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5面

5面主人公

ハヤブサ・ヴァルヒのボイスになります。


http://www.youtube.com/watch?v=HY5HMzUnR-M&feature=youtu.be

●キャラ紹介⑤~「レーベン・スレイブ」


◆ハヤブサ・ヴァルヒ


・東方の果ての小島国ヤーパニヒが大陸に侵攻してきた際に残されていった少年。王族親衛隊有する厩舎の親方が子供代わりにと引き取る。

・もともとヤーパニヒでも馬に慣れ親しんでいたらしく、馬を飼育し、調教する才能は非凡なものをもっており、厩舎の中でも随一の実力を誇っている。

・歩兵としての技術は本人が戦いを好まないためほとんど向上しておらず、しかし馬上になれば馬の意を汲んで変幻自在の連動戦闘を行えるため、馬上とは思えない動きで、模擬戦では無敗を誇る。


・愛馬、黒翼ブラック・バードとは人馬を超えた友情を育んでいる。

・動物にしか心を開けない22歳。


・厩舎の主ステイル・ヴァルヒはこれまた養子の娘と跡継ぎにと思っているが、本人は極度の動物愛で全く気付いていない。



●序章⑤ ~「レーベン・スレイブ」


聖ガリリアント歴375年、教皇シムビアン13世の傀儡政権となった、聖ガリリア王国、首都の城塞都市ビリジアは、円卓貴市の長、聖騎士バスチーフのクーデターによって戦火につつまれていた。

戦力に劣る円卓騎士団は、蜂起と同時に王宮の中枢を制圧に、全ての手勢を集めて、力押しで王宮の占拠を開始していた。


「はい、頑張って下さい。あなたも。馬に乗った方は僕から槍をもらって王宮に向かって下さーい!」

王宮の近くに厩舎の分室を任されていた王宮騎士団の馬騎士、ハヤブサ・ヴァルヒは、近場にいる騎士達に馬と刺突用の槍をめいめいに渡すのに専念していた。

正直、騎士の位を与えられているとはいえ、元々は厩舎の養子、肌の色も違えば、髪の毛の色も違う。王族預かりの厩舎を営んでいた義父、ステイル・ヴァルヒには子供がおらず、馬の買い付けと一緒に、東方の島国ヤーパニヒからのガリリアへの侵略の痕跡として、人買いから馬以下の値段で買われ、子供として何不自由なく育ってきた。義父が自分を見込んだのは、年端もいかない自分が、売り物の馬を自在に乗り回していたからであり、不幸にも妻に流産で先立たれた彼にとって、これ以上の逸材は無かったのである。

ハヤブサという名前は、彼が身分の証に持たされていたであろう、東方のヤーパニヒ製の細くて薄い刀に彫り込んであった銘を首都ビリジアの学者に判読してもらった名前だ。商人からはかなりふっかけられたが、この少年の自分にとっての価値を考えれば、大した額ではなかった。なんといってもステイルの厩舎の馬と初日から存分に馴染み、首都ガリリアに馬を卸すために、人間を怖がらない素直な馬に育てる必要があったが、ハヤブサは全ての馬の心に寄り添うように接し、寝食までともにしながら、兄弟のように全ての馬に接した。

長年厩舎で禄をはんでいたステイルさえも遠く及ばない天賦の才、義父ではあるもののステイルはすかさず首都ガリリアで養子縁組を交わした。ステイルは妻子を超えた愛情を息子に注ぎ、その才を果てなく伸ばそうと試みた。

年に一回王宮の余興、馬術大会を幼い頃から観覧させると、次の日からそれを模倣してハヤブサの最も相性のいい子馬、黒翼ブラック・バードと一緒に鍛錬をはじめた…。元々、誰も完遂出来ないほどの難易度の競技の数々を、愛馬とひたすらに鍛錬し、18歳の元服の頃には、どの騎士も及びもつかない技術を身につけていた。

そして、年に1回の馬術大会がやってきた。幸い、未熟な馬騎士が1名辞退したことで、ステイルは、恐れ多くも王に嘆願した。

「ウチの不肖の息子、ハヤブサ・ヴァルヒを元服の記念に出場させては頂けませんでしょうか?王様?」

「馬追いが騎士と肩を並べるとは大仰な!その技量、未熟なるものならただではすまんが?良いか?」

「おおせのままに…」

ハヤブサ。ヴァルヒは愛馬黒翼と、阿吽の呼吸で数々の難題をこなしていく。

落馬、失敗、それを笑って技術の向上をはかる意義の会のなかで、一人と一頭は、まったく空気を読むこともなく、その技量をいかんなく発揮していく…。


すべての騎士が根を上げる中、ハヤブサは王の御前で全ての難題をこなし終えた…。

「騎士の中に混じりまして、失礼を致しました。」

察したブラックバードと、ほんの少しだけ得意満面の人馬一体での一礼を向けた。

「ステイルよ、このような者をどうして隠し立てしていたのだ。本日、この時から、例外としてハヤブサ・ヴァルヒは、首都ガリリア内の厩舎頭、さらに騎士の位を与える!」

ステイルは自分の宝物がとられたような無念、しかしこれでヴァルヒ家の商いは王のうしろだてによるものになった歓喜とで、ないまぜな気持ちになった。

ステイルの思惑に反して、ハヤブサの評価は真っ二つに割れた。生死に関わらぬ模擬戦では他の追随を許さないほどの腕前を見せるが、遊牧民の牽制等の軍事行動には参加を一切拒んでしまう。

