45 帰りたい。
ヤバいどうしよう寒い。吹き付ける風に体が震える。どうやって家に入れてもらおう。
ー遡ること数十分前。オレは散歩から帰ってきた。
ドアを開けようとする、珍しく鍵が掛かっている。チャイムを鳴らすとキセが出た。
「あらお帰り」
「ただいま…って入れてよ!?なんで防御してくんの!?」
「私に入れてくれるならいれる」
キセは怒っていた。今朝のことを根に持っているのだ。
「それは無理かな」
「じゃあ無理」
ドアが勢いよく閉められた。
「えっ…」
そして今に至る。
もう暗くなり始め、気温も下がる一方だ。今回ばかりはキセを騙すことはできない。殺される。
ここは、素直に童貞を捧げるべきか…いや家に入るのに童貞を捧げないといけないとかどんなペナルティだよ。
もう一度チャイムを鳴らすとキセが出てきて
「いれてくれる?いれてくれない?」
オレが言いたい。
「…他にどうしたら家に入れてくれるんだ?」
「…せ」
「え?聞こえない」
「チンコを出せ!!」
ご近所に響き渡る大声で『性器を曝せ』と言われるほどに迷惑なことがあるだろうか。いや(あんまり)ない。
「出す?出さない?いれる?いれない?」
おい!それ以上言うな。そんな大声で…。
「S○Xする!?しない!?」
オレは目の前の敵から全力で逃げ出した。
敵とはつまり 性鬼 である。
モユーリもタオシーも助けてくれる様子はなし…か。
くそっどうしよう。




