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つまり末永く養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
学園じゃないラブコメ編
47/57

せっかくなのでみんなでバーベキューでもどうですか?

前回のあらすじ


人生ゲームをやった。

兎歩町はショタ達が訪れてから最初の夜を迎えた。


寄生先の汐入家にいきなり大人数で押しかけたことで汐入家もそれを室内に迎える準備があまりできなかったため、今夜は庭でバーベキューを囲むこととなった。


ニート「それでは汐入家を代表して、私ニートこと萩山レンジが乾杯の音頭をとらせていただきます!!」


各々飲み物が注がれた紙コップを片手に輪になって集まっていたところをニートが乾杯の音頭を取った。


ニート「えーと…こ、この度は私の招集によってわざわざこんな辺境の地まで訪れていただき、感謝の言葉もございません。つきましては…」


しかし、乾杯の音頭など慣れていないのか、ニートの言葉はしどろもどろであった。


腐女子「慣れてないならなぜ率先して乾杯の音頭を取ろうとした?…っていうか、なんでお前が汐入家代表を名乗ってるんだよ?」


ニート「いや、やっぱりこういう場は俺がいないと始まらないだろうし…」


犯罪者「やるならやるで早く乾杯してくれよ。こっちは久しぶりの酒を目の前にうずうずしてるんだ」


ニート「おう、悪い悪い。で、つきましては…この世界には三つの大切な木がありましてね…勇気、元気、ヤンキー…あれ?なんか違うな?」


カグヤ「校長先生のお話かな?」


ニート「えっと…人生には大切な三つの袋がありまして…まず給料袋、次に堪忍袋、そして最後にレジ袋…ん?これも違うな」


ビッチ「最後のはお袋な」


アパレル「あと、それは結婚式のスピーチのやつね」


ニート「っていうか、給料袋って古くない?。今の時代に現金払いなんてする会社はほとんどないでしょ。他の袋に変えたほうが良いんじゃないかな?」


係長「それ、いまここで聞かなきゃダメ?」


ニート「いや、やっぱりもう10年もすれば給料袋なんて言葉に馴染みが無くなると思うんだよね。そうなるとこの袋の話をした時にみんなしっくり来ないし…」


ショタ「みんなカンパーイ!!」


一同「カンパーイ!!!!!」


ニート「………」


こうして、ショタの乾杯により宴は幕を開けた。











ニート「肉!肉をくれ!」


アパレル「ダメよ。さっきからお肉しか食べてないじゃない、野菜も食べなきゃ」


ニート「そこをなんとか!頼むよ!オカン!」


アパレル「ダメ、好き嫌いしないでちゃんと食べなさい」


ニート「ダメなんだよ、俺は肉しか食えないんだよ。思春期の男子に肉以外を食わせたら体調が悪くなるだろ?」


腐女子「その思春期男子特有の超理論はなんだ?」


アパレル「っていうか、その割には島で肉なんてほとんど食べる機会なかったじゃない」


ニート「そうなんだよ。俺が島で昼過ぎまで寝てたのは肉が食べられないことによる体調不良から来たもので…」


カグヤ「じゃあ、お肉食べたら早起きするんだね」


ニート「いや、思春期の男子は最低でも12時間は睡眠とらなきゃ体調が悪くなるから…」


腐女子「己の怠惰を成長期のせいにするんじゃねえよ」


由紀「すみません、私までご馳走になっちゃって…」


腐女子の母「いいのよ、別に今更一人や二人増えたって変わらないわ」


ビッチ「イケメンさーん!!わたしぃ、イケメンさんのためにぃ、お肉を…(以下省略)」


イケメン「あ、ありがとう。でも自分で取ってくるからいいよ」


係長「でさ…島から帰った後は記憶も職も無くなっててさ…」


犯罪者「おうおう、そりゃあ災難だったな」


腐女子の父「いまは酒を飲んで流しましょう」


酒を片手に盛り上がるおっさん3人。


ショタ「…久しぶりだね、こうやってみんなでご飯食べるのって」


ニート「そうだな」


カグヤ「島にいた時はいつも外で食べてたし、毎日がバーベキューみたいな感じだったよね」


イケメン「懐かしいね」


カグヤ「んー、なんか島でのことを思い出してたら自分で釣った魚が食べたくなって来た」


係長「おいしかったよね、新鮮な魚は」


アパレル「花火もしたわよね、みんなで」


ビッチ「浴衣着てね」


犯罪者「いい夏の思い出だったな」


カグヤ「思い出したら花火もしたくなってきた!いまから出来ないかな!?」


ニート「べ、別に焦る必要ないだろ。ら、来年になればまたみんなでできるさ」


アパレル「なんでニートが焦ってるの?」


犯罪者「多分あれだろ、どさくさに紛れて告白したのを思い出したんだろ」


ニート「はあ!?告白!?な、ななななな何言ってんだよ!?」


係長「そういえば、そんなのもあったね」


ビッチ「告白って?誰が誰に?」


犯罪者「ニートがカグヤに…」


ニート「フゥォォオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッハァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」


