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2回も異世界転移したのでもう自重しない  作者: しらべ
第01章 異世界転移編
3/36

おまたせ。  ようやく冒頭のシーンに戻るわけだ

今日のタイトルはァ~?




 「あなたに魔王の討伐をお願いしたいのですが。」


 押しに弱い煉華だがこの頼みは自ら進んで了承した。


 「是非やらせてください!」


 「...やっぱり即答なんですね...」


 体など碌に動かしたことなどない煉華だがバトル漫画を読めば興奮するし格闘ゲームをやれば熱くなる普通の少年なのだ。


 「...わかりました。魔王はどこにいるのかも分かりません。しかもこの世のありとあらゆる呪文を覚えています。絡め技、体術など様々な攻撃を繰り出してくるでしょう。対峙するときは注意してください。」

 

 「了解です!」

 

 「はぁ、では注意事項を話します。」


 煉華の気合に一抹の不安を覚え思わずため息が出るルキナだがそれを考えていると話が進まなさそうなので話を続ける。


 「まず一つ目です。これから私が貴方に向かって転移魔法をかけます。ですが()()転移魔法では、転移先がランダムになってしまいます。」


 「え?どうしてですか?」


 思わず聞き返してしまった煉華、聞き返されたルキナは意味ありげに目を逸らした。


 「いやぁ…完全な転移魔法を使える人が前に居たんですけど…諸事情によりいなくなってしまったので、私が転移魔法を使ってるんです。まあ私の転移魔法はまだ未熟で転移先がランダムになってしまうんですけれどね…」


 「そうなんですか。まあ僕は転移先が何処でも、大丈夫ですけどね!多分。」


 「そう言っていただけると助かります。あ、注意点の2つ目ですが、魔王を倒すと自動で元の世界に戻って来ることができます。」


 煉華は聞き逃してしまった。()()()戻って来る、つまり…魔王を倒してしまうとその時点で元の世界に戻ってしまうという事である。しかし本人が夢中で頭の中で立てたプランから察するに魔王討伐はかなり後になりそうだった。


 ちなみに煉華は、ランダム転移かぁ、どこに転移するんだろう?魔王を倒したら()()()()戻って来れるのか…そんなことをのほほんと考えていた。案の定ルキナの話はよく聞いていなかったようである。結局向こうで考えようという結論に達した煉華にルキナが声を掛ける。


 「では、これから転移を始めます」

 

 「あれっ?ちょっと待ってください。僕、瞬間移動(テレポート)の能力持ってますよ?それで転移は出来ないんですか?」


 「転移はこの部屋の魔法陣でしか出来ないんです。この場所全体に結界が張ってあってこの部屋以外だと発動しないようになっていて...って!そんな能力持ってるんですか?!凄いですね...」


 いーなー私も欲しいなー、と独り言を言いながら魔法を唱えるルキナ。呪文を唱え終わると煉華の足元に半径1m程の光のサークルが出現した。


 「あ、いろいろありがとうございました。」


 煉華がそういうとルキナがにっこり笑った。


 「いえいえ、それよりも魔王をしっかり倒してくださいね?それでは行ってらっしゃい。」

 

 「はい、行ってきます!」


 そうして煉華は光に包まれた。







 暫くしてから煉華が目を開けるとそこは薄暗い場所だった。目の前には豪華な装飾の施された椅子が置いてあったがそんなものは煉華の目に映ってはいなかった。


「おおおおお!夢にまで見た異世界転移!バンザイ異世界 ビバ転移!」


 そんな感じでテンションの上がっている煉華には何も見えていなかった。


 「……誰だ、吾輩の椅子の前にいるのは?」


 煉華の額から冷や汗が垂れ始めた。さっきまでのテンションが全て吹き飛ぶような声、直感がヤバいと感じ、振り向いたらダメだと煉華の第六感がビンビン反応しているがなぜか煉華は振り返るのをやめなかった。恐らく怖いもの見たさという奴なのだろう。


 そこにいたのは男だった。


 薄暗いので煉華には顔があまりよく見えなかったが、振り返る時よりも冷や汗の量は確実に増えていた。


 そのまま煉華が凝視しているとなにか表示された。

 

 名前:セト 魔王

レベル:測定不能

 HP:測定不能

 MP:測定不能

攻撃力:測定不能

敏捷力:測定不能

防御力:測定不能

 魔力:測定不能





 おまたせ。


 ようやく冒頭のシーンに戻るわけだ。


 本名、柏木煉華。キャラ名、レンカの異世界生活はこんな感じで始まった。

デ●マーチからはじまる異世界狂想曲 サ●ゥー でしたァ

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