57 交渉(断る余地無し)
「いや待って下さい!?どうしてオレ達にそんな重大な任務を!?」
「いやいや、あなた方は先の英雄ゾンビ襲来のさい大活躍されたではありませんか。王城でも噂ですよ」
外交官様はオレ達一人一人の顔を見ながら言った。
「かつての英雄を魔法1つで数人行動不能にしたアキヨシ殿」
まあ…さすがに魔法の効果まで言えないしな。
「的確な射撃で足止めしたモユーリ殿」
実際一番活躍したのはこいつなんだよな…。
「上位魔法であるアタックバリア、マジックバリアを使いこなしたキセ殿」
能力はあるのにな…。性格に難ありだ。
「そして何より指先1つでほぼ全てのゾンビを消し飛ばしたタオシー殿、と」
…。…物は言いようだな。
「…えーと、その任務を受けることでオレ達に何かメリットが?」
「ええ、もちろんございます。成功した暁には、報酬として金銭でも我が娘でも、私から差し上げましょう」
「その娘ェさァんはァかァわァいいのォォ?」
タオシー、変なとこだけ聞いてんな…。
「我が娘ながら良い性格だと思います」
「いやァァかわァいいのォォ?」
「花を愛でるのが好きなんですよ」
…あっ(察し)。
「それは、断った場合私達はどうなりますか?」
モユーリが突然言い出した。言葉が丁寧だから誰かと思った…。
そういえばこいつも貴族の端くれだったな。
「斬って捨ててよいと国王陛下から仰せつかっております」
やだ怖い!国王怖い!
「なるほど、オレ達は受けざる得ないわけですか」
「はい」
うわっ、認めやがった。
「…分かりました。その任務受けましょう」
「ありがとうございます。出発は明日の昼です。人数分のユニコルノを連れて参ります」
そう言い残して外交官は去って行った。




