちろん、でっかい花を飾ってやるつもりだぜ?。この国…いや、世界中を巻き込むようなでっかいやつをな」


アニキ「貴様ごときに、そんなことができると言うのか?」


ニート「ニートに不可能なんてないんだぜ?」


アニキ「…それは…まるで根拠になってませんよ?」


ニート「根拠はこれから証明すればいい。もう一度聞くぜ、お前の本当の悲願ってやつはこんなちっぽけな道具一つで叶ってしまう程度のものなのか?」


アニキ「…確かに、これ一つで終わらせられるようなものではありませんね」


アニキは手に握りしめた拳銃を見つめながらそんなことを呟いた。


アニキ「あなたがどんな手向けをしようとしているかは分かりません。ですが、少しあなたのこれからに興味が湧いてきましたよ」


ニート「そりゃどうも…」


アニキ「ですが…あなたのこれからが、果たして私の悲願を達成する上で参考になり得るものなのか…それを今ここで証明していただきたい」


ニート「いいけど、どうやって?」


アニキ「私からも一つ、尋ねましょう。あなたの願いはこんなちっぽけな道具一つで終わってしまう程度のものですか?」


そう言って、アニキはニートに向けて再び銃口を向けた。


今にもその体を撃ち抜かんとする銀筒を前に、ニートは嘲笑ってこう言って見せた。


ニート「終わらせないさ…ニートだからな」


そして、辺りに一発の発砲音が鳴り響いた。











ボス「残念ながら、その要求を飲み込むことはできません」


腐女子「なんでよ!?」


ボス「理由は…あなたが一番分かっているでしょう?テイラーD」


イケメン「…組織の命令は絶対。例外はない」


ボス「そう、組織に例外は許されません。そして、裏で密接につながっている国が組織を裏切るなんてことはできないんですよ」


ビッチ「なんでよ!?一人くらいいいじゃない!!」


ボス「…残念ながら、そもそも私にはこれを決定する権限はありません。そして、それに権限がある上の連中は、絶対に首を縦に振りません。なぜならば彼らにとって組織は必要な存在ですからね」


腐女子「なるほどなるほど、つまりあんたらは自分の身の可愛さに人を見捨てるクソ野郎ってことでいいのね?」


ボス「そういう解釈をするのも無理はありませんね」


腐女子「ふざけんな!!そんなやつに人の上に立つ資格なんてあるもんか!!」


ボス「人の上に立つものだからこそ、簡単に犠牲になるわけにはいかないんですよ」


腐女子「だからって馬鹿げてる!!自分のためにCBKSで蝕まれる世界を見捨てようだなんて…」


ボス「おや?なにか勘違いをしておりませんか?。人一人のためにCBKSの治療法を我々から奪い去ったのはあなた方ではございませんか?。そんなあなた達にとやかく言う資格などあるのですか?」


腐女子「ぐっ…」


ボス「それに、私達はCBKSで苦しむ人々を見捨てたわけではございません」


係長「どういうことだい?」


ボス「簡単な話です。CBKSの治療法が奪われたのなら、取り戻せばいい。我々にはその力も、権力もあります」


アパレル「力で無理やり奪うってこと?」


ボス「人聞きが悪いですね。元々我々のものだった物を取り戻すだけです。これから組織に依頼をして、精鋭を兎歩町に派遣し、治療法を取り戻し、裏切り者を抹殺する。そしてそれはなんの造作もなく行われます。…今からでもCBKSの感染者を殺せば、抹殺は免れるかもしれませんよ?テイラーD」


イケメン「………」


ボス「死にたくはないでしょう?」


イケメン「もちろん、死にたくはない。…だけど、そのために誰かを犠牲にしたくはない」


ボス「それではただのワガママですよ?。あなたを産んでくれた母親のためにも、あなたは生きたいでしょう?」


イケメン「………」


ボス「CBKSの感染者を殺し、治療法を我々には返して貰えば、私から組織には口添えをしましょう」


イケメン「………」


ボス「組織に狙われたらもう逃れられない…それはあなたが一番分かっていることでしょう?」


ビッチ「イケメンさん…」


アパレル「耳を貸しちゃダメよ」


イケメン「………」


ボス「他の皆さんも、変に巻き込まれる前に治療法を我々に返していただけませんか?その気になれば窃盗罪で全員捕まえることも可能なのですよ?」


係長「………」


ボス「どちらにせよ、いずれは兎歩町の封鎖も終わります。そうなった時に、あなた方に待っている未来を考えた上で、最善の行動をしていただきたい」


腐女子「………」


係長「………」


ビッチ「………」


アパレル「………」


カグヤ「………」


やっぱり、この国に刃向かおうだなんて愚かな考えだったのだ。


このデスゲームはいずれ終わる。そうなった時に今の選択次第でこれから長く続く人生を大きく左右する。


仲間を守りたい想いはある。だけど、自分のこれからの人生との天秤にかけた時…その迷いを拭うことはできず、誰もなにも言えなくなったのだ。…まるで、誰かが『こんな馬鹿げたことはもうやめよう』と言い出すのを待っているかのように。なぜならそれが一番無難で、もっとも賢い生き方なのだから…。


