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異界の帝国  作者: 赤木
63/69

第五十四話

 5月11日 4時05分

 バリエラ南東沖520km




 夜明け前の静かな海上をゆっくりと航行する艦影。共和国海軍巡洋艦レスターは、マーティン元帥の密命を受け、ニホン海軍に直接交渉を申し込むべく突き進んではいたが、頼みのニホン艦隊の消息は未だ掴めずにいた。そしてレーダー画面には高速でこちらを猛追する謎の船……

「後方より接近する船の詳細は不明、通信を試みるも応答なし!」


 レーダー画面を凝視する士官の言葉を聞いたメイヤー大尉は、背中に嫌な汗が流れるのを感じる。発見は1時間前。突如としてレーダーに捉えられた謎の船との差が目に見えて詰まっていることは、誰が見ても明らかであった。

 マーティン元帥が送り込んだのか? そんな考えも頭に浮かんだが、それなら通信装置を使えば事足りるはずだ。

「危険な香りがするな。味方ではない……」


「不明船との距離、40を切りました! さらに接近中」


 士官の声がメイヤーの思考を中断させる。レスターは近代化改装によって、その対空、対水上探知能力を大きく向上させたが、今はその高性能が逆に不安を煽っているように感じられた。謎の船の姿形をこの目でしっかりと確認したい……それが唯一、この不安を払拭する手であるように思える。


「メイヤー大尉、どう思う?」

 近くで様子を見守っていたレッゲルス大将がメイヤーに問い掛けた。


「難しいですね。現時点で敵か味方かを判断することはできません。そして、ニホンの軍艦でもない」


「断言できるのか?」


「いえ、不明船の詳細が確認できるまでは何とも言えません」


「このままではいずれ追い付かれる。もし我々に仇なす主戦論派の船だった場合どうする?」


「それは……艦長や副長の判断に委ねられています。相手が明確なる敵意をもってやって来た場合は、味方であろうが躊躇なく沈める覚悟をしているはずです」

 メイヤーは、艦長席に座り沈黙を守ったままの艦長を見やった。現在に至るまで艦の指揮を執っているのは副長で、艦長はといえば今のところ指揮に関して干渉はしていないように見える。

「速力を上げて逃げることもできるでしょう。しかし、あくまでもこちらのペースは崩さないつもりですな」


「レーダーに新たな反応! 本艦の西方、距離95」

 その声を聞いた者は一斉に振り向き、艦橋内は一時的な静寂に包まれた。メイヤーはレーダー担当士官の背後からレーダー画面を覗く。じっとしていた艦長も一瞬こちらに視線を向けた気がする……


「新たな船の出現。敵か味方か」

 メイヤーがそう呟いた瞬間、艦内電話のベルがけたたましく鳴り響いた。

「なんだ!?」


『だ、誰か通信室に来てください!』

 受話器越しに聞こえてきたのは、通信室に詰めていた通信兵の声だ。


「重要な通信か!? ニホン軍か!?」

 メイヤーは受話器に向かって叫ぶ。

「艦長、いかがしますか?」

 受話器を置いた彼は、この艦の最高責任者に指示を仰いだ。


「メイヤー大尉、君が行ってこい」


「え?」

 数時間ぶりに聞いた艦長の言葉。それに対して少々驚いてしまうメイヤーがいた。


「行ってこいと言ってるんだ。ニホンのことに詳しいのは君だけだ」


「では!」

 漸く艦長の真意に気付いた彼は、敬礼をすると艦橋から出ていく。

 レスターは改装工事に伴って煙突を一本化、そのスペースに巨大な箱でも乗せたように見える通信室があった。その通信能力は新鋭のセレス級巡洋艦に匹敵するか、それ以上だと言われている。


「こちらです。どうぞ中へ」

 通信兵に促され、中に足を踏み入れるメイヤー。決して広いとは言えない室内に10人程の通信兵が各々の仕事をしている。狭い艦橋にこんなスペースを設けることは難しかっただろう。メイヤーはそんなことを考えながら歩みを進めた。

