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優しさのゆくえ  作者: 藤乃 澄乃
優しさの鼓動
8/36

ストロベリーティー

初めて2人で待ち合わせ……。

 それから何度か川崎さんから電話があった。その日の出来事やなんかをいろいろと話すうちに……。



『あの、今度会ってもらえませんか?』

「会うって……」

『すみません、言い方が悪かったですね。今度食事でもどうですか?』

「食事ですか」

『はい、ダメですか?』

「まあ、いいですけど」

 渋々OKをした……ようなふりをした。


 電話で話していても楽しいけど、実際会って目を見ながら話さないと真意は解らない。電話でも話し方や語尾のちょっとしたニュアンス、抑揚なんかで大体は解るけど……。私が考えすぎなのか。でも、まだ”友達の友達の友達”ではある。どんな人かよく見極めないと。


『じゃあ、明日! 明日の土曜日はどうですか?』

「明日ですか? 急ですね」

『善は急げって言うでしょう?』

「そうですけど」

『じゃあ決まり』

 ちょっと強引。


「……」

『それとも何か予定でもありましたか?』

「時間帯によります」

 ああ、私って素直じゃないな。ホントは明日の予定なんてない。でも、安請け合いはしたくないし。


『2時、2時はどうですか?』

「解りました。じゃ2時に」

『場所は……』

あいだをとってターミナルでいいんじゃないですか?」

『では2時にターミナルのコンコースで』

「はい。おやすみなさい」

『あ、おやすみなさい。楽しみにしています』



 ふぅ、と電話を切ったあと大きめのため息をついた。

 明日か。……ふふふ。何着ていこっか。今からファッションショーを始める? 

 いやいや、明日に備えて今日は早く寝よう。服装は寝ながら考えよう。

 でも、なかなか寝つけない。期待と不安が入り交じる。だって……。




 次の日、コンコースには2時10分前に着いた。川崎さんはもう待っている。

 小走りで彼の方に行き、軽く挨拶を交わし歩き出した。一体どこのお店に連れて行ってくれるのだろう。あ、でもこの辺りは詳しくないかもしれないな。


 その後地下街なんかを歩いて、美味しそうなアフタヌーン・ティーセットがいただけるお店で、ティータイムを過ごすことになった。勿論、アフタヌーン・ティーセットを注文して。紅茶は、ストロベリーティー。

 初めて飲むストロベリーティーは、摘みたてのイチゴを思わせるフレッシュで甘酸っぱい香りがする。


「ストロベリーティーはね、ストレートでも美味しいけど濃いめにして、たっぷりのミルクを注げばイチゴミルクティーにもなるんだよ」

「わあ、そうなんですか。じゃあ2杯目はそうしてみますね」

 川崎さんは、バラのことについてもそうだったけど、私の知らないことをよく知っているんだな。いろんなことを教えてもらうのって、なんか嬉しいな。


 そこへサンドウィッチ、スコーン、ケーキなどが盛られた3段重ねのティースタンドが運ばれてきた。

「わあ、おいしそう」

「おいしそうだね」

「これは、私知ってますよ。サンドウィッチ、スコーン、ケーキの順番で食べるのが礼儀なんですよね」

「ああ、よく知ってるね」

 ストロベリーティーにたっぷりのミルクを注いで、イチゴミルクティーをいただいた。

 もう、女子大好きな味わいだ。


 話も弾み、だんだんと川崎さんに惹かれていく自分に、ちょっと戸惑いながらも楽しい時間を過ごした。

 私の心の甘酸っぱいストロベリーティーは、甘いイチゴミルクティーになるのかな?




お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします。

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