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つまり末永く養ってくれるってことですか?  作者: なおほゆよ
学園じゃないラブコメ編
39/57

怠惰を求め、修羅への道を歩む者

前回のあらすじ


見上げてごらん。


ほら、空で田中が光ってるよ。





人物紹介


ニート クズにどクズを足して2かけたクズニート。


カグヤ ニートの右手をナイフでブッ刺しておきながらそのことについて一言も詫びを入れてないクズ。…まぁ、良いタイミングが無いから致し方無い。


犯罪者 続編の初期から登場しているくせにイマイチ活躍できていないクズ。…でも影で色々頑張ってくれてるから致し方無い。


スミレ こいつ一人を守るために町どころか世界を巻き込んで騒動を起こすことになったクズ。…本当はもっとこいつの過去の話とか書いておきたいんだけど…テンポが悪くなるし、大して面白くも無いから致し方無い。


田中 空でいつだって僕たちを見守ってくれている星クズ。



ショタ「それじゃあ、僕はこれから由紀さんを救出した後、ここから脱出して、アパレルのお姉ちゃんとピッチのお姉ちゃんと係長のおじさんと一緒に兎歩町を目指すよ」


田中さんの記憶を消したショタは携帯越しにニートにそう告げた。


ニート「おう。でも兎歩町は封鎖されてるけど、本当に大丈夫なのか?」


ショタ「うん、僕に考えがあるからさ。それよりお兄ちゃんはどうやって養ってもらうか考えておいて」


ニート「オーケー。任せろ、養われるのは得意だ」


ショタ「うん、知ってるよ」


過去の二度のデスゲームに渡って、長年養われて来たニートの言葉には謎の説得力があった。


そんな感じに二人が話していると、実験サンプルであるショタが逃げ出したことがばれたのか、ショタがいる施設は警戒を強め、全体的に騒がしくなっていた。


ニート「なんか騒がしくなってるけど、大丈夫か?」


ショタが握る携帯からニートの心配そうな声が聞こえてきた。


ショタ「うん、大丈夫だよ。お兄ちゃんが養われるのが得意なように…僕もかくれんぼは得意だからさ」


ニート「…それもそうだな。それじゃあ、後で合流ってことで」


ショタ「うん、了解」


かつては島で何年も共に過ごし、そして同じ意志を受け継いだ者同士の信頼があるのだろうか、多くを語らずとも二人の気持ちは通じていた。


ショタ「さてと…」


ニートとの通話を終えたショタは気持ちを切り替えると、一人でこんなことを呟いた。


ショタ「楽しい楽しい茶番にしちゃおうか、お母さん」


こうして、もう一人の星屑の物語が幕を開けた。







腐女子「で、そろそろ私のこと解いてくれないかな?」


未だに椅子に縛られたままの腐女子が不満そうな顔でそう言った。


ニート「おう、すまん、忘れてた」


腐女子は解放されると、長時間座っていたのがきつかったのか、体を伸ばしてリラックスをした。


腐女子「あぁ…きつかった」


ニート「悪いな、カグヤの影武者役までさせて…」


腐女子「まぁ、いいよ。私にはカグヤを守る義務があるからね…でも…」


腐女子は座り込んだままのイケメンことスミレを一瞥し、こんな言葉を述べた。


腐女子「私には、この人を守る義務は無い」


ニート「おいおい、いくら半日くらい監禁されていたからといって…」


腐女子「勘違いしないで、別に監禁されてたことを恨んでいるわけじゃないよ。ただ、あんた達がこの人を守るために、この町を丸ごと巻き込んでデスゲームを続けようとしてることに文句を言ってるの」


ニート「どういうことだよ?」


腐女子「私はこれでもこの町で生まれ育った身だから、この町のことは大好きだ。そしてそれを守るためなら戦う。でも、あんたたちがしようとしていることはこの町に害を及ぼす。言ってみれば、あんたたちはこの町の敵だって言いたいってこと」


