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優しさのゆくえ  作者: 藤乃 澄乃
優しさのゆくえ 『そして……』
23/36

気まずいムード

なんかイヤですよね、気まずいのって……。

 るうちゃんの川崎さんに対する気持ちを知った時、凄く心配したのに。今朝の学校でのことといい、こんなに露骨に嫌がらせをするような子には思えなかったのに。なんか寂しいよ。

 

 そんなことをしたら相手がどんな気持ちになるのか、考えなかったのかな? それともそんなことも考えられないくらいに川崎さんのことを想っているのか。だとしたら、なんか可哀相な気もするけど……。

 それともただ単に私が見誤っていただけなのかな。


 



 電車に揺られること15分、退屈な時間。おしゃべりしているのは、るうちゃんただひとり。

 これって私が言うべきなのか、川崎さんが言ってくれるべきなのか。


 そもそもどうして川崎さんは、るうちゃんと3人でいいと思ったのだろう。

 前に話したことを忘れているのか、それとも私の友達だからと気を使ってくれているのか。

 100歩譲ってそうだったとしても、もう少し私のことも気にかけてほしい。……これってヤキモチ?


 ああ、もう早く帰りたい。でも川崎さんとるうちゃんを残しては帰れない。色々考えながらも、なんとかかんとかパンケーキ店に辿り着いた3人。

 人気店のようで、入店待ちの行列ができている。最後尾に並んでふと前を見て驚いた。


「圭太!」

 不意に名前を呼ばれて圭太は、びっくりした様子で振り返った。

「おお、桜花さくら

「ふふふ、デート?」

「ま、まあな」

 圭太ったらガラにもなく照れちゃって、ホント可愛いんだから。それにちょっとおめかししてる。

「ということは、こちらが彼女さん?」

 わあ、可愛らしい人。控えめで、凄く感じのいい人だな。そりゃあ、圭太が惚れるのも無理ないな。 


「お前もデートか?」

 そう聞かれてちょっと困った。デートのはずだったけど……なんて言えない。

 言葉に詰まる私の様子を見て、圭太は川崎さんとるうちゃんを交互に見ながらこう言った。

 

「紹介して」

「あ、うん。川崎さんとクラスメイトのるうちゃん」

「川崎さんと、るうちゃん?」

 圭太の形相がみるみる変わった。と、同時に川崎さんに

「川崎さん、僕は桜花の幼馴染みの本田圭太といいます。ちょっと2人でお話したいことがあるのですが、いいですか?」

 そう言うなり川崎さんの腕を掴んで少し離れたところへと歩いて行った。


 残された女子3人は、当然気まずいムードを漂わせながら2人の様子を見守っていた。


 


お読み下さりありがとうございました。


次話「偶然か必然か」も、よろしくお願いします。

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