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1面

▼主人公、フェーザー・ブルゲングルツのボイスになります。


http://www.youtube.com/watch?v=GdugmHnujPI


▼イメージとなるサウンドその①です


http://www.youtube.com/watch?v=jnNYh7a6Syc&feature=youtu.be






聖ガリリアント歴375年、王を手中に収めた、教皇シムビアン13世の傀儡政権となった、

聖ガリリア王国、首都の城塞都市ビリジアは、円卓騎士の長、聖騎士バスチーフのクーデターによって戦火につつまれた。


教皇と神々の啓示によって行われていた政治は断絶され、バスチーフ率いる円卓騎士の合議制によっておこなわれることとなった。


神々の威光さえ、ものともせぬ暴挙は、バスチーフ率いる円卓騎士団が、代々教皇の護る皇宮に祀られていた『神殺しの剣』の存在を知り得たからに他ならなかった。


事を重くみた神々の眷属は、人の魂を司る神「神官ヘム」を人間界に派遣し、選りすぐりのつわものたちを集め、打倒バスチーフを命じた。


人々は、戦火に苦しみながらも、人の世と、神の世の戦いのゆくすえを見守りながら、その終息を願って彼らをこう呼んだ、

「レーベン・スレイブ(魂の奴隷)」と…

●キャラ紹介①


◆フェーザー・ブルゲングルツ


・前皇帝、ガリリア17世の次男

(ツヴァィ(二番目の)・ガリリア18世)

※皇帝は、即位時にミドルネームをつける。

・謀殺を恐れた母親が、王宮騎士団の夫婦にその身を託す。

・ガリリア王国西の辺境、オーランゲ村でひっそりと暮らしている。

・王家の証のミスリルのレイピアをもっている。

・王家のレイピアは父がわり、ガードナー・ブルケングルツに託された物(義父ガードナーは円卓騎士の下部組織、「国家結束同盟」に徴兵されてしまい、現地の駐屯地に派遣されている)

・剣術は、父から鍛えられて多少のたしなみはある。

・正義感が強く、融通が利かないため、村の同世代の友人とは馴染み切れずにいる。


・現在16歳。


◆ティーゲル(ドイツ語で虎)


・没落貴族の娘。本名はトレール・ケールロイター

・ケールロイター家とハンマーシュミット家との二つの貴族が地方都市パーパロットを共に統治している統治スタイルで政治を行っていた

・貴族間の謀略によって、ケールロイター家は領地没収となり、最終的に人売りに買われていき、治外法権の闘技場に放り込まれる。

・父が跡継ぎが生まれなかった事を悔やんだため、男だてらに剣の鍛錬を相当積んでおり、近隣の貴族の嫡子には及ばぬ才を示していた。

・トラウマから、男を切り刻むことにエクスタシーを感じている。


・人をあやめる事でしか満足を得られない悲しい女。現在24歳。



●序章 ~「レーベン・スレイブ」



聖ガリリアント歴375年、教皇シムビアン13世の傀儡政権となった、聖ガリリア王国、首都の城塞都市ビリジアは、円卓貴市の長、聖騎士バスチーフのクーデターによって戦火につつまれた。

戦力に劣る円卓騎士団は、首都ビリジアを陥落させたとはいえ、国内の今だ根強い教皇派の地方の貴族達になやまされていた…。そこで、円卓騎士団の一部を各地に派遣。王の名の下に「国家結束同盟」という徴兵制度をつくり、教皇派に属さない各地の貴族、そして一兵卒に至るまで、教皇派の殲滅を目的に「兵士狩り」を行った。

そこには、名を持たぬ傭兵やゴロツキなど、素性の確かならざるものが、この混乱に乗じて成り上がろうと、国家結束同盟に参じていくのだった・・・。

そして、16歳の少年、フェーザー・ブルゲングルツの住む、辺境の小さな村オーランゲにまで、その戦火は及ぼうとしていた。

「父さん!行っちゃダメだ!教皇様を殺したんだろ?円卓騎士団はガリリアの敵じゃないか!」

「おだまり!だからガキは嫌いなんだよ!ガードナー・ブルケングルツ。アンタ、元王族親衛隊のお偉いさんだったそうじゃないかい?土まみれで、農民ごっこかい?哀れだねえ。ガートナー、あんたにゃブラウノースの教皇派、フリーズ・ジークムントと内通しているって、調べがついてるんだ。おとなしく着いてきな!」