犯罪者「言ってることはもっともだな」


腐女子「いくら誰かを守るためだって言っても、この町には私の家族もいる、友達もいる。だから…あんたたちがやろうとしていることを黙って見過ごすわけにはいかない」


ハッキリとした敵意のある目つきでニートを睨みつける腐女子。


確かに、腐女子がニート達に文句を言うのももっともだ。


元々この町で住んでいた腐女子にとって、ニート達が行おうとしていることは町の存亡に関わる由々しき事態。そんな事態を黙って見過ごせるほと腐女子は甘くは…。


ニート「でも養ってもらえるってなったら、働かなくていいから、ずっとBL同人誌を書いていられるぞ?」


腐女子「だったら協力するに決まってるでしょ!?私たち仲間じゃない!水臭いなぁ!もう!!」


BL同人誌に釣られて一瞬で手のひらを返す腐女子。


犯罪者「チョロいな」


カグヤ「チョロいね」


腐女子「仲間を守るためだもの!私だって戦うよ!!」


スミレ「清々しいほどの掌返し…」


ニート「正直、腐女子のそういうところ好きだ」


こうして、腐女子はBL同人誌のために生まれ育った町を悪魔に売り渡したのであった。


腐女子「だけど、この町のみんなが私みたいにチョロインってわけじゃないよ?。絶対に反対派の人だっているだろうし、その人達をどうするのさ?」


犯罪者「それもそうだな。みんながみんな養われることに賛成ってわけじゃないだろうし…」


カグヤ「そういう人たちに何とか納得してもらわないと、この前の文化祭みたいにこの町から無理やり抜け出そうとする人もいるだろうし…」


ニート「何言ってんだ?。せっかく養ってもらえるっていうのに、それをわざわざ無下にするような奴なんかいるわけないだろ?」


スミレ「みんながみんなニートじゃないんだから、そんな楽観的な考えに至らないでしょ」


ニート「だったら、この町の奴らを全員ニートにすればいい」


犯罪者「は?」


腐女子「こいつは…また突拍子も無い発想を…」


ニート「お前らは分かってないなぁ。所詮この世は養われたもん勝ちなんだぜ?」


犯罪者「養われたもん勝ちって…」


カグヤ「ははは…もうレンジは私たちの理解の範疇を超えてるね。あ、ちなみにこれは良い意味でだよ」


呆れながらも不思議とニートの言っていることが不可能なことだとは思えないカグヤ達。


得意げに語るニートの表情、堂々と自信たっぷりの態度、そしてこれまでのニートの出して来た結果が、ニートの言っていることに説得力を持たせているのだ。


腐女子「でも…ニートの言う通りかもね。それぐらいしか方法無いもんね」


犯罪者「はぁ…なんて下らない作戦なんだか…」


カグヤ「下らないも行くとこまで行けば一周回ってサイコーに変わるんじゃ無いかな?」


スミレ「方法なんていくつもあるものじゃ無いものね…覚悟を決めないと…」


悪態を付きながらも渋々ニートの言っていることに一同ら賛同の意思を示した。


ニート「よぅし、それじゃあ一丁やってやりますか、ニートによるニートのためのニートの町づくりってやつを!!」


こうして、ニートを町中に感染させる戦いが始まったのだ。


果たして、パンデミックを起こすのはCBKSか?それともニートか?。


どちらにせよ、兎歩町に住む人が気の毒なことには変わり無い。









一方、逃げ出したショタを探して警備が厳しくなっていたビルの地下で、包囲網を次々と軽々くぐり抜けたショタはある一室に辿り着いた。


その部屋の中にはベットに拘束された一人の女性が『助けて』という言葉を繰り返していた。


それを見かけたショタは何の迷いもなく、彼女の拘束を解いた。


ショタ「こんにちは、あなたが由紀お姉ちゃんですか?」


由紀「…ええ、そうだけど…。君は一体?」


ここにいるのが場違いなほど、小さな子供であるショタを見た彼女は『なぜこんな子供がここにいるのか?』と思い、不思議そうにその子供を見ていた。


ショタ「初めまして、僕の名前は天城ショウタ。それじゃあ、早速行こうよ」


由紀「え?行くって…どこに?」


ショタ「えっと…とっても愉快なディストピア、かな?」


ショタはそうしてにっこり笑って見せた。

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