ストロベリーティー
初めて2人で待ち合わせ……。
それから何度か川崎さんから電話があった。その日の出来事やなんかをいろいろと話すうちに……。
『あの、今度会ってもらえませんか?』
「会うって……」
『すみません、言い方が悪かったですね。今度食事でもどうですか?』
「食事ですか」
『はい、ダメですか?』
「まあ、いいですけど」
渋々OKをした……ようなふりをした。
電話で話していても楽しいけど、実際会って目を見ながら話さないと真意は解らない。電話でも話し方や語尾のちょっとしたニュアンス、抑揚なんかで大体は解るけど……。私が考えすぎなのか。でも、まだ”友達の友達の友達”ではある。どんな人かよく見極めないと。
『じゃあ、明日! 明日の土曜日はどうですか?』
「明日ですか? 急ですね」
『善は急げって言うでしょう?』
「そうですけど」
『じゃあ決まり』
ちょっと強引。
「……」
『それとも何か予定でもありましたか?』
「時間帯によります」
ああ、私って素直じゃないな。ホントは明日の予定なんてない。でも、安請け合いはしたくないし。
『2時、2時はどうですか?』
「解りました。じゃ2時に」
『場所は……』
「間をとってターミナルでいいんじゃないですか?」
『では2時にターミナルのコンコースで』
「はい。おやすみなさい」
『あ、おやすみなさい。楽しみにしています』
ふぅ、と電話を切ったあと大きめのため息をついた。
明日か。……ふふふ。何着ていこっか。今からファッションショーを始める?
いやいや、明日に備えて今日は早く寝よう。服装は寝ながら考えよう。
でも、なかなか寝つけない。期待と不安が入り交じる。だって……。
次の日、コンコースには2時10分前に着いた。川崎さんはもう待っている。
小走りで彼の方に行き、軽く挨拶を交わし歩き出した。一体どこのお店に連れて行ってくれるのだろう。あ、でもこの辺りは詳しくないかもしれないな。
その後地下街なんかを歩いて、美味しそうなアフタヌーン・ティーセットがいただけるお店で、ティータイムを過ごすことになった。勿論、アフタヌーン・ティーセットを注文して。紅茶は、ストロベリーティー。
初めて飲むストロベリーティーは、摘みたてのイチゴを思わせるフレッシュで甘酸っぱい香りがする。
「ストロベリーティーはね、ストレートでも美味しいけど濃いめにして、たっぷりのミルクを注げばイチゴミルクティーにもなるんだよ」
「わあ、そうなんですか。じゃあ2杯目はそうしてみますね」
川崎さんは、バラのことについてもそうだったけど、私の知らないことをよく知っているんだな。いろんなことを教えてもらうのって、なんか嬉しいな。
そこへサンドウィッチ、スコーン、ケーキなどが盛られた3段重ねのティースタンドが運ばれてきた。
「わあ、おいしそう」
「おいしそうだね」
「これは、私知ってますよ。サンドウィッチ、スコーン、ケーキの順番で食べるのが礼儀なんですよね」
「ああ、よく知ってるね」
ストロベリーティーにたっぷりのミルクを注いで、イチゴミルクティーをいただいた。
もう、女子大好きな味わいだ。
話も弾み、だんだんと川崎さんに惹かれていく自分に、ちょっと戸惑いながらも楽しい時間を過ごした。
私の心の甘酸っぱいストロベリーティーは、甘いイチゴミルクティーになるのかな?
お読み下さりありがとうございました。
次話もよろしくお願いします。




