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優しさのゆくえ  作者: 藤乃 澄乃
優しさの鼓動
9/36

夕暮れの公園で

アフタヌーン・ティーセットをいただいたあと、夕暮れの公園で……。

 アフタヌーン・ティーセットをいただいた後、特に行くあてもなく歩いていた。


「これからどうする? どこか行きたいところとかある?」

「いえ、別に」

「じゃあ、外を歩こうか」

「はい」


 しばらく歩いて、都会のオアシスと呼ぶに相応しい大きな公園にさしかかった。

 夕暮れの公園、前を歩く川崎さんがベンチの前まで行って、クルッと振り返り何か言いたそうにしている。


「あ、あの。山口さん」

「は、はい」

 川崎さんの真面目な面持ちに緊張がはしる。

「僕と正式にお付き合いしてもらえませんか?」

「え、でも」

「初めてお会いしたときから、山口さんのことが好きになりました」


 ドキン


 彼は続ける。

「今まで一目惚れなんてないって思っていたのですが、間違っていました」

 ああ、どうしよう。そう言われてもまだ”友達の友達の友達”から”友達の友達”になったくらいの距離感。

 ちょっと気になる存在だけど”友達の友達”。まだ……。


「話せば話すほど、会えば会うほどに好きになっていく自分に気付きます」


 もちろん好意がなければ2人で出かけたりはしない。でもまだそんな関係には、恋人にはなれない。かといってキッパリと断る気にもなれない。

「ありがとうございます。でもまだそんな……」


 一呼吸おいて落胆した様子で苦笑いの川崎さん。

「……そうですか。そうですよね」

「すみません」

「いえ、僕のほうこそすみません。なんか先走っちゃって。このままモヤモヤしているより、ちゃんと自分の気持ちを伝えたかったので。困らせちゃったみたいで、なんかすみません」

「あ、謝らないで下さい。川崎さんのお気持ちは嬉しいです。ただ、もう少しお時間をいただきたいなと。まずはお友達からということではダメですか?」

「え、あ、はい。それで充分です。まずは友達ですね。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


 2人してお辞儀をして顔を見合わせ大笑いした。


「じゃあ、とりあえず、敬語はなしにしませんか? って僕も敬語を使っちゃってますが、友達ならもっとフランクに話せるといいかな」

「でも、川崎さんは3つも年上ですし、やっぱり……」

「そんなの関係ないよ」

「そうですね、友達ですもんね。じゃあそうします」

「あ、まだ敬語つかってる」

「あ、(笑)急にはムリみたいですね」

「ゆっくりでいいよ、ゆっくりで」


 ああ、何故か優しさに包まれてゆく……。でもまだ友達。


 やっと友達……。



お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします。

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