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生贄少女の醒めない幸福な夢  作者: ばあむ。
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3

「今日は皆で遊園地に行こうよー!」


ユイのその言葉をきっかけに一ヶ月前に訪れたばかりの遊園地にまた行くこととなった。そして今、最初は何に乗るべきかという話し合いの真っ只中だった。

「やっぱり、最初はジェットコースターだよ!」「いや、コーヒーカップでしょ」

ユイとユカリが言い争うことで、ご覧の通り話は拮抗していた。アヤミかアユカが、ここでどちらかの意見に賛成すればそれで終わりなのだがアヤミはどちらでも良いようだ。一方、アユカは何かを考えるように空を見上げていた。

「アユカ……?」

ユイがアユカの名前を呼ぶとそっと2人の視線が交わった。


「どういうこと……?」

「この時間も終わるなって」

「まだ来たばっかりだよね?」

「そうだね」


「何2人で話してるの?」

ユカリがアヤミとの口論を一時中断して此方に来たようだった。

「体調悪くなってきたからジュース買って日陰で休むって伝えてたとこ」

くるりと体を回転させ、それじゃあと手を振るアユカの腕を無理やり掴んだユカリが言った。

「本当は何の話だったの」

ユイはユカリの顔を見た途端、表情を変えた。2人で話していた時も楽しいとかプラスの感情ではなかったものの、どういうことなんだろうという疑問の感情だったので確実にマイナスの感情ではなかった。それが、今ユイの感情がマイナスに振り切っている。

「ユイも体調悪そうだから一緒に連れてく。それで、聞きたかったことって私達の体調より大事な話?」

アユカのパンチの効いた鋭い言葉、そして良く響く声によって3人の間に沈黙が流れる。

「ごめん……なんか、どうかしてたかも」


その言葉に2人はうんともすんとも言わずに立ち去った。


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