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呪われている子

お待たせしました。

今回はいつもよりちょっと長めかなーと思います。

パパの転移魔法で移動したところは、とても広い空間だった。

だけど、金、銀、宝石などで作られている家具やいろいろな装飾品が飾られている。


「目が、チカチカする……」


最初から嫌な気分……。

やっぱりやめておけばよかった。

意地でも行かないって言えばよかった。

……はあ。


『それは我も意見が同じだな。レイベル、ここはどこだ』

「俺の部屋だ」

「ふーん……え?」


ん? 今パパ自分の部屋的なこと言った?


「だから、ここは俺の部屋だ」

「え……」


ここが?え、本当に?

こんな派手でダサいこの部屋が?


『レイベル、貴様……こんなのがよかったのか……』

『え~レイベルのへやなの~?でもぼくここきらーい』

「私もちょっと……」

「ご、誤解だ! この部屋はな、王がここを使えっていうから俺は仕方なく……! 模様替えしろっていっても聞かないんだよ! こうしろって言ってもそれはレイベルさまにはふさわしくないとか言って!」

「いやいや、言い訳しなくても大丈夫だよ、パパ」

「じゃあなぜ俺から離れる?!」

「あはは……」


パパがこんな趣味だったなんて……ま、まあ好き嫌いは自由だしね、うん!


「で? その王とかはどこにいるの? 早く会って早く帰りたいんだけど」


そうだよ、パパの部屋の話はおいといて、早く嫌なことを済まして早く帰ろう。


「あ、ああ、俺も一緒に行くから案内するよ」


パパの笑顔が引きつっているのは気のせいだよね、うん!


「じゃ、早く行こー! 周りに人間の気配はないし」

『確かに周りに人の気配はしないな。だが警備とやらはどうなっているのだ?』

「ああ、フェルティ、それは今日、俺がいらないと言ったからだよ。ほら、警備とかでも人がいたらスイが怒るだろう?」

『まあそうだな』


なに勝手に決めつけてるんですかー?

いやまあ怒る一択だけどね。


『ねーねーまだ~?』


そう言いながらぴょんぴょんと飛び跳ねるミーはかわいい。

はい、復唱!!


「ミーヴァ、じっとしていろ。もう行く」


ミーに返事をしたパパがすたすたと大きな扉の前まで歩く。


「じゃあ、行くぞ」


大きな扉が音を立てながら開く。


『わー!』

「あ、ちょ、ミー!!」

「ミーヴァ!! スイ?!」

『ミ、ミーヴァ!! スイ!!』


ミーがものすごいスピードで部屋から出る。

続けてミーを追って私も部屋を出た。


もう! 私の近くに居てって言ったのに!!

ていうかここどこー!?!?!?


そして、私はお城が広すぎていつの間にか迷子になっていた。


ここ、どこだろう……。

人間がいるところは避けてきたからなぁ……もしミーが人間たちがいる方へ行ってたとしたら……ぎゃあー!!!!ミーはかわいいからすぐに攫われてしまうっ!!!!

は、早く見つけ出さなければ……!!

でも……ここどこかわからないし……。


「はあ……」

『あー! スイー!』

「え、ミー!?」


どう探せばいいものか、と悩んでため息をついたら、ミーが私に飛びついてくる。


「ミー! 勝手にどっか行っちゃだめでしょ! 探したんだからねっ!」

『スイ、スイ、それよりも大変なんだよ!』

「え? 何が大変なの?」

『とにかく、大変なのー! だからね、ついてきてー!』

「え、あ、うん。わかった」


いったい何がそんなに大変なの?

疑問に思いながらも、ミーを小走りで追いかける。


とにかく人間がいないところを通り、階段を下りたり窓から出たり。


そうして着いたのは、あまり目立たない植物がたくさんある場所。


『スイ、こっちだよっ』


そう言い、ミーが向かった場所は、ひときわ大きい木。

その木陰に、苦しそうに胸を押さえている一人の男の子がいた。


に、人間じゃん?!


「っぁ……っぅ」


ど、どうすればいいの?!


近くもなく、遠くもない位置でオロオロする私。


『スイ、スイ』

「うっ」


そ、そんな目を向けられても……。


ミーからキラキラした目を向けられる。


か、かわいい……。

で、でも、人間は私にはどうにもできないよ……。


「だ、れ……」

『ぼくはミーだよっ! ミー!』

「み、ぃ?」

『うんっ! そーだよ、ぼくはミーだよっ』

「そのこ、は……?」


しゃ、しゃべったぁー!!

え、これもしかしなくても私も名乗らなきゃだめですか?!


『そのこ? スイのこと? あ! あのねあのね、今からスイがくるしいのなくしてくれるよ!』


ピョンピョンしながら何言ってるの、ミーさん?!


「す、い?」


……私はどうすればいいのだろうか。


「うっ……ごほっごほっ……っぁ」


うーん……もしかしなくても重症っぽいなぁ~。

それに、最初熱なのかと思ったけどこれ熱じゃないっぽいなぁ~。

これ、呪いかな?


呪い。

それは禁術と呼ばれる類の魔法のひとつ。

禁術っていうのは、名前の通り禁止された魔法のこと。


『スイ、スイ、はやくなんとかしてー!』


そう言われてもなぁ……。


私は今完全に苦笑いだと思う。


はあ……ミーがここまで言うんだし、しょうがないなぁ。

でも呪いってはじめてなんだよなぁ……呪詛返し、だっけ?

それすれば治るのかな?

それとも呪い自体を消滅させる?

とりあえず、誰が呪ったのか確認しないとだねぇ……。

てかその前にこの子誰だ?

見た感じ私と同じくらいの年だよね。

まああとで聞くしかないか。


男の子に手をかざす。


頭の中で、男の子から糸がピン、と伸びた。

そしてそれはある女の人へとたどり着く。


「セスリア?セスリアって誰……」


ま、まあとりあえず誰が呪ったかは特定したし、あとはこの呪いをどうするか、だね……。

よし、消すか。

どうせなら跡形もなく消してやろう。

ふっふっふっ。


「早く消えろよ」


私の呟きと同時に、男の子の頬や手の甲に黒い蔓のような模様が浮かぶ。

そしてだんだん薄くなり、何回か瞬きをすると消えた。


「私やミーに見つからなかったら、ばれなかったのに。かわいそ」


だんだん表情が柔らかくなってきた男の子を見ながら呪いをかけた人を考えてそっと呟いた。


『スイすごーい!! もうこの子だいじょーぶなのー?』

「うん。たぶんね」

『この子と早くおはなししたいなぁ~。早くおきないかなぁ~?』


るんるんとミーは男の子の顔を舐める。


「ん……」


男の子は目を開く。

綺麗な、碧眼だった。

やっぱり今月はできたらもう一回更新したいなーと思ってます。

おそらく月末になると思います。


七月三十一日 申し訳ありません……次回更新は八月上旬になります。すみません。

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