42 蘇った英雄たち
闇が消え視界が回復したとき、辺りの光景は様変わりしていた。
ーただし、オレ達にとってみれば最悪に近い状況に。
タオシーが消したはずのゾンビ達が復活していたのだ。
あと数体だったはずなのに…一瞬で女プリーストゾンビを除く全てのゾンビが復活していた。受けたダメージも完全回復している。
「ワンダイオールリライブ」
アキヨシはその魔法の名を呟く。
その魔法は自らを犠牲にし、味方全員をどんな状態からでも復活させる呪文だ。魔力が無くても残ってさえいれば放つことができる。ただし放った術者は 死ぬ。
「タオシーまだか?」
「あと少しィィ」
くそっまだか。先ほどの女プリーストゾンビのもとへと向かった冒険者達は、蘇った英雄たちと再び交戦している。こちらにも二体向かってきている。
オレもキセも魔力がない。これは詰んだ。
さようなら、オレの楽しかった人生!!
死を覚悟したアキヨシのアキヨシの横を
「八又ノ大蛇」
頼れる声と共に銃弾がすり抜けた。
銃弾はゾンビ一体のアキレス腱と鎖骨、目、足の付け根に命中し、全身の自由が奪われたゾンビはその場に崩れ落ちる。また、他の冒険者のサポートをしていたクローが、今にも必殺剣を振り下ろそうとしていたもう一体のゾンビにタックルする。
クローは少しの間こちらを見つめてから再び冒険者のサポートに戻った。
ーありがとな
「無事?」
モユーリが声をかけてきた。
「マジで助かったありがとう」
「感謝してやるよ凹パイ」
オレがキセを叩くのを見て笑みを浮かべながら、
「ここは私に任せて」
そう言うモユーリ。本当に心強い。
そのとき、待ち望んだ声が響いた。
「おォうっけえェェ」




