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ツンデレなクラスメイトと頭可笑しい後輩とスクールライフなんてやって行けない  作者: ちとせ
五月十四日(火)〜 五月十八日(土)
9/24

九限 ~ 難易度は「鬼」

 結局、手っ取り早くも来いっていったから、授業が終わった瞬間、着替えずにコートへ向かう事にした。着いた所で、既に待っている女子生徒が一人。


「遅いっ!」


 厳しい眼差しと、ビシッと手に持っているラケットでこっちへ指している。八島部長だ。

 部長だが、何だかいつもと全然違う人みたいだ。


「一番で着くと言ったはずじゃないか」

「え、でも、まだ誰も来ていないんですよね?」


 周りを見て、やっぱり誰もいない。みんなまだ着替え中だろうな。

 だがそう言われたら、先輩は「むっ」とラケットの方向を半回転させ、自分の上半身(胸)を当たる。


「一番は?」

「せ、先輩、です」


 そして再びこっちへ指す。


「じゃあ君は?」

「……二番、です」

「課題不合格。まあいい。それより」


 先輩が腕を下げる。

 何故か緊張する。先輩って、やっぱり部長だなーって感じか。


「ここは?」

「え? コートですが……?」

「服」

「あ、体操服持ってます」


 やっぱ先に着替えた方がよかったかな? いやそりゃもっと遅くなるんじゃん。


「そこの倉庫、30秒」

「は、はっ」


 スパルタって言う事なのか、これ。

 焦りながらも倉庫に走って、迅速に着替える。そしてそこに置いてあるラケットに気付き、部長が待ってるトコに持ち出す。


「んっ、ギリギリだがセーフ。じゃ、始めるのだ」

「え、今すぐですか?」

「さっきのはウォームアップ。文句ある?」

「あ、いえ……」


 サーブラインの後ろに行く部長。そうして、俺は斜め反対の角に向かう。

 何故、今テニスをやるのかはよく分からないけど、部長を見たらどうでもよくなってた。ただやるだけだ。

 そういや、明坂の時も同じようだったな。


「君からサーブ。腕を見せてやれ」




 最初から厳しい戦い。続くと徐々に、珍しいボールが増えてくる。それは、敢えて難しいのとも、ポイントを決めるのとも限らず、むしろ、前へのロブとか、反撃の挑発のようなのが多い。だが、そんな長いやり取りこそが疲れる。

 見せてやれって言ったから、なら思いっ切りやる。と言った所。


30(thirty)0(love)


 二ゲーム目に至り、部長のサーブにはスピンが入りすぎて、いいリターンが出来ない。部長も、明坂には劣らない。一ゲーム目のデュースで勝ったのも、ただ試されたからだろう。

 ゲームが続いて、気が付いたら、いつの間にかもう部員達が来てる。

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