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夜の訪問者
私は空のビール缶を握ったまま、動きを止めた。
耳の奥がきゅっと詰まり、心臓の音だけがやけに大きく響いた。
ゆっくり視線を動かし、部屋の隅々を見る。
誰もいない・・・でも、なにかがいる。
呼吸が浅くなる、胃が痛い、指先が冷える。
後ろだ!
後ろに気配を感じる!!
振り向きたくない。ぐちゃぐちゃに顔があったらどうする?
真っ白い顔も怖い、おでこに御札も怖い、顔が腐っていても気持ち悪い。
どうする、頭だけはフル回転していた。
振り向かなければいけない、怖くない!そう自分に言い聞かせて、
私はゆっくり、首だけを動かした。
振り向くとそこに、
黒い、ふわっとしたワンピースを着た“人”が立っていた。




