38 かつて英雄だった者達
くそっ、まずいな。呪文を撃ってもプリーストゾンビに回復されるし、かといってそのプリーストゾンビは戦士ゾンビ達に守られる形になっている。戦士ゾンビはかつて英雄だっただけあって強いしな…。さっき「グランドスライス」って極技使って地面割ってた奴いたし。
オレはモユーリに尋ねた。
「ゾンビに火以外に有効な攻撃ある?」
「聖騎士とかが覚える神属性の呪文なら消滅する」
オレは冒険者をざっと見渡してみた。…戦っている奴らに聖騎士っぽい格好の奴はいない。というか使えたら使ってるよな…。
「来た」
こっちに向かっていたゾンビのアキレス腱をモユーリが撃ち抜く。いくらモユーリの銃弾でもゾンビは殺せない。だから少しでも時間を稼ぐために相手の行動を妨害することしかできないのだ。ゾンビが増えてきているから、それもそろそろ限界が近いかもな…。
そんな中、
「メガネ落としたァァァ」
誰だこんな時にそんな事するアホは…
タオシーだった。
しかも戦士ゾンビが一体近づいている。
「おいタオシー、ゾンビ来てる!」
「えぁ?ちょ、見えないァァい」
タオシーはパニクりながらも辺りを照らすため呪文を唱える。
「トワイライト!」
タオシーの周りが光に包まれる。
「…ゾォンビィいなァくねェ?」
無事メガネを見つけて装着したタオシーがそう言った。アキヨシは周囲を確認したが、さっきのゾンビはいない。
あるのは、そのゾンビが持っていた剣と鎧だけ…
…。
……。
………。
………!?
「それだァァァァァァァァァ!!」




