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16 ケーキ作りだわーい

クリスマスなので投稿します。

ただケーキを作るだけです。

「ケーキを作るわよ!」

「わーい!」


 今日も怜良さんの突然宣言です。

 午後、水泳練習の谷日で何もすることが無い日です。

 怜良さんはケーキを作ると宣言しました。宣言だよ!

 ケーキは宣言しなきゃね!


「どんなケーキにするの?」

「もちろんショートケーキよ」


 やったあ。真っ白なケーキ。僕が大好きなやつだね。

 前世で長嶋さんが誕生日に買ってきてくれたっけ。

 なつかしいな。


「一緒に作るの?」

「もちろんよ。優くんも手伝ってね」

「うん!」


 ケーキを作るのは初めてだ。

 二人でエプロンをつける。怜良さんが僕のエプロンも用意してくれているんだよ。

 もちろん二人でおそろい。

 怜良さんが道具を出してくれる。大きなボウルが出てきた!


「お菓子作りは、計量から始めるわよ」


 そう言って小さな計りにボウルを載せて、小麦粉を計りだした。


「これを振るってくれる?」

「うん。どうやるの?」


 怜良さんに小麦粉の振るい方を教えてもらう。

 簡単かと思ったけど、粉が舞い上がって何か粉だらけになったよ。

 それを見て怜良さんが笑う。


「よくできたわね。卵を泡立てるわよ」


 そう言ってボウルに卵を割り入れ、砂糖を入れて、機械を入れて泡立て始めた。

 ぐるぐる回る機械なんだけど、見ていて面白い。

 

「そろそろいいかしらね」


 そう言って怜良さんが機械を止め、泡立って量が増えた卵にさっき僕が振るった粉を入れる。

 そしてへらでくるくるかき混ぜて、バターを溶かしてあったものを入れて混ぜ合わせた。


「あとは型に入れて焼くだけよ」


 そうして用意してあった丸い型に怜良さんがボウルから材料を流し入れて、オーブンに入れた。


「これで出来上がりね。すぐ焼きあがるわ。冷ましてから飾り付けましょう」

「こんなに早くできるんだね。すごい」

「優くんが手伝ってくれたから、早くできたわ」


 僕は粉を振るっただけだけど、そう言われると嬉しいな。

 つい楽しみでオーブンの前に行ってガラス扉の前で中をじっと見てしまう。


「もうすぐかな?」

「まだまだよ」


 待ちきれなくて怜良さんに聞いてしまう。


「少しお茶にしましょう」


 道具を片付け終わった怜良さんがお茶を用意してくれる。

 僕はオレンジジュース。


 台所はリビングとつながっていて、広くて明るい。

 怜良さんが何か作っているときにここにいるのは楽しいんだよね。

 だからこうしてリビングの食卓に座って怜良さんとゆっくりお茶を飲むのは幸せ。

 そうしているうちにいい匂いがしてきた。


「そろそろ焼けてきたみたいね」


 焼けるといい匂いがするんだね。お菓子はちゃんと出来上がりの合図をくれるんだ。


「わあ、すごい!」


 怜良さんが手袋をつけてオーブンからケーキを取り出した。

 小麦色でふんわりしてる。

 怜良さんが串を刺して中を確認した。


「うまく焼けたわね。冷ましてから飾り付けしましょう」


 怜良さんが型からケーキを取り出して網に乗せた。


「すごくおいしそうな匂いがしてるよ!」

「ふふっ、このまま食べてもおいしいけど、冷めるまでまってね」

「うん」


 すぐに食べたいけど、怜良さんが言うから我慢する。

 はやく冷めないかな。


「冷めるのを待つ間、飾り付けの準備をしましょう」


 そう言って怜良さんがイチゴを出してきた。


「この緑のヘタをとってね」

「うん」


 怜良さんが僕にイチゴのヘタ取りをやらせてくれる。

 そうすると怜良さんが次々とまな板でスライスしていく。

 いくつかスライスしないイチゴを残して出来上がり。




 そしてまた二人でお茶を飲んでのんびり待つことしばし。


「もう冷めたわね。じゃあ、飾り付けをしていくわよ。手伝ってね」

「うん!」


 冬だから少し窓の外にさらすだけですぐに冷えたみたい。

 怜良さんが丸いスポンジケーキを、横から包丁でスライスしていく。

 すごいな。僕がやったら途中でちぎれて三日月になっちゃうよ。


「それじゃあ、優くんはこのシロップを塗るのよ」

「うん」


 そう言って僕に器に刷毛が入った透明なシロップを渡してくれた。

 僕は初めてなので慎重に刷毛でシロップをスポンジケーキに塗っていった。

 このくらいかな、と思っていたら怜良さんが「もっとたくさんよ。そのシロップを全部塗ってね」と言うので、頑張ってたくさん塗った。シロップってたくさん塗るんだね。


「いよいよ生クリームを泡立てるわよ」


 怜良さんがボウルに紙パックから真っ白なクリームの液を注ぐ。

 砂糖を入れて、丸く針金がいっぱいついた泡立て器でカシャカシャし出した。

 僕が横でずっと見ていたら、すぐに量が増えてきて泡立ってきた。

 あっという間!


「すごーい」

「ふふっ。面白い?」

「うん、面白い!」


 そんな会話をしていると怜良さんが手を止めた。


「準備が整ったわ。いよいよ飾り付けをするわよ。優くんの出番ね」


 そう言って僕にヘラを渡した。

 そしてシロップを塗ったスポンジケーキにクリームを落とした。


「クリームを塗り広げてね」


 そう言われて、僕は頑張ってクリームを塗り広げた。

 クリームがヘラについて思うようにうまくいかないけど、それでいいんだって。

 それからスライスしたイチゴを並べていく。

 スライスしたスポンジケーキを重ねて、また繰り返す。

 そうして全て重ね終わった。


「よくできたわね。いよいよ仕上げよ」


 そう言ってクリームを上にどっさり乗せたので、僕は頑張ってケーキの外側にクリームを塗っていった。こんどは結構柔らかくて、うまくいったよ。


「上手にできたわね。最後の仕上げよ」


 そう言って怜良さんがクリームを絞っていく。

 ケーキらしくなってきた!

 最後にスライスしないでとっておいたイチゴを乗せて出来上がり!


「できたわよ」

「すごーい!」


 初めて自分で作ったケーキ。怜良さんと二人で作ったケーキ。すごく嬉しい!


「もう食べていいの?」

「ええ、テーブルで切り分けて食べましょう」


 テーブルにランチマットを敷いて、綺麗なお皿に乗った真っ白なショートケーキが運ばれてきた。

 うふふ、わくわくする。

 怜良さんがきれいに切り分けてくれた。

 断面もきれいだよ!


「優くんが頑張ってくれたから、きっとおいしくできているわよ」

「そうかな?」

「じゃあ、食べましょう」

「うん。いただきます!」


 フォークですくい取って、口に運ぶ。

 おいしーい!

 怜良さんと二人で作ったケーキはとっても美味しい。

 なんか、前世で読んだ幸せな家庭っていうものみたいだな。

 こういうの、憧れてたんだよね。

 前世で本で読んだようなことが、今世では叶っていく。

 怜良さんがいてくれるおかげだね。


「おいしーい」

「ふふ、優くんが手伝ってくれたから、すごくおいしいわ」


 怜良さんがそう言ってくれて笑顔がこぼれる。

 冬の午後の日差しがリビングに差し込むのを見ながら、怜良さんと暖かい時間を過ごした。


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