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生贄少女の醒めない幸福な夢  作者: ばあむ。
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「初めまして、2人のお姉ちゃんになるアユカです! よろしくね」

最大限の笑顔を見せ優しく話し掛けようと試みたが、2人は私に対して怯えているように見えた。しかし無理もないだろう。


だって、彼女は4歳、6歳になったばかりの子供に初めて姉である私を紹介したのだから。

今までは、おばあちゃんのお家にいたから会えなかったんだなんて適当な嘘を吐いて握手を求めるが2人は私の手を握ることはなかった。


本当は全てを曝け出してどこか遠くへ行きたいけれど、 2人は何も悪くない。だから仲良くしたいのだがやはりそう簡単にはいかないか。

「少しずつでもいいから仲良くしてね……!」めげずに声をかけて一度その場から立ち去る。


つい先日まで、私はお父さんと一緒に暮らしていた。しかし私がお父さんに無理を言って此方に住む事にしたのだ。上手くいかないことだらけだったけれど、絶対幸せだった日々に戻して見せると。何の根拠もなかったけれどお父さんのためにとそう約束をした。お父さんはそんな事しなくても良いと言ったが時折お父さんは悲しそうな表情をするのだ。でもとても愛おしそうにユカリやユイやアヤミを見つめる。


大丈夫。だって私お姉ちゃんだもん。

コンコンとノック音が部屋に響く。


誰も部屋には立ち入らない。

しかし、扉越しに声が聞こえた。


「アユカ、くれぐれも邪魔はしないことね」

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