表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: ゆうなぎ
4/4

さくらびより


土と青草の匂い。

柔らかに降り注ぐ太陽。

目を開けば、視界いっぱいの桜。


隣には大好きなあの人。

手元の本からは目を離さないけれど、

隣に感じるぬくもりが何よりも嬉しくて。愛しくて。


今日の日和があまりにも気持ち良いから、

くぁ、と小さな欠伸が漏れた。


「眠いの?」


隣から声が降ってきて、

同時に優しい掌が私の頭に乗っかって、

慣れた手付きでそっと撫ぜた。


…眠ってしまおうか。


身体を丸めてあの人の膝に頭を乗せる。

視線はとうに本に戻っていたけれど、

頭を撫でる手は変わらず優しいままだった。


意識が夢の世界へ飛び立とうとする直前、

微かに、しかし確かに、声が聞こえた。

それは、桜の声だったのかもしれない。



「幸せですか?」



「……」


「貴方ですよ、そこで寝ている貴方。

幸せですか?」


私はぼんやりとした頭でそれを聞きながら、

迷わずに答えた。



「ん、まぁね。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