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攻撃魔法なんて使えませんけど何か?  作者: あんもまいと
10:癒えることなき傷
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88 『災害』からの頼み

あれから数回『甘い風』を訪れたが、行けば行くほどメドゥーサを悪い奴とは思えなくなっていった。

そんなある日、『甘い風』からの帰り際、メドゥーサから

「…今度、パーティメンバー全員で来てくれないかい?」

と言われた。

オレとラクトは皆にこれまでのメドゥーサについてを話し、念のため装備をして全員で、『甘い風』へ向かった。


「…おやおや、大丈夫さ。やり合おうってんじゃないんだから」

警戒しつつ店に入るオレ達にメドゥーサが微笑む。

「じゃあ一体何の用?…ハッ、まさかアキヨー」

「スイマー」

「…zzz」

「で?それなら用事は何だ?」

「…やる気だったのかい?…まぁ、あんたらしくていいと思うよ」

メドゥーサは切り替えるように一度深呼吸した。

「今日はアンタ達に頼みがあってね…敵対する同士とはいえ、アンタ達は信用できると私は思ってる。だから…私にできない事を代わりにやってほしい」

風が変わった。

今まで店を取り巻いていた優しい強い風、急に鋭く冷たいものに変わった。だがその冷たさは、メドゥーサの心に秘められた熱を伝えてきた。

「アンタ達に、災害『地震』のタイタンを倒して…いや、殺して欲しい」

メドゥーサはそんな事を言った。

「何で?」

呟いたのはモユーリだった。

「…アイツは『災害』の立場を使って多くの命を奪っている。だけど、だ。殺すのは子供だけなんだよ。子を殺された絶望し泣き叫ぶ様を見て、アイツは嗤うんだ。私も…子を殺された。でも『災害』同士で争うことは魔王様が禁じている…だから、私の子の仇をとって欲しいんだ」

その言葉に込められたただならぬ怒りが風を強くする。メドゥーサの目には涙が浮かんでいた。

「お願いだ、あんたらにしか頼めない。100年近くもこの苦しみに耐えてきたが…もう、限界だ。どうか助けて……助けてください…」

…恐らくメドゥーサはかなり複雑な事情からこのような身になったのだろう。今のオレの目にはメドゥーサが敵ではなく友人として映っていた。

「…良いだろう、討ってやるよメドゥーサ」

オレは友人の仇を討つことに決めた。そして事が終わったら、彼女から全てを聞こうと思った。


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