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ツンデレなクラスメイトと頭可笑しい後輩とスクールライフなんてやって行けない  作者: ちとせ
五月十四日(火)〜 五月十八日(土)
2/24

二限 〜 テニスのエース

 我が身に数多の視線。

 目の前にフルスイングの用意終了で熱い視線で貫く少女。

 そして……。


 ダッ

「くっ!」

40(forty)0(love)

「まさかその程度じゃないでしょうね?」


 繰り返す。どうやってこうなったんだよ……




 ――数分前。

「先週転校してきた、2年B組の神崎かんざき神羅しんらです。よろしくお願いします」

「ふ〜ん、めぐみんと同じクラスね。それも運命か……」

 また(要平みたいに)めんどくさそうなやつ。

「べ、別に運命とかじゃないから。偶然よ、偶然!」

「ニヤニヤ。あ、私? 八島やじま卯月うづきだよ。うーちゃん先輩と呼んでもいいよ?」

 絶対呼ばないわ。それ。

 てか、よくそんな奴が部長やってるな。

「で、1セットやってもらえないかな」




『ゲーム・セット・マッチ。明坂選手』

「そんな事ねぇ。まぁ」

 なんだよ、そんな態度は。

「なんか、押し掛けてゴメンね」

「いや、別に……」


 聞こえたかどうか、明坂は立ち去った。

 表情も見えずに。

 後を追うかを躊躇う最中、後ろから話し掛けられる。


「ふ〜ん、そう言う事ね。長い間だったよね。お疲れ」

「あの、なんか悪い事しました?」

「え? あぁ、めぐみんの事? んー、入部したらヒントあげるかな?」

 えー、なんじゃそりゃ。




 まぁ、断る理由はない。むしろ、中学の時に全国に出た事もあったし、入らない方がおかしいかも知れない。

 でも、事情があって、前に通った高校、テニス部がない高校に入った。

 他のスポーツを始める気はなかったし、そのせいで1年以上も筋肉維持をあまりしなかった。

 流石にあの部長も気付いたんだろう。


「おい、何朝から困った顔してんだ、神羅?」

「んん? 別にー」

「いやいやしてるさ、分かんないのか?」


 要平を聞き流し、目がクラスメイトの一人に止まる。


「……っ」


 あ、気付いてそっぽ向いた。


「ん? ああーまさか明坂と喧嘩したとか?」

「そんな覚えはないが」

「じゃあ一勝負で負けたとか? エースとは言え期待し過ぎガチらしいぞ」

「エース?」

「ああ、テニス部のエース、明坂めぐみ。知らんかった?」


 ああ、ヤケに強かった訳になるなぁ。

 それじゃあ昨日の事は……?


「……」

「マジで完敗したかよ!?」

「完敗じゃねぇよ」




「1対3のセットだよ」

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