「なにを馬鹿なことを・・・。ワシは、このフェーザーを授かったときに、王においとまを頂き、剣を捨てたのだ。」

「世迷いごとを。この虎殺しのティーゲルを出し抜けるとでも思ったのかい!その両手の剣だこ、毎日剣を握ってる人間じゃなきゃ、そんなもんないはずだよ!」

取り囲んだティーゲルとその部下は手に手に剣を握ってにじり寄る・・・

「可愛いこの子と女、全員皆殺しでもいいんだよ!さあ、黙ってついておいで。そのクワを捨てて、両手をあげな」

男は、観念して両手を上げ、鎖につながれて、小突かれるようにドアから出て行く…

「アガーテ、フェーザーの事は頼んだぞ。くれぐれも、な。」

後ろ手に手枷をつけられ馬で連れ去られるガードナー。

「さあて、後はお前らを人質にして牢屋のお前さんたちのために戦ってくれって親方の算段さね。」

「汚いぞ!女!」

「女とかお言いじゃないよ!」

ティーゲルと呼ばれた女は激怒して少年を思い切り張り飛ばした。

「アタシゃね、傭兵の出でね、親子の愛情とか、聞くだけで虫酸が走るんだヨ!だいたい、多少腕が立つってったって、あのオッサン一人に、3人のおマンマくれてやるとか、世の中、いやアタシゃそんなに甘くないよ!この後も、この村が飢え死にしない程度に食料をかっさらっていくんでね。2人分食い扶持減らしてから、あのオッサンをこき使ってやるさね。元々王族に忠誠を誓った人間が、そうそう寝返るとも思っちゃいないよ。おっと、この口減らしはアタシの独断だよ。悪く思うんならアタシを恨むがいいヨ!」

「母さん、僕がいるから安心して。あの剣があるじゃないか。」

「ああ、フェーザーあれはお前の大事な物、その剣を血に染めるなんて…」

言うやいなや少年は背後の洋服ダンスから一振りの細剣を取り出して鞘を抜き、構える。それは片田舎の民家にはふさわしくない、きらびやかな宝石が散りばめられた、美しいものであった。さらにそれは鈍く緑色に輝いてるように見える。

「魔法の細剣マジック・レイピアかい!アタシゃ拝んだのも初めてだ。おまえたち、このことは親方にも他言無用だよ。告げ口したらマジでブッ殺すからね!おやおやぼうや、アンタにはそりゃ過ぎたオモチャだ。黙って渡せばここで引き下がってもいいけどねえ・・・」

「女、おまえは嘘ばかり言う!そんなヤツが信じられるか!」

「おまえらには女をくれてやるよ。ぼうや、あたしも虎と呼ばれた女、ネズミ相手にも手加減はしないよ!」

ティーゲルは言うやいなや隣の椅子を投げつけて少年の足元を刈り取るように細い剣をなぎ払う。

「やっぱり、女は汚いよ!」

少年は後ろに小さく跳ねて頭を椅子にぶつけるようにして視界を確保し、えぐるように切れ込んで来る細剣を受け流す…。フェーザーが驚くほどにこの剣は軽く、さらに威力がある。女とは言え百戦錬磨のその剣と互角以上に渡り合えていることに、驚きを隠せなかった・・・。

「ちくしょう!そんな素直すぎる太刀筋なんざ、何百と切り捨ててきたんだがねえ、そんなお行儀のいい剣じゃ、アタシには勝てないよ。」

変幻自在の太刀筋で何度もフェーザーの身体を切り刻もうとする虎の牙…しかし、この魔法の細剣のおかげで、すんでのところで防御が間に合う。もう何回も死んでいるはずだと自分でも分かっている…そして隣では今にも母が暴漢まがいの兵士たちに襲いかかられている…この窮地に自分を守るのが精一杯なのが情けない…。

「母の事はいいのです。あの薬もあります。フェーザー、あなただけでも生き延びるのです!」

男達を殴ろうと、蹴飛ばそうと、ひるまずに徐々に犯されんとする母に、胸が張り裂けんばかりだか、薬(王宮では、常に王の目がねにかなった女性は常に差し出されることを強要され、騎士の婦女達は、自害のための毒薬をもつことが、騎士の妻子のたしなみとされていた。そして、土にまみれた今も、母アガーテは肌身離さずロケットに持っている)の話をされたことが悲しくて、胸の震えを止められない自分がいた。