父ステイルの耳にまで「臆病風のハヤブサ」の噂は届く・・・馬を愛して育った息子には、騎士の道は厳しかったのか・・・

そんな不安を吹き飛ばすように怪しい武装集団が厩舎をとり囲む。

「我々は円卓騎士団。この厩舎の馬は全て我々が徴集させてもらう!」

元王宮騎士団のコネクションで始めたこの厩舎、円卓騎士団のクーデター(?)に利用されたらなんのために王家に尽くしてきたかわからない。ハヤブサと兄弟のように育ったブラックバードの次に賢い白玉しらたまにまたがって厩舎の出口をあけて馬たちに、

「めいめいに逃げろ!」

と伝えるが、皆ステイルの元から離れようとしない・・・。

「賢いお馬ちゃんたちでちゅねー、おめーら、めいめいに馬にまたがれ!」

厩舎に侵入してくる円卓騎士団とは名ばかりのならずもの達を白玉とステイルの熟練した人馬一体の攻撃で貫いてはなぎ、貫いてはなぐ。その繰り返しで多少なりとも兵を減らしていく。

「馬上ならまだまだ負けんぞ!」

老いた身体を奮い立たせるように名乗りをあげると、首都ビリジアから急行したハヤブサが、厩舎に駆け込んで、黒翼に乗り換え、長い槍をかまえて雑魚をなぎ払う。

「父さん、ここは僕が。白玉!みんな!父さんと一緒に北の遊牧民の方向に逃げるんだ!」

馬たちは取り付かれているゴロツキ達を振り落として北へと疾走する、

ステイルの乗る白玉もハヤブサの命に従う。

しかしステイルは知っている。騎士になって4年、ハヤブサは騎士として、人を殺めた経験さえない。

「待て、白玉!ハヤブサ!人の頭は玉ねぎだ、馬術大会の練習で何百個も輪切りにしただろう!」

ステイルはこの窮地になって、自分とハヤブサの幸せな日々を思い出していた。

東方の地に馬を買い付けに行ったときに、馬と意思疎通する非凡な才能を見せていた奴隷小屋にいた少年。

使用人のつもりだったが、次第に情も移り(もちろん馬飼いの技量あっての愛がはじまりではあったが。)いつのまにか我が子のように接している自分を打算的だなと自嘲した時期もあった。さいわいハヤブサは馬といるだけで、天真爛漫でゆがんだところもなかく、親子の真似事をすることになぜか違和感もなかった。親の欲目といってはなんだが、なななかのいい青年である。

これも使用人だったが気立てのいい娘がいて、厩舎を二人で継いで欲しいとさえ思っていた時期もあった。

だが息子はなかなかのボクネンジンで、女を歯牙にもかけず、せっせと馬の世話しかしなかった…。

馬術大会に出したのが、自分の息子の才能をひけらかしたかったのか…自分は…道を誤ったのか…。


ハヤブサは人を殺める恐怖に

「玉ねぎ・・・玉ねぎ・・・玉ねぎ」

と繰り返しながら歩兵を槍の反対の紡錘上の重しで殴って気絶させていく。

恐ろしいほどの技量で、父ステイルが倒した5人を除くと20人以上を打ち倒し、

残すは全身鎧フル・プレートを着込んだ馬騎士一人と雑魚5人ほどだけとなっていた・・・

馬術大会では木の槍でも馬上から引き倒したらそれで終わりだった。

ブラックバードもハヤブサも、これは戦争だ、これは戦争なんだと言い聞かせる・・・


数的にも、気持ち的にも追い詰められた一団は、鎧の馬騎士がハヤブサに対峙し、あとの5人は大きく北にまわりこんで、白玉と父ステイルだけを取り囲んでいる!

「おい、小僧、父親の命が惜しくないのか?」


父とハヤブサが手塩にかけた白玉の命…はたして僕の命はそんなに重いのだろうか…。

たじろぐハヤブサに、父は5人の騎馬どもを相手に、勝てぬ戦いをわが子に見せ付ける…。

5つの槍はあっという間に父、ステイルを四方から串刺しにする!


