どうしてこうなった
今日のタイトルはァ~?
そこは暗闇だった。暗闇とは言っても完全な暗闇という訳では無く窓から差し込まれる陽が薄くその場所を照らしている。
そこには二人の男がいた。一人は漆黒のローブをまとった長身で白髪の男。
男は椅子の前に立っておりその椅子には豪華な装飾が施されている。整った顔立ちに人を射殺すような視線を兼ね備えたその顔に透き通るような白い髪の毛が加わり、美しさと気品を兼ね備えた美男子となっていた。
そんな男の眼前に二人目の男、少年がいた。
少年は高校生ぐらいの背丈に加え普通の顔立ち──所謂フツメンであり、彼らの違いがこれだけでも浮き出ているのに対し少年の服装は色は黒を基調としており、素材は100%ポリエステルで作られている。何を隠そうジャージである。
彼らの間に貧富の差が生まれているのかと言われればそれは違う。あるとすれば、それは世界の差である。
そう──少年は異世界に来ていたのだった。
そして少年の目の前には巨大な火の玉があった。いや果たして火と呼んでいいのか、目の前にあるそれは溶岩のようにグツグツという音を発している。直径10メートルはあるだろうか、今なお膨張しているそれは球体となって少年の目の前に浮いていた。目の前とはいっても20メートルほど離れている。だがそれでも目の前にあると思ってしまうのはそれから発せられている熱風が少年の感覚を麻痺させているせいなのかもしれない。
球体の下には片腕だけを上に挙げている一人の男がいた、吸い込まれるような漆黒のローブを羽織っており、球体を生み出した張本人であった。男はそれの至近距離にいるはずなのに顔色一つ変えずに少年を見据えている。
そして一言
「......消えろ」
そう男が呟き上に向けていた腕を少年の方に向ける。その瞬間それが急速に少年に接近してきた。
今まで浴びたことのない熱風を浴びながら少年も一言呟いた。
「どうしてこうなった......」
ニコニコ実況者 まんじ●ろ でしたァ〜