47 国立音楽館
「おはよう。眠そうだね、優くん」
「おはよう、吉岡さん。ちょっと遅くまで起きていたからね」
優は眠そうに目をこすりながら、怜良とレストランにやってきた。
「ちゃんと寝なかったの? でも今日は午前中はオペラだから、体力を使わないからよかったね」
関原このみが言う。すでに班の女子生徒は同じテーブルについて朝食を食べている。
宿泊施設のブッフェだ。
優はスクランブルエッグ、ソーセージ、ハム、温野菜を皿に盛り、クロワッサンとヨーグルトとリンゴジュースを器用に持ってテーブルに相席した。
「みんなおはよう。元気だね」
「みんな元気だよ。修学旅行だから寝ていられないよ」
「昨日も夜景が綺麗だったし、訪問したところの思い出がいっぱいだから、日記をつけるのが大変だったね」
「今夜にはもう家だから、首都の空気は終わりだからね。なんか名残惜しいよ」
話を聞いていると、みんな元気いっぱいだ。帰りのバスでは熟睡だろう。
優は昨晩はソロ公演の準備で忙しかった。
国立音楽館。収容人員数五万人以上の、質も規模もこの国最大のホールで、音楽の殿堂だ。この国の全ての音楽関係者が、ここのメインホールで公演することを夢見ている。
このホールは天覧公演も行われるため、品位も求められる。所属する団体も多く、オペラ、バレエ団などの演目も上演される。売れている歌手であっても、様々な条件を満たさないと公演に使用できず、審査は厳しい。
修学旅行で全国の学生が生涯に一度は訪れ、国民は誰もが知っている施設である。週末を中心に多くの公演が実施され、平日は練習生が公開リハーサルで使用していたり、今回のように修学旅行生向けに準主力の公演が格安で上演されたりする。
様々な全国規模の音楽関係やバレエなどのコンクールの優勝者や優勝団体の公演もここで実施される。そのため音楽関係の聖地とされ、見学者が絶えない。
その中でも天皇臨席の公演は別格だ。国賓が観覧する場合などに行われ、将来にわたって記録に残される。皇族が揃うならばなおさら貴重だが、実際にはそのようなことは十数年間行われていない。歌手の場合は難度が高く、天皇が公演に臨席したことさえ一度もない。
怜良も男性保護局本部も、昨日の昼に今日の公演の手配のために色々と連絡を取ったりした。しかし事前に想定はしていたので、行動計画を実施するだけで済んでいる。
そもそも今回の修学旅行の日程も、国立音楽館の訪問が最後になるように事前に怜良と校長が協議し決めたものだ。国立音楽館にも優の通学開始時に今回の公演の可能性を伝達しており、国立音楽館の側でもさほど慌てることにはなっていない。
慌てたのは優と皇宮警護隊だけだ。ただし悠翔天皇より優が保護では優先するため、国立音楽館の警備は怜良の特務隊が実施する。そのため皇宮警護隊は天皇の移動中の警護と敷地外の警備をするだけだ。警備の優先順位で侍従長が問題視したが、悠翔天皇が黙らせた。
「今日の国立音楽館の公演は、僕はみんなと一緒には見学できないことになったんだ」
優が班員に言う。
「どうしたの? また誰かに呼び出されたの?」
あながち間違いではない。
「ううん。公演の間、ちょっと準備しなくちゃいけないことがあってさ。観客席から見ていることができないんだ。だから国立音楽館ではみんなとは一緒にいられないんだけど、ごめんね」
「そっかあ。一緒に見られないのは残念だね。でもお土産買ったりは一緒に行けるんでしょう? 修学旅行の最後だから、みんなで一緒に回ろうね」
「うん。それは大丈夫だと思うよ。別行動が多くてごめんね」
「いいよ。優くんは男の子だから色々大変なんだよね。昨日、それがよくわかったから、気にしなくて大丈夫だよ」
何か昨日の男性保護局本部での経験から、一般の保護男児の生活のことを誤解しているようだが、優は何も言わないことにした。
