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岡田への手紙2-3
英語教師だけじゃない。
坊主頭のガキどもも、目障りだ。
害虫は駆除しなければ。
枯井先生と、当たり障りのない話をしながら。
野球部の坊主どもと一緒に、トラックを走りながら。
同じ社会科の教師たちにからかわれながら。
いろいろと考えているよ。
無垢。
無垢でいることの矜持。恐れ。
無力さに震えながらも、自分の誇りを失わない。
彼女を通して、それが一体どういうものなのか、おれは感じ取りたいのかもしれないな。
ああ、期末テストを作らなければならない。
この前、中間テストが終わったばかりなのに。
授業の予習もしなければ。
こんな新米に習うなんて、生徒たちも哀れなもんだよ。
だが、新米でも何でも、自信たっぷりに教えるのが大切だ、とさ。
生徒たちを不安にさせないために。
はったりもいいところだ。
だが、世間ってのは、はったりをかましながら泳ぎ渡っていくところなんだろうな。
お前には、耐えられないか?
傑