自分の太刀筋が読まれているのは一朝一夕に変えられることではない、だから、せめても、防御のなかから死活のタイミングをはかるのだ。上を二発叩きつけた後には下段突きか手首落としに来る。全力で突進してくる突きを見せては手首を返して頭部への突きかやはり手首への切り落とし…。

虎といえど女、究極的にはパワーで負けるので、変幻自在のこのフェイントを磨き上げてきたのだろう。

しかし、恐ろしいスピードなので、対戦相手はこのパターンに気付くまでに、勝負が決しているに違いない…。


そして、その窮地を救わんとしているのは、魔法の細剣の力であった。変幻自在で一撃一撃が恐ろしいほど速くて重い、ティーゲルのスタミナがほんの少しだが、落ちてきているのだ。


防御一辺倒で油断している今なら…針の糸を通すような一点がフェーザーには見えた!一撃専心!手首には肉をそげ落とす気持ち悪い感触…しかし、それよりも激しい鈍痛が胸元を貫いていた。

フェーザーはティーゲルの左腕を切り落としたが、その代償に半身をそらした虎の牙に胸元を貫かれていたのだ…。

「痛ぇぇぇぇぇ!お前ら。落ちた腕抱えな、帰るよ、砦には確か神官を一人捕えてたはずだ。くっそおおおおおおおおおおおおおおお!腕1本の代償とは!くそ!くそ!」

もう肺に穴が開いて声も出せない少年の頭蓋を思い切り蹴飛ばす女。宝剣を取り上げると、合図をして馬で足早に引き返していく。そして母は未練がましく残った卑しい兵士達に襲われている。母はこの男どもに犯された後、毒薬を飲んで死んでいくのか…。

無念とはこの事を言うんだと、死の間際にようやく確信した…。走馬灯だろうか、脳裏に直接声が響いてくる・・・。

「神々の眷族に屈服を誓うならば、うぬの魂を神魂として召し上げよう…」


「するよ!なんでもする!このままじゃ死ねないよ!!」

きらびやかな装束を着た神官が頭上にあらわれてそっと額に触れると、まばゆく光るバンダナとなって巻かれ、胸を貫いている傷も血痕のみを残してキレイに消えている。


ティーゲルがおのれを貫いた細剣を拾い、母を狙うゴロツキどもに突進する。


「あああぁぁぁぁぁっ!」


(1面スタート)


無防備とはいえ、フェーザーにはゴロツキどもが慌てて剣を構えようとするさまがスローモーションで見える。

まるで、自分が軽くなったみたいだ。肉に刀を突き刺す気持ち悪い感触が、ひとつ、ふたつ、みっつ。


(1面エンド)


不思議だが恐怖は感じなかった。すべての時間か緩慢と過ぎていき、実感の伴わないまま、全ては終わってしまったのだ。

震えるように事実を受け止めかねている母、アガーテはロケットに入った毒薬を乱れた着衣のまま、食卓の水とともにのみほそうとしている…。

「母さん!全ては終わったんだよ。母さん。」

錯乱状態の母親からフィルム紙に包まれた毒薬を奪い、床にこぼす…。

「…フェーザー。私はもう夫ガードナーにたむける顔がないのです…。生きなさい。あなたは。」

床にこぼれた粉末をかき集めて無理矢理飲み干すと、母親だった者はもがき、苦しんで、肉の塊になった…。


きらびやかな装束の神官は満足そうにささやく。

「親子の縁などあっては、後に禍根を残します。さあ、ツヴァイ・ガリリア18世よ、お前の身の証たる、宝剣を取り返しに行くのです…。」

「…あああああああっっ!」

フェーザーは怒りに任せて神官に縦にないだ一撃を放ったが、まったく手応えはなかった。

「そのような考えは無用。神魂騎士は神の意を行えばいいのです!」

なにか呪詛のような文言を唱えると、フェーザーのバンダナは引き絞られ、魂そのものをむんずとつかまれたが如き痛みが魂を引き裂く…

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「分かりましたか?神魂騎士としての義務のみを果たしなさい。」


目指すは父と、王族の証の宝剣の主。ティーゲルの向かった国家結束同盟のアジトへの途をフェーザーは急いだ。

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