40 止まる逆転劇
「ヴァッ、ヴァッ」
「ヴァァァ…」
…。
これはひどい。
かつて国の宝と讃えられ、民の憧れとなった英雄たちが、今、目の前で交尾している。女プリーストゾンビを襲う男ゾンビ、さらにそれに群がるゾンビ計12体…いや、12人の元英雄がヤッてる。カオスだ。
あのプリーストゾンビの目から垂れている液体は…体液だろう。涙ではないと信じたい。
また、ゾンビ達が腰を振る度に骨の欠片や肉片が飛び散る。汚ぇ。
「ヴァァァン」
「ヴォアァヴォア」
「アハァァアァ」
「ヴァァヴァァ!」
…。
…!?
今、変な声が…いや、さっきからずっとそうだけどさ。オレはもう一度ゾンビの群れをよく見てみた。
「って、ちょ、おい!タオシー…タオシー!」
ゾンビの群れにタオシーが混ざっていた。
「ウゥゥぐすっ」
「ごめんなタオシー、お前がゾンビ倒してるの忘れてた」
オレとキセでダシュータンとクリニング(浄化魔法)をかけまくる。
「タオシー、まだ魔力残ってる?」
「あんまりないからァァァ時間がァァ欲しいィィ」
タオシーはガーディアンだから、魔力が切れても自然の植物や動物から魔力の供給を受けられるが、時間がかかる。
「オレもさっきのダイナ・バイアグリオンでもう魔力ないんだよな」
しかもタオシーの救出のために魔法を解除してしまっている。今は冒険者たちが相手してくれている。
「私の番ね」
キセが立ち上がった。なんとも頼もしい。
「これが終わったら私にもバイアグラをかけて…」
ゾンビよりこっちのがオレにとって敵じゃないか…と思うアキヨシだった。




