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優しさのゆくえ  作者: 藤乃 澄乃
優しさのゆくえ 『そして……』
18/36

幼馴染み 

久し振りに偶然会った幼馴染み。

「お前さぁ、なんかあった?」そう聞かれて、なんか見透かされているようで正直ドキッとした。


 今、このタイミングで圭太けいたに会うなんて……。


 幼馴染みで高校までずっと一緒だった。口は悪いし偉そうで、川崎さんとは大違い。でもいざというときには頼りになるし、私が辛い時にはいつの間にか傍にいてくれる。


 大学を決めるとき、圭太は同じ大学に行くから待ってろなんて言ってたけど、女子大だと聞いて文句言ってたっけ。


「お前さぁ、なんかあった?」そう聞かれて、なんか見透かされているようで正直ドキッとした。



「久し振りにお茶でも行く?」

 二ヒヒと笑う圭太にちょっと救われた気がした。

「そうだね」

「じゃ、桜花さくらのおごりで」

「え、なんで? 普通、誘った方のおごりじゃないの?」

「僕ちゃまはまだお子ちゃまなので」

 おどけた表情で笑う圭太。


「私だってまだお子ちゃまなんだから!」

「ほら、やっぱりお子ちゃまじゃん」

 また2人して顔を見合わせて笑い合った。やっぱりなんだかホッとする。

 

「さ、行こ。俺がおごるからさ」

 そう言って私の手を取ってぐんぐん歩いて行く。

 久し振りに会う圭太は少しガッチリしていて、大人びて見えた。身長が私よりも20センチも高いっていうのもあるかもしれないけど、こうやってリードしてくれる姿を見ていると、年上のように感じるくらいだ。

 お店探しに歩き回ることもなく、私の好みのお店に連れて行ってくれる。これも優しさなんだな。

 川崎さんとはまた違った優しさ。


「こんな可愛いお店よく知ってたね!」

「まぁな」

「あ、彼女と来るんだ」

「ちげーよ」

「照れなくてもいいのに。彼女、1コ下だっけ?」

「……」

「あれ? 同じ年だっけ?」

「俺のことはいいから」

「わあ、顔紅いよ」

 耳まで紅く染めちゃって、ホント解りやすい。


 圭太が連れてきてくれたお店は、白を基調としていて所々にパステルピンクがあしらわれている。

 例えば、白いテーブルや椅子の縁、白い壁にパステルピンクの額。その額にはおとぎの国から抜け出てきたような風景画。壁に設けられた飾り棚には、ミニチュアの家具や小物が並べてあって、いつまでも見ていられる。あまりの可愛さに妙にハイテンションになっている私に冷たいひと言。


「はいはい、解ったから早く座れば?」

 促されてようやく席についた。

 


お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします。



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