新たな挑戦
「えっ?私が消したなんておかしい、
私は外に自由に出られない世界を憎んで、
消えてしまえって願った。でも世界は消えなかった」
「今のぬいぐるみの世界は簡単に作った小さな世界。
でも、ふゆさんが暮らしている世界は、
もう何十年もエネルギーを注いだ大きな世界だから、
なかなか消えない。
ふゆさんは違う世界に行っていることもあった。
でもまた元の窮屈な世界に戻ってしまう。」
「えっ?私は違う世界に行ってたぐことあるの?」
「異世界って言うのかな?すべてが同じ世界だけど、
みんなの性質が違う世界。
さっきの世界も同じ世界だけど、
旦那さんも娘さんも違うように感じたでしょ?
中身が違うってこと。」
「確かにみんな違った、そんな世界作れるの??
そしてその世界を私が作ることができるの?」
「さっきのぬいぐるみの世界は、海の上で作ったシャボン玉みたいな感じ。
すぐに消えて海に溶けてなくなる。
でも、大きな大きなエネルギーを注ぎ込んだ世界。
それを作る方法を教えてあげる。」
「えっ?でもなんで私なんですか?」
そう聞くとメリは少し寂しそうに話した、
「私はずっと一人で世界を作ってきた。ずっと孤独だった。
そろそろ後継者を育てる時だと思ってたの。
ふゆさんは私の後継者にふさわしい人だと思って。」
メリはそう言ってこちらを見て子供ように微笑んだ。
「私が後継者?メンタルの弱いおばさんだけど大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。私が手取り足取り教えてあげる。」
そう言ってメリは大きな目を輝かせた。
「はい…わかりました。」
あまり気乗りはしなかった。
でも挑戦したい気持ちはあった。
主婦になり母になり、いつも自分を我慢して、
旦那優先・子供最優先の世界で生きてきた。
家から出られない私は、新しいことにチャレンジする機会がほぼ無い。
これは大きなチャンスだ!
でも…
怪しすぎるけど大丈夫か?と自分に問いかけた。
しかし心の中では答えは決まっていた。断る理由は無い。
「じゃあまずは、今日はゆっくり寝て。明日の夜から始めましょう。
基本は1日8時間は寝ること。エネルギーを操るには体力が必要だから、
たくさん食べて、昼寝をして、
エネルギーが落ち着いた夜に練習しましょう。
今日は私も眠くなっちゃったわ。帰るね。」
そう言ってメリはベランダから出るとスッと消えてしまった。
現実とは思えない光景に驚き私はその場に立ち尽くした。




