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1 ねことぱんだとアップルパイ

つらい、なやめる、そんな時気楽に読める心のサプリメントです。   


「デミグラスソースに赤ワインとトマト」

台所でひとり言を言っているのは、ぱんだのパダさんです。そこへ

「何つくっているの?」

と、ねこのみーにゃんがやってきました。

「ハヤシライスをね、つくろうと思って」

と、パダさん。「基本のソースは冷凍庫に作り置きしているからね」

 みーにゃんが言いました。

「私はアップルパイをつくろうと思って。でもみゃうがシナモン苦手だから、シナモンぬきね」

 台所にはぽかぽかと窓から光がさしこみ、ガラスの向こうには木々の緑がさやさやとそよいでいます。トマトをきりながら、

「みんな、何しているの?」

と、パダさんがたずねました。

「みゃうはにゃっぷるに本を読んでもらっている。くうちゃんはそばでおとなしくしているよ」

と、みーにゃんが答えます。

 みゃうはやんちゃなこぶりのねこで、にゃっぷるは大人のねこさん。にゃっぷるはコーヒーや紅茶を飲みながら、推理小説を読むのが大好き。くうちゃんはとても小さなこぐまです。みゃうやくうちゃんに本を読むときはもちろん、にゃっぷるは推理小説ではなく楽しい子供向けの本を読んであげます。

「ただいまー」

たぬきのぽこりんと大きなねこさんのめるみが、町での買物から帰ってきました。二人が同時に言いました。

「みんなー、おみやげはバターもちだよ。」

 

 夕焼けが少しずつうすれ、藍色に空がかわるころ、全員が食卓につきました。ぱんだのパダさん、たぬきのぽこりん、こぐまのくうちゃん、ねこのみーにゃん、大人ねこのにゃっぷる、大きなねこさんのめるみ、やんちゃなこねこのみゃうです。

 ワイワイ、がやがや、にぎやかな時間がはじまりました。

「あたち、パダしゃんのハヤシライス大しゅき」

みゃうは、うれしくてしょうがないという顔です。でも、めるみは不満そう。

「アップルパイとバターもちの切り方が小さいよお」

 めるみが食べすぎないように、みーにゃんが小さく切ってみんなに渡していたのです。他の人たちは満足そう。

 ねことぱんだの家は、楽しく暮れていきました。


注)みんな妖精さんたちですから、匹ではなく人となるのです。 


お話は続いていきます。

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