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カフェ

「……なんで、メリ? みんな知り合いなの?」


そう言うと、結衣が不思議そうな顔をした。


「え? なに言ってるの? 知ってるよ。


 いつも家に来てるじゃない!」


――いつも……?


メリを見ると、


まるで昔からの友達のように、自然にそこに立っていた。


私とメリは……昔からの知り合いで、家が近所だった?


みんなが“当たり前”という顔で、私を見ている。


「そーだよね。ママ、なに言ってるんだろ〜」


私は、なんとかその場をやり過ごした。


「ふゆさん、少し外で話でもしない?」


外で?


私たちは近所のカフェに行くことになった。


外に出ることには、まだ少し違和感がある。でも恐怖はない。


夏の外は、思った以上に暑かった。


マンションのすぐ前にある、小さなカフェ。


存在は知っていたけれど、一度も入ったことはなかった。


紺色のワンピースを着たメリと一緒にエレベーターに乗って、


カフェに向かった。


木で出来た扉を開けると、涼しい風が出てきた、


店内は三十席ほど。


テーブル席が六つと、六人掛けのカウンターがある。


私たちは入口に一番近い席に座った。


ほかに客は五人。


一人はカウンターでスマホを見ながらコーヒーを飲み、


残りは六十代くらいの女性たちが4人掛けのテーブルで、

顔を近づけて楽しそうに話していた。


席に着くと、二十代後半くらいの小柄で可愛らしい女性が、


すぐに冷えた水を持ってきてくれた。


「メニューが決まったら声をかけてください」


ぴったりしたデニムを履いている。


女性はそう言ってカウンターに戻った。


どうやら店員は、奥で料理をしている男性と、今の女性の二人だけのようだ。


久しぶりの外食。私は少しわくわくしていた。お腹も空いている。


メニューを見て、「本日のおすすめ」と書かれていた


ハムサンドと紅茶を頼んだ。メリはコーヒーだけ。


窓の横には小さな棚があり、木彫りのうさぎの置物が置かれている。


店内のあちこちにも、木彫りの人形。店主の手作りだろうか。


「どう? この世界」


メリが聞いてきた。


「……まだ、よくわからない」


正直に答える。


「でも、今こうやって外に出られているでしょう?」


「いつもの不安や、重たい空気を感じない。」


「それよ。エネルギーが違うの。

 軽いエネルギーの世界を作ったの」


メリはどや顔で話しを続けた。


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