そんな楽な生き方を投げ出してまで…抗おうとするバカな奴などこの中にはいない…。





ニート「終わらせないさ、絶対に」


ただ一人の男を除いて…。


カグヤ「レンジ…?」


その声と同時にテレビの画面にはどこかの教室の机に肘をかけて椅子に腰掛けているニートの顔が映り込んだ。


ニート「…なーにしけた顔してるんだ?みんな」


直前まで走っていたのか、ニートの顔面は汗だくで、息も荒かった。


ニート「…迷うことなんかねえよ。みんな…仲間を守りたいんだろ?」


係長「そりゃあ守りたいさ。だけど…一体どうやって…」


ニート「…簡単な…話さ。新たに…殺し屋がここに来るって言うんなら…また懐柔すればいい。…それでもまた…新たに来るなら…また懐柔すればいい。全員まとめて…養わせてやればいい…。その組織とやらに…殺し屋がいなくなるまでな…」


ボス「本気で言っているのなら、笑い者だぞ?萩山レンジ」


ニート「安心しろよ…笑い者なら慣れっこだ。…だが、余裕ぶっこいてられるのも…今のうちだぜ?。…覚悟しろ…スネをかじって…骨の髄まで…しゃぶり尽くしてやるよ」


追い詰められたこの状況でニートはニヤリと笑って見せた。


ボス「…はっはっはっは、そんなことができると思っているのか?」


ニート「うるせえ!!…俺を誰だと思ってやがる!?俺はニートだ!!養われるしか能のないニートだ!!だがな…養われることに関しては、誰にも負ける気はしねえ!!相手が誰であろうが、俺に養わせられないものは無い!!」


ボス「無駄なあがきはよせ。権力の前に、人は無力だ」


ニート「だからどうした!?ニートをお前の常識に当てはめるんじゃねえよ!?。力も暴力も権力も!俺の茶番でねじ伏せる!!。ヤクザも国も殺し屋も!ニートの前にひれ伏せ!!。…いいから黙って全力でかかってこい…お前の全てを、茶化してやるよ」


絶大なる力を前にニートは臆せず吠えた。


ただの悪あがき、負け惜しみのつよがり…普通ならそうにしか見えないはずなのに、その目に宿る確かな光と、今までの功績がニートの言葉に確かな説得力をもたせたのだ。


そんな彼の勇姿が皆の心に勇気の火を灯したのか、先程までのお通夜のような顔は消え去り、しっかりと前を見ていた。


ショタ「さすがニートのお兄ちゃん、諦めるにはまだ早いよね」


カグヤ「…うん、レンジならきっとやってくれる!」


アパレル「やっぱり、仲間は見捨てられないわね」


ビッチ「この私がイケメンさんを見捨てるわけないじゃん!!」


係長「はぁ…もう真っ当には生きられないなぁ。まぁ、どうせもう失うものも無いしね」


イケメン「僕も…君を信じよう、ニート」


腐女子「まぁ、乗せられてやろうじゃない、ニート」


ニートの勇姿に勇気を分けてもらったみんなの目に再び輝きが戻ったのがボスにも見て取れた。


ボス「…言っておきますが、敵は殺し屋だけではありませんよ。町に住む人も同じように懐柔させなければ、犠牲は出てしまいますよ?」


ニート「安心しろよ…それは…俺に考えがある…」


ボス「ふふふ…はっはっはっは!!正直、君のことはクズと侮っていたよ!。だが、君は違った。人の心を動かし、火を灯す確かな光であったのだな」


ニート「…覚えとけ。クズはクズでも…星屑なら…輝けるんだよ。…まぁ、燃え尽きちまうんだけどな…」


ボス「ふふ、君のこれからに期待させてもらおう、萩谷レンジ。…いや、敬意と栄誉の意を込めて、あえてこう呼ばせてもらおう…ニート」


そして、ボスとの通信は途絶えてしまった。


テレビの画面は真っ暗になってしまったが、カグヤ達の目には希望の光が宿っていた。


『ニートがいれば…』『ニートなら…』


ニートへの期待が、彼らを再び輝かせたのである。


だが、そんな余韻に浸っている彼らの元に…一人の男が現れた。


犯罪者「ニートは!?ニートはいるか!?」


足を引きずり、血を流しながらニートの安否を犯罪者はカグヤ達に尋ねてきた。


アパレル「どうしたの!?その足」


犯罪者「俺のことはいい!!ニートのやつはどこにいる!?」


腐女子「ニートなら…多分他の教室にいるけど…」


犯罪者「どこの教室だ!?」


カグヤ「多分、背景的に上の階の教室だと思うけど…」


犯罪者「すぐに迎えに行ってやってくれ!!もしかしたら…あの野郎…」


カグヤ「まさか…」


犯罪者の言葉と、先ほどから聞こえてきた発砲音からある一つの結論に達したカグヤはいち早く教室を抜け出し、ニートがいるであろう教室へと駆け出した。


カグヤ「レンジ!!」


教室の扉を開けたカグヤの目に飛び込んできたのは、ぐったりと机に向かって倒れるニートの姿そして…床を埋め尽くすようなおびただしい量の血。


カグヤ「レンジ…レンジィィィィ!!!!!」


だが、静かな校舎にこだまするカグヤの大きな叫び声が、ニートに届くことはなかった。

多分あと3話で終わりですね。

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