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恐怖と飛び込む勇気

「マーガレット嬢。聞いたところによると君は剣術が得意だそうだが、いつからやっていたのだ?」


剣術の話…ユーリス様が言ったのね…

公爵令嬢が剣を振るなんて…おかしいと思われるよね…


「六歳の頃からです。最初はもちろん、剣を握るのではなく相手の動きを読み取るだけでした。そこから成長して十歳の頃にやっと剣を握り、お父様に一人でいるときも自分で身を守れるようにと言われて学び始めました。」


「そんなに幼いときから…」とアリオス国王陛下は感動したようにリアクションをする。


「マーガレット嬢。一度ユーリスと剣を交えてみてはいかがかな?」


「ユーリス第一王子殿下とですか…?」


「ああ。ユーリスの剣術はこの国で右に出る者はいない。いかがかな?」


「でも…私はただの公爵令嬢が剣を学んでいたなんて変では…」


私はただただ不安だった。

公爵令嬢が剣術を学んでいるなんて、拒否感を持ってしまうんじゃないかと。でも、そんな不安は必要なかった。


「マーガレット嬢。実はね、エレーナも剣術を学んでいたんだよ。」


「エレーナ王妃様がですか…?」


「ええ、そうよ。私もマーガレットさんが言われたようにお父様に言われましたわ…学ぶとすごく楽しかったけど、今のマーガレットさんのように私も悩んだわ…でもね。意外とみんな認めて受け入れてくれたの。アリオスは私を一番最初に認めてくれたわ…最初は受け入れてもらえるか分からず怖いけど、意外とみんなすぐに受け入れてくれるわ。だから何も心配することはないのよ、マーガレットさん。」


エレーナ王妃様の言葉が私の心の中にスッと入ってくる。私が感じてたことをエレーナ王妃様も感じていたときがあったと知って安心した自分がいた。


相手を信じて、飛び込んでみることも大事なのかもね…


「エレーナ王妃様。ありがとうございます。ユーリス第一王子殿下。私の剣の相手をお願いします。」


「もちろんだよ…!マーガレット!」


夕食が終わって少し時間を置いてから剣を交えることにした。


「マーガレット嬢。見ていてもいいかな?」


「もちろんです。」


「ありがとう。」


周りから見たら変な光景だろう。

剣を持ったユーリス様と私の姿。

そしてそれを見守るアリオス国王陛下とエレーナ王妃様、そしてアラン第二王子。


「マーガレット。始めようか。」


「はい。」


ユーリス様の「始めようか」という一言でその場の空気が一瞬にして変わった。それと同時に、ユーリス様の表情も。私がよく見ていたあの優しく、よく笑っているその姿ではなくて、今の表情はあの時、私を盗賊から助けるときの表情と同じだった。


(もしかして…ユーリス様って剣を握ると変わってしまうのかしら…)


そんな風に余計なことを考えていると、ユーリス様がこちらに仕掛けてきた。

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