カグヤ「え!?いきなり奇声をあげてどうしたの!?」


腐女子「気にするな。思春期男子特有の超理論ってやつだよ」


イケメン「青春がそうさせたんだね」


ニート「まあまあまあまあまあまあ!!!!!!花火はまた今度やるってことで!!!」


係長「別にいまからやっても良くないかい?」


犯罪者「また告白もできるしな」


ニート「また今度ってことで!!!!!!!」


犯罪者「ふぅ、仕方ない。また今度にしてやるか」


ショタ「うん、また今度…絶対にみんなでやろうね」


再び、一同はあの時の約束を胸に刻んだ。


それは空で田中が瞬く星の夜の出来事であったとさ。










バーベキューもひと段落し、宴も落ち着きを見せ始めた頃…。


ショタ「ところで…ニートのお兄ちゃんはいいの?」


ニート「なにがだ?」


ショタ「この町で養ってもらうって言ってたけど、このまま政府との交渉が上手くいったら、それも出来なくなるよ?」


ニート「別にいいだろ。交渉が上手くいって、楽に終われたなら万々歳だろ、養わせるのも楽じゃないしな」


ショタ「ニートのお兄ちゃんは楽したいんだね」


ニート「そりゃあそうだろ。人間なら誰だって楽したいだろ。古代から人間は楽するために進化してきたんだぞ」


ショタ「でも、養われるのは楽じゃないんじゃないの?」


ニート「まぁな。本当にニートが楽なら、みんな率先してニートになるだろ。でも現実はそうもいかない。ニートっていうのは一見楽なように見えても、先も保証も職もない一番お先真っ暗な茨の道だ」


ショタ「もし今度の交渉が上手くいかなかったら、この町の人をそのニートっていうものにしなきゃいけないんでしょ?」


ニート「そうなんだよね。我ながら難儀な話だ」


カグヤ「そんなこと、できるのかな…」


腐女子「なんか作戦でもあるの?。この町の人を納得させられるような作戦が…」


ショタとニートが話していると、カグヤと腐女子がそこに近づいて来た。


ニート「…ふっ、俺を誰だと思ってる?。俺はそんじょそこらのニートとは違うんだぜ?。小さい頃からニートを極めてきた究極の穀潰し、アルティメットニートだぜ?。もちろん作戦は考えてあるさ」


腐女子「どんな作戦よ?」


ニート「今は秘密だ。ここぞというときにバーンと披露してみんなを驚かせたいからな」


腐女子「勿体振るなよな」


カグヤ「でもレンジのことだから、きっとすごい作戦があるんだろうね」


腐女子「まぁ、そういうことにしといてやるよ」


ニート「おう、期待しとけ」


カグヤ「そうだ。イケメンさんを呼んできてくれないかな?片付けを手伝って欲しいんだ」


腐女子「それならニートに片付けを頼んだ方が早いのでは?」


カグヤ「レンジはやってくれなさそうだし。それにイケメンさんに頼んだ方が早いよ」


腐女子「それもそうだ」


ニート「誠に遺憾である」


そう言って腐女子とカグヤは片付けのためにどこかに行ってしまった。


そんな二人の背中を見つめながらニートは誰にも聞こえないようにぼそりと呟いた。


ニート「…大丈夫、作戦はあるんだ…きっと」


ショタ「………」










ニート「お、いたいた。イケメン」


イケメン「どうしたんだい?ニート」


ニート「ちょっとイケメンを呼んで来てって言われて来たんだが…そういうイケメンこそ一人でなにやってるんだ?」


イケメン「少し…考え事をね」


ニート「考え事?」


イケメン「今度の政府との交渉、ニートは成功すると思っているかい?」


ニート「さあな。成功して欲しいとは思っているけどね」


イケメン「僕はやはり難しいと思うんだ。前にも言ったが、組織の中から例外を出すわけにはいかないんだ。だから政府は受け入れるわけにはいかない」


ニート「安心しろよ。交渉が決裂したら、今度は骨の髄まで養わせるだけだからさ」


イケメン「…ふっ、心強いね。だけど、僕一人のために…」


ニート「勘違いするなよ?。養わせるのは俺自身のためにやるんだぜ?別にお前のためだけじゃない。むしろイケメンには感謝してるぜ。イケメンのおかげで『誰かを守るもらうため』っていう大義名分の上で養わせることが出来るんだから、カッコつけられる」


イケメン「そのために町を巻き込むのもな…」


ニート「気負うことは無いさ。町の人達も納得させてみせてやる。そのための作戦も考えてある。俺も町の人達も養ってもらえて嬉しい、お前も死ななくて済んで嬉しい。…完全にWinWinだろ?」


イケメン「ははは…さすがニートだね。…でも、ありがとう、君には救われた」


ニート「礼を言うのはまだ早いさ」


ビッチ「イケメンさーん!!喉乾いていませんかぁ?お飲み物は入りますかぁ?」


ビッチが遠くから駆け寄って来る声が聞こえてきた。


イケメン「ありがとう。それじゃあ、お言葉に甘えて水を貰おうかな?」


ビッチ「はーい!すぐ持ってきまーす!」


ニート「あ、俺にもちょうだい」


ビッチ「お前は泥水でもすすってろ」


そう言い残してビッチは去っていった。


ニート「…ところで、ビッチに自分の性別の話とかしないの?」


イケメン「うーん…言うのが吉か…黙るのが吉か…まだ分からないんだ」


ニート「ま、まぁ…とりあえず放置でいいか…」


こうして、兎歩町の長い夜は更けていったとさ…。


Q&Aのコーナー


Q そういえば、タケシはどうしてたんですか?


A あ、完全に忘れてた。

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