「ハヤブサよ!これが戦争なんだ!現実を見ろ!馬だって、戦いが始まれば戦争の道具!わすれるな!お前は!騎士ナイトなんだ!!」

血糊にうずくまりながら、父は力なく倒れ、馬上からころげ落ちた…。


「父さん!父さん!!!!」



しかし、ハヤブサの人馬の関係は友情であり、愛情である一人と一頭の間には、死線をくぐる真剣さが一朝一夕には身につかない。父の死をもってしても、迷いはなくならない…。槍の距離を取りながら、一撃で決めようとする馬鎧騎士。一方ハヤブサは自分が革鎧しか着ていないことを考慮して、柄を長く持って、まずは馬上から叩き落そうとの作戦である。


間合いを計って両者駆け出しての一合!


ハヤブサの狙いを上回り、正確無比なその一撃は、馬鎧騎士の腹の鎧の接合部に槍はブチ刺さって、一合にて絶命をしていた・・・。ぼ・・・僕はもう人殺しなのだ・・・!

しかし、考える余裕も無く足場がぐらつく・・・黒鎧騎士は、兄弟同然の愛馬、ブラックバードを最初から狙っていたのだ。

槍は愛馬の前肩にめり込んでおり、二度と立つことは出来ないだろう、

「ぶ・・・ブラックバード!!!」

友であり主である搭乗者を傷つけまいとゆっくりと崩れ落ちる愛馬・・・。友を失い絶叫したハヤブサは、悲しむいとまもなく残された兵に囲まれて、じりじりと間合いを詰められる。さすがに、この重さの槍は、馬上ではないと降り回せないと地上に打ち捨てるハヤブサ…。そして父から残された、自分の名前「隼」と鋳造かれたヤーパニヒ製の刀を背中から抜いて構えた。

馬上にいない僕はもう雑魚以下だろう。父さん、ごめんね。

ブラックバード、一緒に逝こうか・・・


遠い遠いかなたから、脳裏に直接声が響いてくる・・・。

「神々の眷族に屈服を誓うならば、うぬの友の魂を、神魂として召し上げよう…」

「誰?ブラックバードはもう死んだんだ…。」

「すみやかに理解せよ。主の友を救おうと言うのだ、ぬしの魂とひきかえに!」

「なにを言ってるかわからないけど、黒翼が救えるなら、なんでもする!父さんもだ!」

「愚かな事を、おまえは神魂騎士として神に選ばれたのです、父母の愛情など、打ち捨てて戦うのです…!」

黒翼の肢体がひときわ大きくうねり、その体格はひとまわり大きく、さらにはじけるほどの筋肉が鋭さを増して引き締まる!

輝きとともににかわの鞍が化粧細工を施されたみるからに高価なものになる。


黒翼はその主まで雑兵をけちらして駆け寄り、首ですくうようにハヤブサを馬上に導く。人馬一体の連動で駆け戻って、槍を掴んで脇を引き絞って突進の構え…


「いたぞ、こいつ、小隊長まで殺りやがった、援軍だ!援軍を呼べ!」

掛け声とともに周囲の小隊が駆けつけ、その数は中隊レベルにまで膨らんでいく…


いきりたって兵士を蹴散らす黒翼とたがい、ハヤブサは数十人をたやすく殺めながらも、戦争…いや、人殺しその行為に未だ納得できずに心乱れていた…。

黒翼ブラック・バード、もういいだろ、逃げても…王宮はもう落ちたよ…」


その戦いを不満気に見ていたきらびやかな装束を着た神官は、まばゆい光とともに、自らの使途である、神魂騎士団を呼び出す…。

「ハヤブサ・ヴァルヒよ、私を失望させるものではありません、ぬしは神の代行者たる神魂騎士団の一員ンンンン!!」


「ハヤブサさん、僕達神魂騎士団は、たやすくくじけたりしません!この国に自由を取り戻すまで!その命は誰よりも重い…。」

「…友がいるんだ…背をムケルナ…」

「またボウヤかい、アタイは保母じゃないんだよ…さあ、いくらでもかかってきな!」


(5面開始)


(敵殲滅にて5面終了)


幾百の骸を乗り越えてハヤブサたち神魂騎士団は城外までようやくたどりついた…

「残った教皇派の兵士をいくばくか集めようかと思いましたが、思った以上に円卓騎士バスチーフは手回しが早い…手ごわい相手のようですね…この怖気づいた小兵を回収しただけでもよしとしますか…フフン。」


「君、僕より年下だよね…戦争が、人殺しが、怖くないの…?」

「怖いですよ、でも、僕はもう一度死んだ…父母を護るために、この命をもう一度もらった。簡単には捨てませんよ。」

「小僧…失礼な口をきくでない。この少年は我が神魂騎士の要、ツヴァイ・ガリリア18世!この国の新たな主だ!」

「ボウヤ、あんたは自分の友の命を救われた恩を返す必要があるだろ、怖気づくのは後でいくらでもできるよ!男なら背中で見せてみな!その槍さばきは飾りかい!」

「またきたゾ。新手ダ…」

戦いを拒む拒まざるに関わらず、神魂騎士あるところに戦あり!屍をいくつ超えたところに、彼らの行く末は見えるのか…。

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