優はゆっくりと朝食を食べ、部屋を片付けてから、荷物をまとめて移動のバスに乗り込んだ。
到着した国立音楽館は巨大な建造物群だった。
大ホールは前世のドーム野球場の二つ分くらいの大きさがある。大ホールの他にも小ホールや野外音楽場がいくつもあり、団員が千名を超える所属大バレエ団の練習場の建物も大きい。他にも音響研究施設や様々な記念館、さらには多数の楽器や作曲家・演奏家の資料が保管展示されている音楽博物館も併設され、一帯が国立音楽館を中心として音楽関係の街となっている。
「すごい大きな建物だね。街全体が国立音楽館の一部みたいな感じだよね」
「さすがだね。大ホールはすごい建物なんだって聞いてるよ」
「客席は五階まであるもんね。地下施設もすごい大きいらしいよ」
優もその規模に驚いた。
大ホールはドーム野球場が二つつながったような楕円形をしている。
バスを降りて、みんなと別れる。
優は怜良とともに出演者の入場口から入った。
受付に行くと、数人の人物が立っている。
「おはようございます。咲坂優さんですね。私は三葉聡里と言います。この国立音楽館の館長を務めています」
長い黒髪で、目が暗赤色の女性が優に挨拶した。怜良よりも大分歳上の雰囲気だ。
「おはようございます。咲坂優です。本日はお世話になります。よろしくお願いします」
優は頭を下げた。怜良は一か月前に面会が終わっている。
「今日は副館長が咲坂さんをご案内します。私は陛下を御迎えする準備がありますので、副館長になんでも言ってください。良い公演になることを期待しています」
そう言うと、館長は立ち去った。言葉少なだったが、どうやら忙しいようだ。職員全体がバタバタしている雰囲気がある。
「咲坂優さん。七星優紀といいます。副館長になります。本日は私が案内しますから、わからないことや用意して欲しいものがあったら、遠慮なく言ってくださいね」
怜良と同じくらいの身長の暗赤色の目の女性が、優に挨拶した。
「咲坂優といいます。よろしくお願いします」
優はペコリと頭を下げた。
「まずは公演する大ホールを案内しますね」
副館長は優を先導して歩いていく。優と怜良はついて行き、沢山の部屋を通り過ぎる。
そして大きな両開きの扉の前に立った。
「ここからは大ホールの観客のエリアです。まだ大ホールは開場していないので、今のうちに入って中の状態を確かめましょう。咲坂さんも、公演ではこの入場口から入って舞台に向かいます」
そう言って扉を開けて中に入ると、大きな空間があった。
優はぐるりと見回す。緩いすり鉢状に円形に客席が並び、周囲の壁は五階建ての観客席になっている。三階は区切られた部屋が並んでおり貴賓席となっている。その中にひときわ大きな部屋があり、天皇専用の部屋になっている。
副館長が順々に案内してくれる。
すり鉢状の客席を通り、舞台に歩いていく。優の身長を超えるくらいの高さの、非常に広い円形の舞台だ。周囲が階段状になっている。
今は明かりで室内が明るいが、上演のときは暗くなる。
舞台セットは立体映像により作りだされる。そして上空には拡大映像が投射され、上階からもよく見えるようになっている。
階段状の段を登り、舞台に上がると、床にも照明が沢山あるほか、地下からのせり上がりの場所がいくつもあり、目印がついている。バレエやオペラでは地下から登場人物がせり上がる。地下にはこの客席と同じ広さの空間があり、出演者はそこで準備をする。
今日の優の公演では、優は普通に地上の入場口から入退場する予定なので、地下は使わない。
――見渡す限りの観客席。ビルのようにそびえる観客席。高い天井。これで五万席以上かあ。
すごいね。さすがこの国の最高峰。内装も重厚感がすごい。こうして立っているだけで、歴史が身に染み込んでくるようだ。前世とは違う円形劇場。これがこの世界の標準だよね。立体映像と立体音響技術で作り上げる舞台はすごいんだろうな。
