「こんなところで死ねるか!!!」
タイトル回収がなかなかできない。
今日のタイトルはァ~?
と、まあそんなわけで魔王の前に転移しちゃったんだ。
いやいや確かにねルキナさん「転移するところはランダムです」って言ってたけども、言ってたけども!いきなり魔王の前はないでしょ!?しかも測定不能ってなんだよ!?俺のスカウターぶっ壊れちまってるじゃねえかッ!
脳内でツッコミをしている俺を魔王が数秒見つめると、
「フン!レベルたったの1か…ゴミめ…」
いやそりゃ転移したばっかだから1でしょ、とツッコミそうになるがグッとこらえる。こんな恐ろしいやつにツッコミなんかしたら何されるか分からん!
そこでは俺はハッと冷静になった。いつの間にか俺の前にいた魔王がパ●スも裸足で逃げ出す程の火の塊を出していた。そして一言。
「消えろ」
その瞬間火の塊が俺に接近し始めた。そして俺も一言呟いた。
「どうしてこうなった……」
走馬燈……という言葉をご存じだろうか? 人が死に瀕した時、何とか生き延びる方法を探そうとして一気にこれまでの記憶を検索する為に過去の記憶を思い出す現象の事である。
煉華は走馬燈を見ていた。
そこには男の子がいた。男の子は小学1年生だった。いつものように学校から家に帰ろうとすると河川敷の橋の下に見かけない少女がいるのに気が付いた。男の子が近づくと少女が泣いていることに気が付いた。
「ねえねえ君何で泣いてるの?何か悲しい事でもあったの?」
「…え?あなた、誰?」
「僕の名前はれんか漢字はまだ習ってないから分からないんだ。君の名前は?」
「グスンッわたしの名前はひかる。太陽の陽って書いて陽。」
「へ~いい名前だねッ、でも泣いてたら太陽になれないよ?だって雨になっちゃうじゃないか。だからもっと笑ってよ、ね?」
女の子の涙は止まっていた。そして顔を赤らめてこう言った。
「そ、そんなこと言われたの初めてだよ…お父さんにもお母さんにも誰にも言われたことなかった…ありがとう、とっても嬉しいよ。」
「…ッ!え、えへへへ、どういたしまして。…あ、そうだッほらコッチきて?」
煉華は少女の笑顔を見て少し顔が赤くなったがそれを紛らわすかのように橋の影から少女を連れ出すと、太陽を指差した。
「あんまり見ちゃダメだけどね、あれが太陽だよ。あったかいし、明るいよね。君はみんなの太陽になりたいんでしょ?いきなり太陽にはなれないから...うんッそうだッまずは僕の太陽になってよ!それからみんなの太陽になってみよう?」
+
少女はある大企業の社長の次女だった。
長女は幼稚園の頃から何でも出来る子供だった。まさに才色兼備を具現化したような。
だがそれに比べて次女はどうだろう、何をやらせてもダメ、運動すらまともにできない。
当たり前だ、少女はまだ小学生に上がったばかりだった。長女が異常なのだ、それに気づかず失望した社長は親の代から居る一人の執事に、
「遠くの土地に家を建てた、二人でそこに住むように」
と命じた。執事は反論をしなかった。執事は少女が愛されていないことを知っていた。同時に主には何を言っても無駄だということも知っていた…
そして引っ越した先で少女がいなくなるはもう少し先の話…
+
「え!?あ、あなたの太陽に…?……う、うんッなるッ私あなたの太陽になるよ。」
「やった~これで夢に一歩近づいたね!」
そこには少女がいた。少女はいつもある男の子と遊んでいた。雨の日も晴れの日も。女の子の顔はいつも太陽のように明るく輝いていた。それは男の子の太陽になるために...
………………………
………………
………
煉華の脳は瞬時に動き始めた。
ルキナさんは魔王を倒したら元の世界に帰れるって言った。つまりこいつを倒せば帰れるって事だ。俺はこんな……こんな…
「こんなところで死ねるか!!!」
確かもらったスキルに…......あった!
〈カウンター〉 概要:当たった攻撃を問答無用で相手にダメージを2乗して返す
そこで俺は止まった。
…これどうやったら出せるの?
そんなことを考えるともう目の前に火の塊が接近していた。今まで感じたことのない熱風が俺の頭を狂わせた。
「くっそォォォォ!!俺の太陽は陽だけで十分だ!!2個もいるかよッ!」
迫り来る灼熱から生を掴みとるため半ばやけくそ気味に両手を突き出す。
「カウンター!!!!!!!」
名前を叫ぶだけという暴挙にでた煉華の記憶はそこで途切れた。
テラフォ●マーズ 蛭間●郎 と テ●ン でしたァ~