「ニホン軍からの通信と思われますが、一度大尉自身で確認を……」


「分かった」

 メイヤーは椅子に座ると、台の上に置かれていたヘッドホンを耳に近付ける。

「何も聞こえんじゃないか」


「それが、一定の間隔を置いて同じ通信が繰り返し送られてくるんです」


「そうか」

 メイヤーは少し待つことにした。それは唐突に彼の耳に聞こえ始める……次の瞬間にはそれが明確な意味を持ったモールス信号となって彼の聴覚を刺激する。

「これは!?」


「かつて聞いたことのない、並外れた出力の通信です」

 近くに立っていた通信兵が言った。


「ワレ テイコク海軍軍艦キイ 貴艦の所属を明らかにし停船せよ……ニホン海軍の通信に違いない!」


「どうすれば」


「軍艦キイに打電。我、共和国海軍巡洋艦レスター、臨時政府の命令により行動中。急げ!」


「大尉! 後方より接近中の不明船との距離30!」


「さっきより詰まってる!?」

 メイヤーは通信室内に設置されたレーダー画面を凝視する。後方からレスターを追尾する輝点は、先程よりも明らかに近付いていた。

「後方の不明船、正体はまだ分からんのか?」


「それが……通信を試みているのですが、未だに」


「分からんのだな。仕方ない、そのまま不明船への呼び出しを続けろ。俺は艦長に報告してくる」

 メイヤーはそう言うと通信室から出ていく。




 5時10分

 バルアス共和国

 ブレミアノ郊外



「起きろ! 早く起きないか!」


 耳元で声が聞こえる……フレル・マイヤーは、ハッとなって起き上がった。

「ジェイス軍曹! 何事ですか!?」


「馬鹿、静かにしろ。ニホン軍の総攻撃が始まった。俺達は今からリョセフ参謀の所へ戻る」


「総攻撃?」


「奴ら恐ろしいくらい静かに動き出した。危うく見逃すところだったよ。とにかく急ごう」

 彼らはゆっくりと即席塹壕から這い出ると、低い姿勢で足早にその場を立ち去る。

「レオン、頭下げろ!」


「はい!」


「死にたくなければ頭を上げるな」

 ジェイス軍曹はレオンを一瞥した後、再び歩き始めた。

「ここは……!」



「バルアス人だ! 早く来い!」

 彼らからそう遠くない位置に突然現れたニホン兵の一団。その背後には戦車すら確認できる。


「こっちはダメだ! 走れ!」

 ジェイス軍曹が叫んだ……


「逃げたぞ!」

 声のした方を見ると、銃を持ったニホン兵がこちらを追いかけてくるのが見えた。そしてその銃の先に鈍い輝きを見せる銃剣を認め、フレルは息を飲んだ。


「フレル急げ!」

 ジェイス軍曹はフレルの襟首を掴み、思い切り引っ張った。すぐ近くでキャタピラが土の地面を突き進む音が聞こえる。

「グズグズするな!」


 ーーダダダダダンーー

 突如響き渡った銃声、それと同時に伍長が地面に倒れ伏し、そのままピクリとも動かなくなった。

「伍長!」


「もう助からん! 俺達だけで逃げる」


「はい……」

 一瞬躊躇したフレルは、ジェイス軍曹の言葉を聞き再び走り出す。

「この調子じゃ味方陣地はもうやられてるかもな」

 ジェイス軍曹は走りながら呟く。その間にも銃声は鳴り響き、走る彼らの横を銃弾が音をたてて通過する。


「逃げ切れますかね!?」


「フレル、とにかく走れ! この場から一刻も早く脱出するぞ!」


「おいおい……戦車が追いかけてきやがる!」

 振り返ると巨大な戦車が唸りを上げて加速し、こちらを追い込もうとしていた。トーレス戦車を上回る巨体と長大な砲身、それにも関わらず信じられない機動性。

「化け物かよ!」

 多少の起伏なら簡単に乗り越え、木々を薙ぎ倒しながら突き進む敵戦車を、フレルは恐怖の眼差しで見つめる。


「味方陣地だ!」

 ジェイス軍曹は前方に見えた鉄条網を見て歓喜の声を上げた。


「お前ら伏せろ!」

 前方の味方陣地では対戦車砲がその砲身をニホン戦車に向けて待機している。それを見たジェイス軍曹らは急いで地面に伏せた……

「撃て!」

 ーードンッ!ーー

 砲弾がニホン戦車に向けて撃たれ、フレルは無意識にニホン戦車に目を向ける。砲弾は見事にニホン戦車の砲塔正面に命中し、次の瞬間には炸裂して撃破したように見えた。

「やったか!?」

 爆煙が晴れて、ニホン戦車の姿が明らかになる。しかしそれは破壊されるどころか、全く致命傷を受けてはいない。

「逃げろー! 撤退!」

 歯が立たないと判断した対戦車部隊の隊長が絶叫した。


「やっぱ化け物だ!」

 フレルは予想以上に頑丈なニホン戦車に驚愕する。


「俺達も早く逃げるぞ!」

 彼らは司令部のある場所まで走り続けた。ニホン軍の一部隊はといえば、先程の対戦車砲陣地をあっという間に包囲し、そこで追尾を止めたようだ。