こんな舞台が初めてのソロ公演なんて、出来過ぎだよね。
昨日は悠翔天皇にはちょっと腹がたったけど、こうしてここに立ってみると、やっぱり感謝しちゃうな。こんなすごい舞台で、観衆三万人を前にして歌えるなんて、歌手冥利に尽きるというものだね。
悠翔天皇にも怜良さんにも、恥をかかせないようにいい公演にしなきゃね。
優は気持ちを一新し、やる気を身に充満させた。
「どうですか。広さが実感できましたか」
「はい。想像以上でした。すごいところですね」
「初めての人はびっくりしますよね」
副館長は笑顔でそう言った。
「館長、男性保護局本部から間宮美幸様がお見えです」
「わかったわ。お通しして」
秘書が館長に伝える。
優が悠翔天皇と面会した日の午後、男性保護局本部から間宮美幸特等男性保護官が国立音楽館の館長を訪問した。
「お忙しいところ失礼します。男性保護局本部公演管理部部長の間宮と申します。本日は明日の午前の公演について、先の通達の通り、変更の申出に参りました」
間宮美幸が三葉聡里国立音楽館館長に伝える。
「一か月前に須堂怜良さんから通達された件ですね」
「その通りです」
優が中学校に初めて通うことになったとき、怜良は修学旅行で皇宮と国立音楽館を訪問することを知り、優が悠翔天皇に皇宮に呼び出され完成した歌を歌わされること、そして公演を指示されることを予想し、国立音楽館を訪問し男性保護局からの申し入れとして公演に割り込む可能性を通達していた。なおこの場合国立音楽館に拒否権はない。
「まさか本当になるとはね。しかも先ほど、陛下と皇族皆様の御観覧も皇宮侍従長から通達されました」
悠翔天皇だけでなく、皇族全員が観覧する。曙国主催の慰霊公演以来、十数年ぶりのことだ。
「警備は男性保護局が実施します。皇宮警護隊は移動と敷地外の警備のため、只今から男性保護局の委託をうけた警護隊百名が敷地を含め入館しますので、許可を頂きたくお願い申し上げます」
「わかりました。許可します」
館長はそう言うと、その場で副館長に連絡をとり、許可と警備の実施を伝えた。
「迅速なお取り計らい、感謝いたします」
「当館館長として、滞りなく公演が実施されるためには協力は惜しみません。ところで、今回の公演は男子生徒が一人で歌うとのことですが、陛下と皇族皆様が御観覧になるほどの人物なのですか」
館長はつい聞いてしまう。
「当該男子児童に関しては、情報を開示することができません。陛下が御観覧になる理由も含め、こちらから開示することが禁じられております。その点ご配慮願います」
「わかりました。出過ぎたことをお聞きし、申し訳ありません。明日の公演、楽しみにしております」
「皆様のご協力、男性保護局を代表して感謝申し上げます」
間宮美幸は必要な会話を端的に続ける。特等男性保護官らしい態度だ。
「明日の陛下の御臨席ですが、当該男子児童のご家族四名が陛下と同席のうえご観覧になります。うち一名は小学六年生です。生徒たちと同じころにこちらの敷地に中型航空機にて直接到着する予定です。手配をお願いします」
「わかりました。ご要望の通り手配します」
「それではよろしくお願いします。失礼します」
間宮美幸はそう言い残し、帰っていった。
「館長、どういうことなのですか」
間宮美幸と入れ違いに、副館長の七星優紀が館長執務室に入ってきて、三葉聡里に聞く。
館長も副館長も貴族だ。
「私にもわからないわ。一か月前の通達が実行されるなんて思わなかったわ」
「一応咲坂優については調査しましたが、何も記録がありませんでした。音楽関係だけでなく、一切の記録がありません。男性保護局から知らされた通学の事実と年齢しかわかりません」
「そうですか。謎だらけね。陛下の御口添えがあるから、審査を理由に拒否することもできないわ」
二人はため息をつく。
