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フェリーナ

私は軽い波動の中にいた。


何もない、どこまでも続く草原、草の匂いがする。


身体がとても軽くて、今にも浮いてしまいそうだ。


ふと下を見ると――浮いている!!


私は地面からどんどん離れていく、空高く、高く、高く。


私は飛んでいた。


下を見ると、たくさんの人がいる。


顔は見えない。でも、みんな笑っている。


それだけははっきりとわかった。


自由って、こんな感じなのかもしれない。


心配も、恐怖も不安もない。


そこにある感情は「楽しい」だけ。


ここから落ちたら帰れなくなる?昔の私はそんな心配をしたはず、


でも今は楽しいという感情が勝っていてそんな心配すら浮かばなかった。


私だけじゃない、地球に住んでるみんなが楽しそうだった。


軽い。


身体が、本当に軽い。


――これが軽い波動なのか。


そう思った次の瞬間、


「はい!」


という声が聞こえハッとして目を開けた、


目の前にはメリが座っていた。


「どうだった? 軽い波動。 軽かったでしょ?」


「軽い!すごく軽かった!軽い波動ってすごいね。

 すべてがリセットされたみたいで、軽くて爽快だった」


「そうでしょ。」


メリはドヤ顔で私を見てきた。


 「波動が軽くなると、不安も恐れもなくなるの。

 慣れるまでは、私が軽い波動で包んであげる」


「嬉しい!慣れたら、ずっと軽い波動で生きていけるの?」


「そうよ。不安も悩みもない世界で暮らせる」


ずっと、あの感覚の中で生きる。


「私も、そこで暮らしたい」


「ふゆさんはエネルギーが強い人なの。

 今はそのエネルギーを不安や恐怖に注ぎ込んでいるけど、

 それを軽い波動に使えば、軽い世界を作れる」


「私、エネルギー強いの?全然わからなかった」


「みんな、自分のことはわからないものよ。

 人の粗探しは得意なのに、自分とは向き合わないのよね」


「耳が痛いな。

 私も、自分と向き合ってこなかったから・・・」


軽い波動・・・


「ねえ、『軽い波動の世界』って、ちょっと言いづらくない?」


メリは少し考えている様子だった。


「う〜ん、たしかにそうかも。別の名前を考える?」


「考えよう!」


私は何か参考にならないかと部屋の中を見た、


すると妖精のぬいぐるみが目にはいった。


「フェリーナはどう?」


「フェリーナ? どういう意味?」


「意味はないよ。

 妖精をフェアリーって言うでしょ。

 それを少し変えて、フェリーナ」


「かわいい響きね。いいと思う。

 じゃあ、フェリーナにふゆさんを連れていくのは、三ヶ月後にしよう」


メリは深く考えないでフェリーナという名前を受け入れてくれた。


「えっ待って、

 三ヶ月もかかるの?私が重たい波動だから?」


「うん……正直、重たい。

 長い間抱えてきたものを変えるのは簡単じゃないの」


「私は何をすればいいの?」


「何もしなくていい。頑張らないと変化が起きないって思い込みだよ、

 私が波動を変えるから」


「わかった。よろしくお願いします」


「じゃあ、今夜は帰るね」


そう言うと、メリはササッとベランダから闇に消えていった。


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