「危なかったな」

 司令部に辿り着いたジェイス軍曹は地面に座り込んだまま言った。野戦服は泥と汗で汚れていたが、それを不快に感じる余裕は既に失われているようだ。


「かなり、危ない目に遭ったようだな」


「参謀殿!」


「ここもそう長くはもたない……死傷者も数えきれん」

 リョセフは俯きながらブツブツと何かを呟いている。


「参謀殿、もう撤退しか道はありません。この戦力差を覆すことは不可能です」


「撤退? 最早遅いんだ。ここで最後の一兵まで戦い、ニホン軍に我々の意地を見せつける。そうですな、ネイド中将」

 リョセフは笑顔だった……それが常人の笑顔ではないことくらいフレルでも分かるくらいに、狂気に満ちている。


「その通りだよリョセフ参謀。君達も覚悟を決めたまえ」

 第26師団長のネイド中将すらリョセフの狂気に呑み込まれてしまったのか、その顔は笑っていた。


「ジェイス軍曹……」


「あぁ、まともじゃない」

 ジェイス軍曹が険しい表情でフレルとレオンを見つめる。

「本当に全員死んじまうぞ」

 その声には困惑と焦りとが入り交じっていた。

「今は従うしかあるまい。まるで何かに取り憑かれてしまったような雰囲気だ」

 リョセフとネイドの二人を交互に見ながら言うジェイス。


「何があったんでしょうか」


「さぁな。リョセフ参謀は陸軍内でも評判は良かったんだ。それがあんな風に変わってしまうってことは、そうさせる何かがあるんじゃないのか?」


「軍曹、報告を聞こうか」

 振り向くとリョセフが副官のノリス中佐を伴って近くまで来ていた。


「それはもう……伍長は戦死し、逃げる途中で戦車に追いかけ回されて大変でしたよ」


「そうか。今はゆっくり休んでおけ」

 リョセフはジェイス達に背を向けると、司令部の中へ姿を消す。




「突撃! 突撃!」

 軍刀を持った士官がその刀身を前方に向けて叫ぶ。それと同時に、あちこちで伏せて待機していた兵士達が雄叫びを上げながら敵陣に突入した。

「ウォー!」

 帝国陸軍第1即応連隊が抵抗の弱まった敵陣に雪崩れ込む! それは抵抗する気力を喪失しかけていたバルアス軍将兵にとって恐怖の対象でしかなかった……


「ひぃ……!」

 塹壕でニホン軍を待ち受けていたバルアス兵は、前方から圧倒的なまでの威圧感をもって迫りくるニホン兵の集団に、反撃もままならない状態へと陥っていく。


「手榴弾!」

 安田誠上等兵は、山口少尉の指示通りに前方の塹壕に手榴弾を投げ込んだ。

 ーーボンッーー

 炸裂音と共に敵兵の絶叫が聞こえる。しかしその程度で彼らが進撃を止めるはずもない。次の瞬間には塹壕に自ら飛び込み、生き残っていた敵兵を次々に倒していく……

「制圧!」

『第2小隊が有力な敵と交戦中、各部隊は増援に回れ!』

「聞いたか? 行くぞ!」


 そこはコンクリートで固められ、細い銃眼から機関銃の銃口が突き出されていた。

「ちっ! トーチカだ」

 山口少尉が舌打ちする。下手に動けば忽ち機関銃の餌食になることは明白で、そのために第1即応連隊の一部隊を釘付けにしている状態であった。

「安田、貴様が回り込め」


「了解!」

 安田は山口少尉の言ったことを即座に理解し、静かに、そして素早く動き始める。周囲の遮蔽物や塹壕を上手く利用しながらトーチカの死角に回り込む……


「どりゃあー!」

 突然、物陰から飛び出した敵兵が安田に飛び掛かった。すぐに対応できなかった安田は地面に押し倒される。

「くそっ!」

 敵兵はナイフを抜き放つと、安田の顔面めがけて降り下ろす……しかしそれをギリギリのところで受け止めた。

「な、何ぃ!?」

 驚いた敵兵は、さらに力を込めてナイフを突き立てようとするも、安田の予想外の腕力によって徐々に押し戻され……そして一気に跳ね返される!

「ぐぁ!」

 あまりの力に、思い切り地面に突き飛ばされた敵兵は急いで顔を上げた。目の前にはニホン兵の足がある……もう立ち上がったのか!? 驚くのも一瞬、直後に胸に痛みを感じて恐る恐る視線を下げた彼の目に飛び込んできたものは、自身が持っていたナイフだった。

「カハッ……!」

 薄れていく意識の中で、ニホン兵がトーチカの入口へ向かう姿が彼にとって最後に見た景色になる。


 安田は敵兵が動かなくなったのを確認すると、再び動き始めた。先程まで敵兵と争っていたにも関わらず息は一切乱れず、その足取りは軽快だ。

「見つけた!」

 彼の眼前には灰色のコンクリートで固められた頑丈そうなトーチカがあり、その中からは機関銃の射撃音が絶えることなく響き渡ってくる。だが、その周囲には歩哨は見当たらない。