「皇族全員が御臨席とは、只事ではありませんよね。揃っての御臨席は、慰霊公演以来もう十年以上前ですよね」
「ええ。まさかそこまでとは。しかも警備は男性保護局が実施するということは、その男児の保護が優先しているのよね」
「ええ。先ほどのご指示には驚きました」
「せめて皇宮警護隊との合同警備なら、まだ理解できるのだけど。先ほどの間宮美幸さんはね、特等男性保護官なのよ。特等男性保護官が事務方専門の担当なんて、従来では考えられないわ。須堂怜良さんも特等男性保護官なのに国内の男児の保護をしているなんてね。今回の件は異例尽くしよ」
貴族とはいえ文化系の知識の専門家である国立音楽館の管理者たちには、何が起きているのか理解できない。
「咲坂優についてですが、公演では音源再生システムを自ら使用するとのことです」
「それは聞いていませんでしたね。気に入った演奏でも使うのかしら」
「わかりません。何も詳細を伝えられていないので、どうするのかは明日判明することになります」
「この音楽館の音源再生システムを使うのは、中学生には無理ではないかしらね」
「そういうところが、咲坂優の秘密なのではないですか」
「そうね。陛下たちの御臨席も、そういうところが関係しているのかもしれないわね」
音源再生システムにはAIと連携する通常の使用でも一定の操作や選択設定ができる。
だから演者によっては自分で一部の操作をすることがある。
外の景色を見て、二人で再びため息をつく。
「明日は特別な配慮が必要ね。咲坂優の相手は頼んだわ」
「はい。館長は陛下に付きっきりですね」
「ええ。それから、咲坂優の家族も陛下たちに同席して観覧するそうだわ」
「そうなのですか?」
副館長が驚く。一般人の同席など、それこそ前例がない。公演後に声をかけられることでさえ、大変栄誉あることだ。
「本当に、咲坂優とは何者なのですかね」
「彼のことはあまり考えない方がいいようね。異例過ぎて、冷静でいられないわ。私たちは明日の公演と御臨席の件で最善を尽くすことに集中しましょう」
「そうですね。異例であるだけに、何か問題が起こると大変ですからね」
国立音楽館にとって、今回の公演は予想がつかないものだった。
「ごめんください。金城みずきです」
優が悠翔天皇と面会した直後の昼、咲坂家を金城みずき特等男性保護官が訪れた。
「あら、金城さん。どうしたんですか。どうぞお上がりになってください」
「昼食時に申し訳ありません。どうしても急ぎの用事があって参りました」
桜が招き入れる。金城みずきは新しく配属された特等男性保護官だ。
「こんにちは、金城さん。ご飯を一緒にどうだい」
「こんにちは。よろしければどうぞ」
巴と彩が昼食を勧める。
「いえ、お気持ちだけで。皆さんお揃いでお話ししなければならないことがあるので、急を要するためやって参りました。どうぞお食事を続けながら聞いてください」
金城みずきは畏まってそう言う。
「どんな話なんですか」
桜はお茶を出し、尋ねる。
「はい。実は明日の午前中のことなのですが、優くんの歌の公演が急遽決まりまして。ぜひ皆さま咲坂家のご家族にもご観覧いただきたいと、指示を受けてこうしてやって参りました。いかがでしょうか」
桜たちはぽかんとしている。
「あの。優の歌を人に聴かせることが決まったんですか?」
「はい。少し大きなホールなのですが」
「もしかしてホールに観客を呼んで、そこで優が歌うんですか?」
「はい。その通りです」
「はあ。それは急な話ですね」
桜たちが呆然とするなか、足元で三毛の猫がにゃあと鳴く。
「それで、公演が明日の午前中なので、よろしければ皆さんを我々がお連れ致します。優くんの初めての公演を皆さまお揃いでご覧になりませんか」
金城みずきの提案を聞き、桜たちは顔を見合わせる。
「ええ。それは嬉しいですが。大丈夫なんですか、皆さんのご迷惑ではありませんか」
