34 ペットが欲しい(モユーリ)
「…スゲえ」
オレは家の魔時計を見て驚いた。行きは徒歩で30分だったのだが、帰りは8分しかかかっていなかった。すんげーはやい。
オレはウルフリザードを撫でてやる。気持ち良さそうにしている。可愛すぎる。
「コイツの名前どうしようかな」
考える。やはりカッコイイ名前にしないとな。
ふと鋭い爪が目についた。
「…よし、お前はクローだ!」
「ガウ!」
嬉しそうに吠えるクロー。オレがクローとしばらく戯れていると、
「ただいま」
モユーリが帰ってきた。両手で抱えられている毛玉みたいなのがモユーリのペットなのだろう。
「何それ」
「ケダマ」
いやソレは見れば分かる。…え?まさか名前がケダマ?
まんまな名前を付けられたそのペットに、若干同情しながら目をやる。どうやら猫みたいだな。
「何ていう動物?」
「ボウルキャット」
これもまんまだな。モユーリの腕の中で眠っているようだ。オレはボウルキャットのケダマの毛並みにそっと手を置いてみた。
「ー痛っダァ!!」
何かが手を貫通していた。…なんと毛だった。束になって棘になっている。
「あ、触ったら危ないから気をつけて」
「言うのが遅ぇよ!」
オレは傷を治してもらいにキセのところへ行く。だって手に穴が開いてるもん。
「治してあげる♡」
「ありが…ってどこに手置いてんだぁあ!?」
騒がしい会話を聞きながら、モユーリは微笑した。
家に新たな住人が増えたことを、素直に嬉しいと感じたモユーリであった。




