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新しい世界

私はお風呂に入りながら考えていた。


世界が変わるって、どんな感じなのだろう。


娘はどうなるのかな。


同じようにフェリーナに行く人は、どんな人なのかな。


考えても答えの出ないことを、ぐるぐる考えるのはやめよう。


お風呂から上がり、パックをして丁寧に身支度を整えた。


修はめずらしくリビングでテレビを見ていた。


「寝室で見ないの?」


「これ、ベッドに入ると寝ちゃうからさ。こっちで見てから寝る!

 何か見たいテレビあった?」


「ううん、ないよ」


私は少し引きつった笑顔で答えた。寝室に行き、ベッドに座る。


タイミングが悪い。なんで今日に限ってリビングで見るの。


11時までの番組だから、その後になるのか。時計を見ると、まだ9時半だった。


あと1時間半……。家事も終わり、することもない。


私はそのままベッドで横になった・・・・・


ハッと、気がつくと部屋は暗くなっていた。


隣を見ると修が寝ている。


しまった!寝ちゃった!!


スマホで時間を確認すると、12時を少し過ぎていた。


私は慌てて起き、リビングへ向かった。電気がついている。


ドアを開けると、ソファにメリが座っていた。


「メリ、ごめん。寝てた」


「いいのよ。寝ていて。もうここはフェリーナだし!」


「えっ? ここがフェリーナなの?」


「きっと心地よくて、起きてこられなかったのかな?」


「いつ世界が変わったの?」


「11時過ぎに来たけど、誰もいなかったから、ささっと変えちゃったの」


「そんな簡単に変えられるの?」


「私には簡単なことだから!」


メリは少し自慢げだった。


「とにかく今夜は寝ましょう。私はこれからこのマンションに住むから。

 あと、他にも1人、このマンションに住んでもらってるの」


「え? 他の人もフェリーナに来てるの?」


「そうなの。今度紹介するね。

 私は3軒となりに住んでる、椎名メリです。よろしくね」


「椎名?」


「こっちでは椎名にしたの。よろしくお願いします」

 

私はわくわくしていた。


新しい世界。新しい暮らし。新しい知り合い。


「じゃあ今夜は帰るね。ゆっくり寝て」


「うん、おやすみなさい」


メリは、はじめて玄関から帰っていった。


私は寝室に戻り、ベッドに入った。


新しい世界……なのだろうか。


でも何も変わっていない。私はメリのことを信じすぎていたのかな。


疑ったことはなかったけれど、


「あまり知らない人を信じたらいけない」と、母が言っていた気もする。


そんなことをもやもや考えているうちに、眠りに落ちた。


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