「それはご心配に及びません。万全の体制が整っております。是非にとのことですので、我々が皆さんを責任を持ってお連れします」
金城みずきの強い意志を感じ、桜たちは応じることにした。
「わかりました。事情はよくわかりませんが、優の初公演ということなら、喜んで出席させていただきます」
「ありがとうございます。そのお返事をお聞きできて、安心しました。八弥ちゃんもご一緒でよろしいでしょうか」
「そうですね。学校を休むことになりますが、八弥はことのほか楽しみにしていたし、初めての優の公演ですから、出席でいいと思います。あとで学校に連絡しておきます」
咲坂家の一家揃っての観覧が決まった。
「それで、場所はどちらですか。音楽堂でしょうか」
「いえ。国立音楽館です」
金城みずきの言葉を聞き、再びみんなぽかんとした。
「あの。国立音楽館て、あの国立音楽館ですか?」
「はい。その国立音楽館です。首都にある」
「そうですか」
桜たちはいまいち理解できない。
「そういえば優は修学旅行で国立音楽館を見学するって言ってたわね」
「はい。そこで歌うことが決まりました」
「そういうことですか」
桜たちはご飯の茶碗を持ったまま、顔を見合わせた。
「あそこはすごい人しか公演できないんじゃないですか?」
「今回、優くんは特別公演ですので、大丈夫です」
「そうですか」
何が大丈夫なのか、桜たちはいまいち理解できない。
「まあ、わかりました。明日の午前中なら朝一番で向かう必要がありますね」
「いえ。我々が飛行機で皆さんをお連れします。だいたい三十分で到着します。帰りもお送りします」
桜たちは、金城みずきが何を言っているのか分からない。
「飛行場まで、ここからかなり遠くになりますが」
「いえ。第四市出張所から飛び立ちます。そして国立音楽館に着陸します。そのまま大ホールに入り、観覧いただきます。ですので一時間もあれば大丈夫です」
桜たちはいまいち理解できない。
「あの。確認ですが、ここから飛行機に乗って、直接国立音楽館について、大ホールで観覧するんですね。そして大ホールで優が歌うんですね。観客の中で。小ホールではなくて」
「はい。その通りです。大ホールです。ちなみに優くんはソロ公演ですので、歌うのは優くん一人だけです」
桜たちは再び理解できない。
「優しか歌わないのですか?」
「はい。優くんだけです。公演時間は三十分。ただしアンコールもあるかもしれないので、一時間くらいになるかもしれません」
桜たちは、ようやく言われていることの全体像が判明し、事態を飲み込み始めた。
「それって、すごいことだよね」
「ええ。国立音楽館大ホールでのソロ公演って、それは一流ってことよ」
「音楽の頂点だわね」
桜たちは口々に話し始める。
「ご理解いただけてよかったです」
金城みずきがほっとした表情をする。
「どうして優がソロ公演をすることになったのかよくわかりませんが、とりあえず明日聴きにいきます。明日朝にそちらに行けばいいのですね」
「はい。朝八時半ころまでに第四市出張所にお越しください。準備してお待ちしております」
「ええ。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」
桜たちは急な話に何とか対応できた。
自分たちが食事中であることも思い出した。
「それから、一つお伝えしておくべきことがあります」
「なんですか?」
金城みずきが真面目な顔をするので、桜たちは揃って耳を傾ける。
「はい。実は陛下が御観覧になります。そして是非ご一緒に観覧するようにと、陛下からの強い御要望でございます。ですので、皆さんには到着後に陛下に御挨拶いただき、そのまま貴賓席にてご一緒にご観覧いただくことになっております」
金城みずきの言葉を聞いて、桜たちは手に持ったご飯茶碗を卓上に落とした。




