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メルヘンは幻想

「こ、こんにちは。話せるんだね!」


いつもベッドに置いてあるうさぎのぬいぐるみが歩いている。


うさぎだけど二足歩行をしている、


カーボーイの人形が人間が見ていないところでは、


動いているなんて映画を見たことがあるけど、


実際ぬいぐるみが動いていると、怖い・・・


音も無く私に近づいてきて話しかけて来た。


「私、昔からふゆとお話したかったの。」


想像より低い声だった、


「えっ嬉しい、私も話したかった!」


もう30年は一緒にいるぬいぐるみ、


唯一のお友達だった時もあった、


怖さは無くなり嬉しい気持ちになった、


私はしゃがんで抱っこしようとすると、うさぎが話しはじめた。


「ふゆってさ〜昔から些細なことで悩んで、いつもメソメソ泣いてたよね!

 いつも“頑張れ”って思ってたけど、

 ふゆには通じなかったからもどかしかった!」


えっ?悪口?まさかの悪口??


私は抱っこするのを辞めてソファに座った。


仲良しだと思っていたのに…。


確かにいつも泣いて愚痴を言っていたけど、迷惑だった?


「もう大人になりなよ。いつまでもぬいぐるみなんて持ってないでさ〜」


そう言って私の隣に座り、短い足を組んでこっちを見ている。


「お茶子、なんでそんなこと言うの?あんなに仲良しだったのに。」


「あんたが私に懐いてただけでしょ!」


気だるげに話している、


「お茶子ひどい!」


音がして振り向くと、私の部屋の棚に置いてあった、


白いくまとピンクのユニコーンのぬいぐるみも歩いて来た。


「あ〜やっと動ける、走ろう!前から走りたかったんだ」


そう言うと、くまとユニコーンはパカパカと走り出した。


体は綿なので大きな音はしない。


けれどテレビや棚にドスンドスン当たるので、私は2個を捕まえた。


「走ったらだめ!」


そう言うと、


「うるさい!」


と言って私の腕を払いのけ、また走り出した。


「ねえ、もうやめてって言ったでしょ!!」


いくら注意しても2個は言うことを聞かない。


お茶子は足を組んだまま、その光景を気だるそうに見ていた。


もう嫌だ。想像とまったく違う。こんな世界嫌!!


と思った次の瞬間、私はメリの前に座っていた。


「どうだった?」


メリは笑顔で聞いてきた。


「最悪だった!」


「だと思った!」


メリはそう言って笑った。


「思い込みがあるのよ。洗脳って言ってもいいかも。

 ぬいぐるみはみんな高い声で“ふゆちゃんちゅき!”とか言うと思っんでしょ?

 ぬいぐるみに魂はないけど、気持ちはあるのよ。

 それにぬいぐるみにも個性がある。凶暴だったり、

 さばさばしていたり、様々なのよ!」


メリは得意気な顔をしている。


 「でも世界を消して帰って来ることができるなんてすごいじゃない。」


「世界を消した?私が?」


「こんなの嫌だと“消えて”と思ったら、消えたでしょ!」


「確かに!確かに!」


「世界はシンプルなの。嫌な世界は消えて、

 自分に都合の良い世界でみんな暮らしていけるのよ、

 人間が世界をややこしくしているだけ。」


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