茂夫の言い分6
俺の好きななみきが腹空かして帰ってくるんだぜ。それぐらい、いいわな。なんて心の中で言ってはいるものの、だんだん涙が込み上げてきて、俺またないちまった、大声で……。一人でよお……そいで、
右手で床どんどん叩いたんだ、傷のことも忘れてよお〜。
泣きながらその場で飛び上がっちまった。血と涙がいっしょになってよ!.なめてみたらしょっぱい
の〜。
「早くみき帰ってこねえかなあ!」
なんてつぶやいて、料理にか取りかったわけだけど、右手痛くて痛くて包丁にぎれねえんだよ〜。仕方な
いから左手で包丁にぎって作ったよ。にんじんがめちゃくちゃ三角だの四角だの……でもって、にんじ
んこんなんじゃいけねえって思ってよお。世界一いい男の俺さまが、じっくり一切れ一切れ切って作
って、四時問もして作った。俺の傑作品。われながら驚いたね.
やればできるんだなって、でも俺傑作品作った後なんだかホッとしてね。
ため息でちまいやかっか。
その後へもしたけどよ。もうクタクタ……。
でも俺抖理作った後って一番好きで、俺もコックなんだなって感じするんだよ。
このなんのとりえもない俺のたった一つの生きがいっての、もちろんとりえは、この太っ朧の性格だ
けど、生きがいは料理なんだ。料理もとりえにいれてもいいけど、俺は料理よりも自分の性格に惚れて、
るんだよね。
ほれぼれするぜ。
この腕をつかわずに一切れ一切れ心をこめて作った料理を、ミキがほっぺたをおとしながらくらいつ




