参
「ユイ、SNS見た?」
この状態で私の話をまともに聞けるのか疑問だが、いつか振られる話題だろうし何の問題もないだろう。
「アユカ……アユカがっ!!」
予想通りの表情で予想通りの言葉を紡ぐ彼女は滑稽だ。
「ねぇ、ユイ。私が貴方を助けてあげる。スランプで抜け出せなかったあの時みたいに」依存出来るものを失った途端、彼女はまともな考えを失う。そして少しの甘い言葉で私から離れられなくなる。
「本当……?」
「でも今回はタダとは言わない」
「なんでもする……だからっ!」
「じゃあ、貴方の力私に貸してよ」
「私と協力して?」
「ねぇ、お母さん__」
「はぁ……はぁ」
「ユイ……ユカ……リ」
「結構上手くいくもんだね」
「……あれ私」
「大丈夫? お母さん急に気分悪くなったみたいだったけど」
「えぇ、大丈夫よ……」
「でも良かった」
「何が……?」
「愛しい2人に囲まれて、邪魔なあの子はいなくて。あの子に身体を支えてもらうなんて鳥肌がたっちゃうもの。あ、これはアユカに言っちゃダメよ? 何か言われても面倒だから」
ニヤリと笑うユカリ。
ニコリと笑みを浮かべるが何処か悲しそうなユイ。
そして悪魔の誕生だ。