「攻撃開始だ」

 消え入りそうな程小さく呟き、トーチカの入口に向かってゆっくり歩みを進める安田。中を覗くと6人の敵兵が機関銃や小銃を絶え間なく撃ち続ける姿があった。

「手榴弾……!」

 手榴弾のピンを抜き中へ投げ込む! 次の瞬間、手榴弾の炸裂により敵兵は一瞬のうちに無力化される。絶え間なく響き渡っていた射撃音も既に聞こえない。

『安田、ご苦労だった』

 無線機から山口少尉の声が聞こえて、味方が再び前進を開始したのを感じることができた。




 5時55分

 バリエラ南東565km

 巡洋艦レスター



「不明船との距離15! 目視圏内です!」

 艦橋内にレーダー担当士官の声が響き渡る。そして誰もが双眼鏡や肉眼で不明船の正体を確認しようとしていた。


「あ、あれは!」

 メイヤーもまた、双眼鏡を覗き込み、その先に見えたものに驚く。

「北部艦隊駆逐艦ヘナンだ!」

 趣味の悪い洋上迷彩によって、その艦が北部艦隊所属であることを無言のうちに語っていた。


「駆逐艦ヘナン増速! さらに距離を詰めてきます!」

 見ると茶色やら黒やら様々な色で彩られた船体を波間に踊らせて、こちらとの距離を詰めようと増速したヘナンの姿が確認できる。


「艦長……!」


「ダメだ、逃げ切れん」

 艦長は柄にもなく焦っているように見えた。だがそれは仕方ないことだろう。

「速力は、あちらが上だ」


 メイヤーも知っていた。駆逐艦ヘナンが共和国最新鋭であることを。その小柄な船体に不似合いなほど強力な機関を隠し持ち、最大速力は40ノットにも達する。

「奴は高温高圧ボイラーを備え、8万馬力の機関出力を誇る高速艦」


「ヘナンより無線通信!」


「こちらレスター。何か用か」

 艦長は無線機に応答する。

『知っている。貴艦は裏切り行為を行おうとしているから阻止しに来たのだよ』

 無線機から聞こえる声の主は笑っているようだった。

「阻止だと? ふざけるな! こちらは臨時政府の意思により動いている。そちらに止める権利はない」

『臨時政府? ならこちらは北部艦隊の意思と言っておこう』

「何!? 貴様何者だ!」

『君に名乗る程の者ではない。止まらないなら、力ずくでやるしかないようだな』

「やってみろ! 駆逐艦ごときにやられるレスターではないわ!」

『…………』


「戦闘用意を発令! 目標は本艦後方、駆逐艦ヘナン!」


「はっ!」


「ヘナン、速力38ノットに増速! ニホン海軍キイ、本艦との距離65まで接近!」


「よし、面舵一杯!」

 副長の指示により艦は急速に右へ回頭を始める。それを見たヘナンも同じように面舵を切り、レスターと同航戦の構えを見せようとしていた。

「右砲戦用意!」

 レスターの主力兵装である20cm三連装主砲三基がゆっくりと旋回し、ヘナンに狙いを定める。

「ヘナン発砲!」

「心配するな! 当たらん!」

 ヘナンの放った砲弾は、副長が言った通りレスターの遥か手前に着弾して虚しく水柱を上げた。

「ようし、反撃するぞ!」

 20cm主砲が火を吹き、その破壊力をもって今や敵となった駆逐艦ヘナンを仕留めるべく砲弾は飛翔する……


「まさかこんなことになるとは!」

 メイヤーは困惑した表情でヘナンを見た。かつては同じ共和国海軍の味方だったヘナンが敵に回っている。


「150m遠弾! ……」

「近いぞ、次で当てる!」

「ヘナン、急速に間を詰めてきます!」

「魚雷を使う気だな!? 第2射急げ!」

 ーードォン!ーー

 主砲射撃の轟音と衝撃。

「ニホン海軍キイとの差、急速に詰まっています、現在60!」

「このまま合流するぞ! 早くヘナンを片付けよう!」

「第2射、ヘナンを挟叉!」

 メイヤーはヘナンの周囲に多数の水柱が立ち上っているのを確認した。

「もう少しだ!」

 味方だったとはいえ、明確な敵意をもってこちらを阻止するために動くヘナンは、既にレスターの乗組員全員に敵として認識されている。艦橋内でも主砲の射撃精度が上がっていることに歓喜の声が上がっていた。

「いけ……」

 ーーグシャーー

 メイヤーはハッとなって外を見る……

「二番副砲に被弾! 火災発生!」

「消火作業急げ!」

 唐突に響き渡る爆発音は、副砲の弾薬庫が誘爆したことを艦橋内の男達に報せるのと同時に、地震の如く大きな揺れとなって襲い掛かる。

「ぐあっ!」

 メイヤーは近くの壁に強かに頭を打ち付け、気を失ってしまった。



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