表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うわなりうち  作者: karon
11/14

閑話

 その家はさほど家々が建ち並んでいない場所に建っていた。

 その周囲に緊張した面持ちで様子をうかがう男たちがいた。

 すでに老いて髪はもはや白いほうが多くなった男が杖を片手に庭先で戦う女達を見ていた。

 金切り声の女達の声、そして反対側から聞こえてくる野次馬たちの歓声を忌々しげに男たちは聞いていた。

「そろそろ佳境だな」

「いや、まだだ、時期を見誤るな」

 老人が低い声でそう言う。

「時期を見誤れば恐ろしいことになる」

 その額に冷たい汗が浮かんでいるのが見て取れた。

「あの日の惨劇は今でも目にこびりついていまだ消えることはない」

 痩せた肩が小刻みに震えた。

「時期を見誤ると」

「双方から寄ってたかって袋叩き」

 ぶるっと自らの身体を抱きしめて身震いした。

「くそう、また兵衛かよ」

 怨嗟の響きのその声が周囲に連鎖する。

「地獄に落ちろ」

 口々に言い合う。

「あれ見ろ」

 うわなりとこなみが向き合っているのが、開いた窓から見えた。

たぶんおじいさんはそこそこ偉い人だと思ってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