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ツンデレなクラスメイトと頭可笑しい後輩とスクールライフなんてやって行けない  作者: ちとせ
五月十四日(火)〜 五月十八日(土)
5/24

五限 〜 エスケーピズム

 朝。


「先輩おはよー」

「1年の花田日さんじゃない。授業始まるよ、自分の教室に戻って」

「えぇー……」

「先生助かったー」

「放課後、頼みがあるからね」

「え」




 昼。


「先輩ー。たまたまお弁当拾いましたけど」

「悪ぃ。要平と学食に行く事になったんだ」

「え、そうかい?」

「さっき言ってたじゃねぇか」

「まぁ、多分?」

「んで、悪ぃな」

「べ、別にいい、ですよ?」


 何だか花田日を帰らせた、要平を騙して。


「で、説明(アンド)奢り〜」


 ……そうでもなかった。




 学食。割と満員。

 花田日みたいな奴が行きたくない場所だろう。


「んで、話せ」


 自分の前は塩うどん。


「何これ」


 向こう側にはチャーシューラーメン。

 要平もう啜ってる。


「何故俺はうどんなんだ?」

「いや自分で注文しただろ」

「ボタン間違えただけだ。ラーメンくれ」

「嫌だ」

「チャーシュー譲る訳には行かないんだ!」

「俺もう食ってるけどな!」

「ほら、塩うどんあげる!」

「要らねえ!」

「奢る奴にそんな態度か!? あん!?」

「助けたのはどっちだ!?」

「事情説明するって言っただろ! いいじゃねぇか!」

「ぐぬぬっ。半分こ!」


 何言ってんだ、こいつ。ラーメンだぞ?


「上等だ!」


 ……。

 結局、それぞれの料理の4分食って、交換して、繰り返した。

 周りの視線、特にアレ系の女子からのを無視して。


「んで、あの1年、花田日だっけ、つまりヤバいやつ?」

「まぁ、昨日昼間から気絶したのはあいつのせいだしな、一応」

「てか明坂とまだ仲直りしてないのか?」

「そう簡単言うなよ、避けられてるし」

「ま、あいつ、負けた男子に飽きるタイプらしいからな」

「そうか?」

「噂だよ、噂。誰も明坂を誰かと付き合ってるの見た事ないから。まっ、花田日って子と頑張れ、かな? それとも明坂倒す?」




 放課後。


「あ、先輩。放課後ですよ」

大城おおき先生に頼まれた事ある」

「なら、手伝わせてくださいっ」


 ……。


「物運びよ」

「うぇぇー……」

「花田日さん、一人で十分よ」


 邪魔するな、って意味で。


「て、手伝いますっ!」

「試験管、何本壊したかしら?」

「……2本?」

「5本。授業での」


 うわっ、いくらだって多すぎじゃね? あいつの入学ってたった一ヶ月半経ってるじゃん。


「ごめんなさいです……」

「ほらっ、ショボってる間に行こ」

「あ、はい……」


 先生も気楽だな。




 その後。


「せ・ん・ぱ・い。お疲れ様です!」


 どうやら復活した。逃げる。

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